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- 実践に活かす! 症例で覚えるPCI術者に必要な治療Tips
商品情報
内容
日常のPCI治療の実践において遭遇するさまざまな患者様の特別な背景を取り上げ、それぞれの状況に対してどのような根拠に基づいて治療方針を立てるべきか。具体的な症例提示を通じて学ぶ書として企画された本です。
序文
冠動脈インターベンション(PCI)治療は薬剤溶出ステントの登場以降,今日まで,虚血性心疾患治療の第一選択として多くの循環器専門施設で積極的に行われるようになりました。同時に,EBM(evidence based medicine)とう考えが社会に広く浸透かつ定着し,われわれが治療方針を決定する際には常に科学的根拠を求められる時代にもなりました。臨床研究は一般に大規模臨床試験ほど統計的powerが強く,そこから得られた結果は信頼度の高いevidenceとして評価されます。しかしながら,このような臨床試験から得られる結論は個別の患者様の個別の臨床背景を留意したものではないために日常の臨床ではしばしば,どのようなPCI治療を選択すべきか適切な治療方針を決めかねる事態に遭遇します。冠動脈疾患に罹患した患者様は全身もしくは局所の並存疾患を伴うことも多く,さまざまな背景をもつ個々の患者に応じた適切な治療を判断することは必ずしも容易ではないからです。特にわが国においては,いわゆるhigh volume centerにおいて治療が行われることはむしろ少なく,多くの施設では限られた症例数の中でPCI治療が行われているという状況があります。特殊な臨床背景を伴った患者様へのPCI治療の経験が十分ではない術者が多いことが懸念されます。
本書ではわれわれが日常のPCI治療の実践において遭遇するさまざまな患者様の特別な背景を取り上げ,それぞれの状況に対してどのような根拠に基づいて治療方針を立てるべきか。具体的は症例提示を通じて学ぶ書として企画しました。症例の提示は全国のPCI治療の経験,実績の豊富なエキスパート医師にお願いし,理論的背景と経験に基づいて解説を頂いております。エキスパート医師の経験した特別な背景を伴った症例の治療経験を共有できることは特に次世代の若い医師にとって貴重ですし,本書で得られた知見が明日からの日常のPCI治療に役立つことを願っております。
最後に本書の執筆にご協力頂いた諸先生方と本書の企画から出版にいたるすべての過程でご尽力頂いた,メジカルビュー社の編集部 吉田富生氏に心より御礼申し上げます。
2015年8月
JCHO北海道病院心臓血管センター心臓内科部長
五十嵐康己
目次
Ⅰ 他疾患が併存する冠動脈疾患へのPCI治療の考え方
腎機能障害を伴う症例
CKD stage 3を合併した症例
CKD stage 4を合併した症例
維持透析患者に対するPCI治療
肝硬変を伴う症例へのPCI
年齢を考慮したPCI治療
閉経前女性に対するPCI治療
若年男子(40歳以下)に対するPCI治療
超高齢者(90歳以上)に対するPCI治療
金属アレルギー患者に対するPCI治療
担癌患者へのPCI治療
PCI施行前に手術適応のある悪性腫瘍が見つかった場合
悪性腫瘍を有する患者に対してのインターベンションについて
非心臓手術を控えた患者へのPCI治療
Ⅱ ACSに対するPCI治療の考え方
重症心原性ショックを伴う症例
左主幹部閉塞
多枝閉塞
左冠動脈前下行枝入口部閉塞
大量の血栓を伴う症例
拡張した右冠動脈閉塞
変性静脈グラフトと閉塞
不安定狭心症へのPCI治療
待期的治療が望ましい症例
ad hoc治療が望ましい症例
末梢塞栓予防が必要な症例
Ⅲ 全身の動脈硬化を伴う冠動脈病変へのPCI治療の考え方
大動脈疾患を合併
上行大動脈拡張例
Shaggy aorta合併症例
高度大動脈血管蛇行を伴う症例(7Frガイドが必要なPCI症例)
上腕動脈アプローチをやむなく必要とする症例
重症PADを合併した患者へのPCI
Ⅳ 特殊な冠動脈病変に対するPCI治療の考え方
病変部位
右冠動脈入口部病変
左冠動脈主幹部入口部病変
左冠動脈主幹部遠位部病変
左冠動脈前下行枝入口部病変
左回旋枝入口部病変の問題点
灌流域の大きい対角枝を含む分岐部病変
高度心機能低下(EF20%)を認めた心不全合併症例
弁膜症合併症例
中等度大動脈弁狭窄症合併症例
中等症僧帽弁閉鎖不全症合併症例
起始異常を伴う冠動脈病変へのPCI
ロータブレーター施設基準を満たさない施設での石灰化病変へのPCI
川崎病に伴う冠動脈病変へのPCI
Ⅴ PCI時にきたした重症合併症への対応
HIT症候群への対応
いかにHITの出現を予見するか?
手技中繰り返す血栓閉塞への対応法
左冠動脈主幹部での冠動脈穿孔への対応
デバイス抜去困難時の対処法
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書籍情報
- ISBN:9784758314275
- ページ数:314頁
- 書籍発行日:2015年9月
- 電子版発売日:2017年6月23日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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