Generalist 血液内科診療のススメ

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2015年12月
  • 電子版発売日 : 2017年11月10日
4,180
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商品情報

内容

血液診療もこなせるようになる!エビデンスに基づく日常診療の手引書

血液診療の手順や検査の進め方・診察・症候学・鑑別診断に重点を置き、代表的な症例を提示。血液異常を呈する患者に実践されている鑑別診断のプロセスの理解を深めることができます。

序文

はじめに

血液疾患の基本的な診療のコツをまとめた。内科専門医を志す若い医師で,やがては血液学 の専門医としての道を考えている諸君,かかりつけ医として力を揮っている診療所の医師,血液専門医を欠く地域の病院の内科系医師が主な対象になる。

本書では,血液疾患を意識した問診,身体所見の取り方,必要十分な検査の実際などを総論的,各論的に網羅することで,隙のない鑑別診断を行い,速やかに正しい診断に至る具体的な方策を提示することに力点を置いた。血液疾患に関連した症候学,検査異常,診断に至る過程を重視して,まずは内科専門医としての力量を上げることが本書の目的と考えたからである。各疾患の治療については,一部の比較的一般的な治療を除いて,軽く触れるにとどめた。血液専門医が扱う疾患は大部分が悪性疾患であり,血液専門医にのみ使用が制限されている薬剤も少なくないこと,血液の悪性疾患の治療技術は,きわめて多様で高度に専門化されており,かなり特殊であることなどから控えるべきと判断した。例えば,急性白血病を例にとると,その病因,病態,病勢を的確に評価して,標準治療を開始する。通常はクリーン・ルームでの管理を必要とする。場合によっては造血幹細胞移植を実施する必要もある。さらに万一,再発を来したときに再寛解導入,サルベージ療法をどのタイミングでどう選択するかなどについては,血液学専門医または血液学指導医の指導の下で専門医を志す若い医師に任せるべきであろう。また,疾患そのものの病因・病態などについても,ごく最近のトピックに触れるのみとした。治療についての本邦の標準的なアプローチについて,興味のある方は,日本血液学会から 治療ガイドラインが示されているので,これを参照いただきたい*。また,個別的な疾患についての詳細な情報については血液学の教科書を参照されたい。なお,本書の作成に関しては,『Wintrobe's Clinical Hematology 13th Edition』(Greer JP, et al. eds., Wolters Kluwer, 2013), 『Williams Hematology 8th Edition』(Lichtman MA, et al. eds, McGraw-Hill Global Holdings,2010),『三輪 血液病学 第3 版』(浅野茂隆他監修,文光堂,2006),『今日の臨床サポート』(https://clinicalsup.jp/index.html,永井良三他 編集,Elsevier Japan KK,2015),『Merck Manuals Online Medical Library,18th Edition』(https://merckmanual.jp/mmpej/index.html.Porter RS. Ed, MSD KK, Merk & Co., Inc., 2015)などを大きく参考にした。

各テーマに応じて,まずそのテーマについての基本情報をできるだけ簡潔にまとめた。この基本情報を踏まえた上で,効率のよい問診を展開し,身体所見をとる。これらの諸情報から,検体検査の取捨選択を行い正しい診断に至る過程について解説した。次いで,鑑別診断について,できるだけエビデンスを示しながら解説を加えた。また,適宜代表的な症例を提示し,血液異常を呈する患者において実践されている鑑別診断のプロセスの理解を深めることを狙った。計35 症例,どれも興味深く,時に難解な症例もあるが,よく読み込んで,意図しているところを汲み取っていただきたい。むしろ,これらの症例から得られる実際的な診断手法に習熟して,さらに我々を超える診断技術を体得されることを願っている。

本書に馴染みを持つことで,血液診療の理解が深まり,その奥深さ・楽しさを実感していただき,一人でも多くの血液学を志す医師が増えることを著者としては心から願っている。

* 日本血液学会.造血器腫瘍診療ガイドライン.2013 年版(第1 版).東京:金原出版;2013.


2015年11月

大野辰治

目次

目次

1章 血液疾患を意識した診察

2章 リンパ節腫脹

3章 貧血

4章 多血症

5章 好中球増多症

6章 好中球減少症

7章 好酸球増多症

8章 単球、好塩基球、リンパ球の数的異常

9章 血小板減少症

10章 血小板増多症

11章 出血傾向

12章 凝固亢進

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書籍情報

  • ISBN:9784765316613
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2015年12月
  • 電子版発売日:2017年11月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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