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- 放射線医学 頭頸部 画像診断
商品情報
内容
頭頸部画像診断は、放射線科専門医にとっても難易度が高いものです。本書は頭頸部放射線の専門家が得意な領域を分担したことにより、それぞれの項目がユニークでかつレベルの高いものとなっています。放射線科医のみならず、頭頸部・眼科領域の画像診断を行う全ての医師に活用していただきたい書です。
序文
いわゆる頭頸部領域(Head and Neck region)には,頭蓋底から頸部までが含まれ,診療科としては耳鼻咽喉科,眼科,歯科口腔外科,および脳神経外科が主な対象となる.ただし「頭頸部」の定義は必ずしも明確でなく,たとえば上方の境界である頭蓋底や側頭骨などは,「脳(頭部)」と「頭頸部」の双方の教科書で記載されることも多い.頭頸部画像診断は,放射線科専門医にとっても難易度が高いものである.すなわち,他部位に比べて解剖が極めて複雑であること,頭蓋底や胸郭,重要な血管系・神経系と密接に関係していること,発生する疾患が多様であることなどがその理由である.
頭頸部は一般に視診(肉眼的または内視鏡)・触診が容易な部位であり,生検も比較的簡単に行われる.したがって画像診断の役割は,臨床診断の客観的評価(その腫瘤の起源となる臓器は何か,周囲との関係,また臨床診断との整合性など)が主体となる.頭頸部には多くの悪性腫瘍が発生するが,悪性の診断自体は原則として視触診と生検で行われるので,画像診断の最大の役割は広がり診断すなわち局所のステージングということになる.
画像診断では各種モダリティの使い分けも重要である.頭頸部における単純X 線検査の歴史は古く,多くの撮影法が考案され,今なお日常診療に使用されているが,圧倒的に情報量の多いCT・MRI が単純撮影の役割を大きく変えた.すなわち頭頸部もCT,MRI の進歩の恩恵を大きく受けており,解剖が複雑なこの領域において,薄いスライスの高分解能画像,高コントラスト画像の意義は極めて大きい.多くの頭頸部疾患においてCT は有用な客観的情報を提供し,解剖が複雑であっても構成要素のCT 値が異なるため明瞭に同定できる.MRI は,軟部組織間のコントラストや,正常組織と腫瘍・炎症などの病的組織とのコントラストにさらに優れる.頭頸部においてはCT とMRI の使い分けを理解することも重要である.一方,超音波は外来で簡便に施行でき,甲状腺・副甲状腺疾患やリンパ節腫大の診断には第一選択となる.本書は「放射線医学」シリーズの一冊であり,他の分冊同様コンパクトな編集を心がけた.頭頸部放射線の専門家が得意な領域を分担したことにより,それぞれの項目がユニークでかつレベルの高いものとなったと考える.頭頸部放射線は欧米では放射線診断学の中の重要なsubspecialty として確立しており,多くの英文専門書が存在する.また質の高い邦文専門書も発行されているが,コンパクトな本書の存在意義も十分にあると考えている.放射線科医のみならず,頭頸部・眼科領域の画像診断を行う全ての医師に活用していただきたい.
平成24 年10 月編集
興梠征典
目次
1章 頭蓋底,眼窩
■1 頭蓋底
■2 眼 窩
2章 鼻副鼻腔,上咽頭
■1 鼻副鼻腔
■2 上咽頭
3章 口腔・中咽頭
■1 口腔および中咽頭解剖のポイント
■2 口腔疾患
■3 中咽頭疾患
4章 喉頭・下咽頭
■1 概 説
■2 検査法
■3 組織コントラスト
■4 喉頭癌・下咽頭癌診断の実際
■5 喉頭下咽頭癌の進展形式
■6 喉頭・下咽頭癌の経過観察
■7 炎症性病変
■8 異物・外傷
■9 そのほかの病態・疾患
5章 唾液腺,頸部・軟部組織
■1 唾液腺
■2 頸部・軟部組織
6章 側頭骨
■1 画像診断法
■2 キーとなる画像解剖
■3 代表的疾患の画像所見
7章 頭頸部のUS 診断
■1 甲状腺
■2 副甲状腺
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書籍情報
- ISBN:9784765315456
- ページ数:102頁
- 書籍発行日:2012年11月
- 電子版発売日:2013年8月2日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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