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ポスドクの流儀 悩みを解きほぐして今日から行動するためのチェックリスト
Liz Elvidge , Carol Spencely , Emma Williams (著) / 小谷 力 (翻訳) / 羊土社
商品情報
内容
原題:What Every Postdoc Needs to Know
序文
序
ポスドクは楽なものではありません。自分の研究者生活を振り返ってみても、ポスドクとして過ごした4 年間はひときわ困難な時期でした。取り組んでいた研究は大好きでしたが、小さい子供を抱え、月々の支払いも多く、長期的なキャリアの見通しはありませんでした。
ポスドクは過渡期で、学生時代を後にしてアカデミックなキャリア、あるいは最近になって増えつつあるより広範な仕事へと巣立っていくステップなのです。また大きな不安を抱える時期でもあり、契約は任期付きで資金は不足気味、博士号を取得した喜びも束の間、仕事は突如としてつまらない繰り返しに思えて、自分の選んだ道に疑いを持つようになるのです。
しかし、近年はこのような事態に進歩が見られます。大学の研究におけるポスドクの多大な貢献に対する評価と、専門的な支援と助言の必要性に関する認識の高まりが相まって、ポスドクの生活と仕事の環境が目に見えて改善されてきました。ポスドクが安価な消耗品として不当な扱いを受ける、忘れられた「実験室の猿」だったのも昔のことです。
私は長い間、大学に所属するポスドクに対する支援を強化することに情熱を注いできました。現役の研究者であった30 年の間、50 人以上のきわめて優秀な若い男女のポスドクと一緒に仕事をする機会に恵まれ、彼らから多くのことを学び、その後の彼らの成長を大いに誇りにしています。ですから、2013 年にインペリアル・カレッジ・ロンドンに着任し、ポスドク・コミュニティーへの支援と彼らの成長に対するきわめて真摯な取組みを知って嬉しく思いました。ここのポスドク開発センターはこの分野の模範だと思います。
インペリアルのポスドク開発センターは、総勢2400 人以上のポスドク・コミュニティーに個々の必要性に応じたさまざまな助言とサービスを提供しています。キャリアに関する助言や履歴書作成ワークショップから、人脈形成の機会提供や「家族連れに優しい」取組みまで、センターは非常に優れた支援体制を備えています。このセンターの成功は、センター長リズ・エルビッジ博士の傑出した、そして人を奮い立たせるようなリーダーシップによるところが大きいと言えます。リズはこのインペリアルでも国内の各地でも積極的に発言し実績を上げているポスドクの支援者です。ポスドク・コミュニティーと「一緒になって」働き、特に彼らの心配事だけでなく期待や願望にも耳を傾けることで、彼女は強固できわめて効果的な支援体制を築くことができました。
ポスドク開発センターの成功は、少なからず本書の共著者でもある次の人々のおかげでもあります。キャロル・スペンスリー博士はセンターの初代コンサルタントでした。彼女はポスドクからインペリアルの研究開発員へと難なく転身しました。インペリアルで免疫学のポスドクを経験することで得た専門知識と、研究の要請やキャリアの移行、そして高等教育(HE)の世界で働くことへの情熱を調和させる経験とを兼ね備えています。
エマ・ウィリアムズ博士は、ポスドク開発センター創設以来の外部コンサルタントです。彼女は、ケンブリッジ大学での以前の仕事で示した研究者の能力開発に関する創造的な才能で得たアカデミックな信頼性と、あらゆる分野から助言を求められる親しみやすいスタイルとを併せ持っています。
現在、リズ、キャロル、エマは、他の研究機関を訪れてインペリアルで開発された知見と優れた実践を共有させて欲しいという求めに引っ張りだこになっています。私は、今その経験と知識がこの貴重な本を通じてより広範な人々に伝えられるようになったことを喜んでいます。本書は現役のポスドクあるいはその予備軍にとっての「入門書」として完璧なだけでなく、ポスドクの管理責任者である研究者にとっても必読書だと思います。
ジェームズ・スターリング教授
大英勲章第3 位(CBE)、王立協会フェロー(FRS)
物理学研究所フェロー(FInstP)、インペリアル・カレッジ・ロンドン学長 ポスドクの流儀
目次
序
謝辞
日本語版発行に寄せて
まえがき
第1章 ポスドクという選択
第2章 英国の高等教育の背景
第3章 研究者として英国に渡る:海外へ渡る人への教訓
第4章 ポスドクという立場で働くことを最大限活用するには
第5章 研究責任者(PI)との関係
第6章 論文発表と生き残り
第7章 教えることと監督すること
第8章 移転可能なスキルの開発とチャンスのつかみ方
第9章 効果的な人脈形成の要点
第10章 予測不可能な研究─リスクと見返りのバランス
第11章 生産性を高め、ストレスを減らし、プレッシャーを軽減する
第12章 研究の多様性
第13章 研究公正と倫理
第14章 キャリアと意思決定に対する責任
第15章 学術界を超えるキャリア
第16章 フェローシップ
第17章 「講師への飛躍」(講師職:仕事の内容と応募方法)
第18章 成功する履歴書の書き方
第19章 面接と質問
第20章 結論:今、あなたに知っていて欲しいこととは?
第21章 あなたへ
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書籍情報
- ISBN:9784758121040
- ページ数:283頁
- 書籍発行日:2020年2月
- 電子版発売日:2020年3月6日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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