機能的脳神経外科 診療ガイドブック

  • ページ数 : 224頁
  • 書籍発行日 : 2018年3月
  • 電子版発売日 : 2018年12月21日
9,900
(税込)
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商品情報

内容

機能的脳神経外科を学ぶのなら、まずはここから。

機能的脳神経外科の基本的な事項から,各疾患の日常診療に役立つ知識を習得できるよう編集した本書。前半の総論では各種ガイドライン,検査,外科的手術,定位放射線,ニューロモデュレーションなどの治療法について,後半の各論では疾患毎にQ&A方式で診断と内科的外科的治療について解説する。これから機能神経外科を目指す脳外科医にも,日々脳外科での診療に携わっている医師にとっても十分役に立つ一冊である。

序文

この度、診断および内科的・外科的治療の最新エッセンスを効率よくまとめた、『機能的脳神経外科 診療ガイドブック』を発刊することになりました。専門医を目指す若手医師に加え、「機能的脳神経外科」は学問的に興味深い分野だが専門ではないと考えておられる医師にとって、日常診療に役立つ最良の一冊となるように編集しております。

機能的脳神経外科の対象疾患として、てんかん、パーキンソン病、ジストニア、振戦、疼痛、そして三叉神経痛、顔面けいれん、舌咽神経痛などがあります。これらの疾患に対する機能調節の治療を行うためには、脳神経機能のモニタリングが必要となります。いわゆる専門書とは一線を画して、臨床の必要時に本書を読むことで最新知識を学べるように、各分野のオピニオンリーダーに趣旨をご理解いただいたうえで執筆をお願いしました。

本書前半では、ガイドライン、検査、最新外科的手術、ニューロモデュレーションなどの基礎的知識について解説します。後半の各論では、疾患毎にQ&A方式で疾患に対する診断と内科的外科的治療を日常の診療に即して"Essentials" "Clinical Question" "Practice"の3つに分け解説します。さらに覚醒下手術や術中神経機能モニタリングについて、タスクや刺激の試行、記録、結果の理解に必要な重要ポイントをわかりやすく説明しています。

進化し続ける乳がん検診,そのあり方は,科学技術の進歩のみでなく検診を受ける人の行動にも大きく影響を与える。本書が乳がん患者さんのQOL向上,および死亡率減少に結びつくことを確信している。


●"Essentials"では、治療を行ううえで知っておかなければならない必要最低限の各疾患のデータ(疫学や診断法、分類、治療法など)を、冒頭にまとめて解説しています。

●"Clinical Question"では、臨床現場で判断に苦しむ事項、議論の多い点等についてCQを小見出しとして、イラストや写真なども加えて解説しています。

●各項目の最後には、"Practice"を設け、復習と専門医試験などに役立つよう、問題2題を出題し、解答と解説を記載しています。


本書によって読者の先生方の日常診療が一層深厚なものとなれば望外の喜びです。


2018年3月

札幌医科大学医学部脳神経外科講座教授
札幌医科大学医学部付属病院脳機能センター長
三國 信啓

目次

Ⅰ 総論

てんかんのガイドラインのポイント

はじめに

てんかんの定義

てんかんの疫学

てんかん発作と,てんかんの分類

診断の手順

初回発作の治療,ガイドライン

抗てんかん薬の選択

てんかん外科治療

定位・機能神経外科治療ガイドラインのポイント

はじめに

定位・機能神経外科治療ガイドライン 第3版

他の国内ガイドラインのなかでの定位・機能神経外科治療

世界のガイドラインのなかの定位・機能神経外科治療

検査の進歩:非侵襲的検査

はじめに

脳波

MEG(脳磁図)

CT,MRI

機能的MRI(fMRI)とトラクトグラフィ

SPECT

PET

最後に

検査の進歩:侵襲的検査

はじめに

頭蓋内電極留置による脳波記録

頭蓋内電極による脳機能マッピング

和田テスト

SEEG

最近の治療

はじめに

てんかんに対する定位脳放射線治療

てんかんに対する電気刺激療法

三叉神経痛に対するガンマナイフ治療

不随意運動疾患に対するガンマナイフ治療

本態性振戦に対する集束超音波治療

ニューロモデュレーション療法:現状と展望

はじめに

ニューロモデュレーションとは

脳破壊術

脳深部刺激療法

脊髄刺激療法(SCS)

ITB療法

経頭蓋磁気刺激

その他のニューロモデュレーション

ニューロモデュレーションの未来

Ⅱ 各論

てんかん

[Essentials]

[Clinical Question]薬剤治療の進め方

[Clinical Question]手術のタイミングと説明のポイント

[Clinical Question]手術をしない(してはいけない)てんかんとは?(予後,治療含む)

[Clinical Question]側頭葉病変によるてんかんで海馬切除は必要か?

[Clinical Question]術中脳波はどんなときに有効か? 必要か?

[Clinical Question]脳神経外科領域で重要な脳波判読のポイント

[Clinical Question]てんかんの実用性定義の解釈

[Clinical Question]非けいれん性てんかん重積の診断と治療

[Clinical Question]長時間ビデオ脳波同時記録の実際と注意点

[Practice]

不随意運動

[Essentials]

[Clinical Question]振戦を診察した際の診断のポイントは?

[Clinical Question]ジストニアを診察した際の診断のポイントは?

[Clinical Question]振戦・ジストニア以外の不随意運動を診察した際の診断のポイントは?

[Clinical Question]振戦に対する薬物治療をどのように進めていくか?

[Clinical Question]不随意運動に対するターゲット選択はどのように進めるか?

[Clinical Question]手術の適応と合併症は?

[Clinical Question]痙縮に対するバクロフェン髄腔内投与治療の適応は?

[Clinical Question]頭蓋内病変による不随意運動症はどのようなものがあるか?

[Clinical Question]不随意運動に対する外科的介入として適切な手技は刺激術? 凝固術?

[Practice]

パーキンソン病

[Essentials]

[Clinical Question]神経学的診断のポイントは?

[Clinical Question]画像診断のポイントは?

[Clinical Question]薬剤治療はどのように進めるか?

[Clinical Question]手術の適応について,どのタイミングで手術を考慮し,また刺激部位(視床下核,淡蒼球内節)はどのように選択するか?

[Clinical Question]深部刺激ターゲットはどのように計画し決定するか?

[Clinical Question]術後の刺激をどのように設定するか?

[Practice]

三叉神経痛,顔面けいれん,舌咽神経痛

[Essentials]

[Clinical Question]診断のポイントは?

[Clinical Question]三叉神経痛と舌咽神経痛との鑑別は?

[Clinical Question]画像診断のポイントは?

[Clinical Question]薬物治療の進め方は?

[Clinical Question]手術シミュレーション画像のポイントは?

[Clinical Question]手術のタイミングと説明のポイントは?

[Clinical Question]手術のモニタリングは?

[Clinical Question]三叉神経の手術のピットフォールは?

[Clinical Question]顔面けいれんの手術のピットフォールは?

[Clinical Question]再手術の適応と注意点は?

[Practice]

難治性疼痛

[Essentials]

[Clinical Question]神経障害性疼痛の可能性のある患者のスクリーニング方法は?

[Clinical Question]神経障害性疼痛を診断する方法は?

[Clinical Question]神経障害性疼痛の薬物療法はどうするか?

[Clinical Question]神経障害性疼痛の病態ごとにエビデンスのある薬物は?

[Clinical Question]脊髄電気刺激療法(SCS)は神経障害性疼痛にどのように有効なのか?

[Clinical Question]難治性慢性疼痛のうち,脊髄刺激療法の有効性が高い疼痛症候群は何か?

[Clinical Question]SCSに適した電極は? 棒状リード vs パドルリード

[Clinical Question]電極留置部位はどのようにして決定するか?

[Clinical Question]手術合併症について

[Clinical Question]脊髄電気刺激療法(SCS)の効果予測は可能か?

[Clinical Question]手術のタイミングと説明のポイントは?

[Clinical Question]最新の脊髄電気刺激療法(SCS)の動向はどうか?

[Clinical Question]大脳皮質運動野刺激療法(MCS)は難治性疼痛症候群に有効か?

[Clinical Question]大脳皮質運動野刺激療法(MCS)の効果を予測することは可能か?

[Clinical Question]反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は,難治性疼痛に有効か?

[Clinical Question]脳深部刺激療法(DBS)は神経障害性疼痛に有効か?

[Clinical Question]末梢神経刺激は難治性頭痛に有効か?

[Clinical Question]末梢神経刺激は末梢神経障害性疼痛に有効か?

[Clinical Question]脊髄後根進入部遮断術(DREZotomy)が有効な神経障害性疼痛は?

[Practice]

覚醒下手術と脳機能

[Essentials]

[Clinical Question]手術中に信頼できる脳機能検査タスクとは?

[Clinical Question]高次脳機能検査はどうする?

[Clinical Question]どこで摘出を中止する?

[Clinical Question]高頻度電気刺激方法における違いとは?

[Clinical Question]術中合併症への対応(嘔気,痛み,精神的不安,けいれん発作)はどうしたらよいのか?

[Practice]

神経機能のモニタリング

[Essentials]

[Clinical Question]SEPの実際のセッティングと記録はどのように行うのか?

[Clinical Question]MEPの実際のセッティングと記録はどのように行うのか?

[Clinical Question]MEP,SEPモニタリング中の注意点は?

[Clinical Question]VEPの実際のセッティングと記録はどのように行うのか?

[Clinical Question]AEPの実際のセッティングと記録はどのように行うのか?

[Clinical Question]NIM(nerve integrity monitor)と持続顔面神経モニタリングの実際のセッティングと記録はどのように行うのか?

[Clinical Question]AMRの実際のセッティングと記録はどのように行うのか?

[Practice]

精神疾患

[Essentials]

[Clinical Question]ECTとDBSと,ともに脳に対する電気刺激なのになにが違うのか?

[Clinical Question]精神疾患に対するニューロモジュレーションの過去は?

[Clinical Question]精神疾患に対するニューロモジュレーションの現状と今後は?

[Clinical Question]精神疾患を神経疾患のような身体疾患と同様に扱ってよいか?

[Clinical Question]精神疾患に対して脳手術を行ってよいのか?

[Clinical Question]この領域における日本でのガイドラインはあるのか?

[Practice]

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書籍情報

  • ISBN:9784758318464
  • ページ数:224頁
  • 書籍発行日:2018年3月
  • 電子版発売日:2018年12月21日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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