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- 人工股関節全置換術[THA]のすべて 改訂第2版
商品情報
内容
手術に必要な解剖に始まり、器具の選択とセッティング、各種皮切と展開、進入法に合わせた置換手技、後療法から合併症の対策まで、一連の流れを経験豊富な医師たちによる詳説とオールカラーのイラスト・写真で解説。人工股関節置換術(THA)の手技と要点をオールラウンドに取り扱った1冊。
序文
弛みや周術期の合併症が起きない人工股関節置換術(total hip arthroplasty;THA)の開発は長年の夢であった。THAの材料やデザイン,手術手技が進歩してその固定性は大幅に向上した。THAの耐用年数の向上を妨げる最大の要因は摺動面の摩耗と摩耗粉発生によるインプラントの弛みと周囲の骨溶解であり,摩耗の少ない摺動面の開発が耐久性を向上させる鍵であった。
近年THAにおいて最も進歩したことの1つは,摩耗が著明に減少した摺動面が開発されたことである。金属対ポリエチレンの他に,摩耗の減少を目的として金属対金属,セラミック対ポリエチレン,セラミック対セラミックなどが摺動面として用いられた。金属対金属摺動面では,大径骨頭のTHAや表面置換の術後に金属摩耗粉による反応性病変の発生が多数報告された。これは股関節周囲の腫瘍性病変(偽腫瘍:pseudotumor)であり,金属摺動面やヘッド-ネック接合部の金属摩耗粉による組織の炎症性あるいはアレルギー性変化であると考えられ,2010年頃よりその使用頻度は激減した。現在,金属またはセラミック骨頭対ハイリークロスリンクポリエチレン,セラミック対セラミックが摺動面によく用いられている。この最近のトピックスである摺動面の話題を独立した項目としたことが,初版からの変更点の1つである。
MIS(Minimally invasive Surgery,Mini-incision Surgery)THAにおいては早期の除痛,機能回復による在院日数の短縮などがあげられ,近年広く普及してきた。その有効性が強調されている一方,逆に手術視野の制限によるインプラント設置の正確性,合併症増加の懸念など,その有効性を疑問視する意見もある。MIS THAに関する知識は重要であり,「Minimally invasive Surgery,Mini-incision Surgery」を独立した項目としたことが,もう1つの初版からの変更点である。
本書の内容が整形外科研修医,股関節外科医を目指す若い整形外科医にとって大いに参考になり,日常診療の現場で役立つものと期待している。本書の執筆に貴重な時間を割いていただいた多くの先生方に深謝するとともに,企画から出版までご尽力いただいたメジカルビュー社編集部の苅谷竜太郎氏に深謝したい。
2015年2月
旭川医科大学整形外科学教授
伊藤 浩
目次
Ⅰ.人工股関節全置換術
歴史と変遷
THAに必要な解剖
後・後外方進入法
前・前外・外方進入法
術前準備の注意
術前計画の重要性
インフォームド・コンセント
術前の患者準備
術前(術場内)の注意事項
術場内の一般原則
手術体位・固定法:側臥位
手術体位・固定法:仰臥位
手術手技
手術器具の選択と使用法
後・後外法進入法
仰臥位での大転子翻転による外方進入法(Charnley法)
その他の進入法
セメント使用THA
臼蓋(カップ)側の処置
大腿(ステム)側の処置
セメントレスTHA
臼蓋(カップ)側の処置
大腿(ステム)側の処置 一体型,Modular型の選択(メリット・デメリット)
大腿(ステム)側の処置 一体型セメントレスステム
大腿(ステム)側の処置 Modular型人工股関節全置換術(S-ROM)
Hybrid THA
摺動面の選択
亜脱臼性(脱臼性)股関節症に対するTHA
手術時間の短縮法
後療法とクリニカルパス
後療法とクリニカルパス
術後5日間で自宅への退院を可能とするクリニカルパス
合併症とトラブルシューティング
Ⅱ.Minimally Invasive Surgery,Mini-incision Surgery
MIS THAの歴史,適応,メリットとデメリット
手術手技
後方進入法
前外側進入法
前方進入法
two-incision apprpach
MIS THAの特殊手術器械
ナビゲーションを用いた人工股関節全置換術
人工股関節全置換術の麻酔と周術期管理
術後回復力強化プログラムと麻酔からの回復の質を評価する時代
術後の疼痛コントロール
Ⅲ.人工骨頭置換術
総論
手術手技
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書籍情報
- ISBN:9784758313636
- ページ数:280頁
- 書籍発行日:2015年3月
- 電子版発売日:2018年6月15日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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