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- あなたの細胞培養、大丈夫ですか?! ラボの事例から学ぶ結果を出せる「培養力」
商品情報
内容
細胞培養を用いた研究は,「いつでも」「どこでも」「誰でも」比較的簡単に開始できる研究です。始めたばかりの研究者にも、普段の培養をよりよいものにと考えている経験豊富な研究者にもオススメできる内容となっています。
序文
はじめに
分子生物学的実験手法が一般に広まった頃,「モレキュラーは嘘つかない」という言葉をよく耳にしました(少なくとも,私が所属していた研究室のボスがよく言っていました).これは,「分子生物学的実験は,結果が明瞭であり,いつ・どこで・誰がやっても再現性のある実験である.」ということを言わんとした言葉です.即ち,その背景にあるのは,「従来の実験手法による結果(論文発表等)には再現性が乏しいものが多い」という思いです.そして,従来の実験手法の代表的なものが,培養細胞を用いた細胞生物学的実験かと思います.
私の経験を紹介します.とある細胞株を使用して,1年以上をかけて出した研究成果を論文として投稿したところ,レビューアーから「あなたが使用している細胞株の特性は,その細胞株の本来の特性とは異なるものであり,実験再現性に疑問がある.」と言われ,リジェクトされました.結果として別の雑誌には発表できたのですが,「培養細胞を用いた研究なんか,もう二度としない!」と心に誓いました.
月日は流れ,私は反省し,気付きました.「悪いのは細胞ではない.細胞に罪はない.悪いのは,標準化された培養細胞を使っていない研究コミュニティであり,標準化された培養方法が広く行き渡っていない研究コミュニティである.」細胞培養を用いた研究は,「いつでも」「どこでも」「誰でも」比較的簡単に開始できる研究です.しかし,それが故に,細胞培養に精通していない研究者も従事することになることが多いのも事実です.そして,培養系のマイコプラズマによる汚染とか,細胞の取り違えとか,本来の細胞特性の喪失とかが頻繁に発生することになります.これらの事象のすべては,実験再現性のない研究成果を世の中に公表することへとつながり,実施した本人の時間と労力の無駄となるばかりでなく,研究コミュニティに対して大きな混乱と困惑を招きます.「細胞そのもの」と「培養方法」,この両者の標準化なくして,細胞培養を用いた研究は真の科学にはなりえません.
本書が,細胞培養を用いた研究を始めたばかりの研究者の皆様のお役に立つことができれば幸いです.また,経験豊富な研究者の皆様におかれましても,普段の培養をよりよいものにする一助となればと願っております.そして,すべての生命科学研究者が「細胞培養を用いた研究は嘘つかない」と自信を持って言える日が来ることを祈念いたします.
中村 幸夫
目次
第1章細胞培養の準備はできていますか?
第2章細胞の培養操作に慣れていますか?
第3章細胞の特性解析はできますか?
第4章細胞利用に関する規制を知っていますか?
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書籍情報
- ISBN:9784758120616
- ページ数:246頁
- 書籍発行日:2015年10月
- 電子版発売日:2017年7月14日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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