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『通じる力』医師のためのコミュニケーションスキル入門

  • ページ数 : 195頁
  • 書籍発行日 : 2017年6月
  • 電子版発売日 : 2018年5月25日
4,620
(税込)
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商品情報

内容

コミュニケーションスキルは学べるし、訓練できるし、教えられる!

コミュニケーションスキルの主な要素を具体的なロールプレイで提示してあります。仲間を誘って演じるもよし、一人で朗読するもよし、使い方はあなた次第♪かつてコミュニケーションに悩んだ著者から研修医のみなさんに捧げる1冊です。

序文

はじめに

コミュニケーションという外来語を漢字で書くとすれば、どのような表現になるでしょうか?

私は「人間関係」という四文字がぴったり来るように思います。なぜならば、人間関係というのは主にコミュニケーションにより形作られるからです。

人間はきわめて高度な社会性を有しています。その社会性の基礎となっているのが、私たちが日常的に用いている言語に他なりません。言語は人間特有のものであって、他の動物には見られない複雑なコミュニケーションの方法です。

人間は言語を用いて対話することができます。また、文字として書き記せば、後から読むこともできます。さらに言語にリズムと抑揚を加えると詩や歌となり、強力な感情の伝搬、すなわち共感を生みだすことができます。

一方、人間のコミュニケーションにおいては、表情や仕草など非言語的な要素も重要です。たとえば、同じことを伝えるのにも、向かい合って目を見つめながら話すのと、顔が見えない電話で話すのとでは、大きな違いがあります。

ところで人間は生まれながらにしてコミュニケーションスキルを持ち合わせているわけではありません。コミュニケーションスキルは後天的に習得する性質のものです。人間のコミュニケーションスキルは、赤ちゃんや子供の頃に習得が始まり、思春期から青年期にかけて大きく成長し、その後も生涯にわたって向上させていくことが可能です。

私自身は糖尿病を臨床の専門領域に選んだことがきっかけで、患者さんや他の医療従事者とのコミュニケーションの問題に強い関心を抱くようになりました。というのも、糖尿病の自己管理教育は一方的な知識の伝達だけではなかなかうまくいかないところがあり、患者さんとの対話が鍵となるからです。

このような領域の仕事を続けてきて私が理解したことは、コミュニケーションスキルというのは、学べるし、訓練できるし、教えられる、ということです。

近年、医学部での学部教育において、また、医師の生涯教育において、コミュニケーションスキル向上の重要性が注目されていますけれども、私はこの本を主に研修医の皆さんを読者として想定しながら書きました。というのは、私自身、研修医の頃にもっとも悩んだのは、医療の現場でのコミュニケーションがなかなかうまくいかないことだったからです。あの頃、コミュニケーションスキルに関する良い本と出会っていたらどれだけ助かっただろう、と思います。

この本では、コミュニケーションスキルの主な要素を具体的なロールプレイで提示してあります。ロールプレイは、ぜひ仲間を誘って実際に演じてみてください。また、誰かに観察者となってもらって、あとで感想をフィードバックしてもらうとさらに良いです。ただし相手役が見つからない場合は、そのまま読むだけでもかまいません。そんなときは一人芝居のように朗読してみるのも良いでしょう。

それでは、一緒に始めましょう!

目次

第1章 傾聴

1.傾聴とは英語でactive listening

2.話し上手は,聞き上手

3.傾聴は癒しにつながる

4.傾聴はトラブルの予防と解決に役立つ

5.適切な相槌の大切さ

第2章 良い質問をする

1.「閉じた質問」と「開かれた質問」

第3章 伝える

1.伝えるのは,聞く以上に難しい

2.良い知らせと悪い知らせ

3.情報を整理しながら伝える

第4章 自己決定権

1.インフォームド・コンセントは今日の医療の大原則

2.インフォームド・チョイス

3.コンコーダンス

4.自己決定権の原則と制約

5.生命維持装置に関する意思決定

6.終末期の蘇生に関する話し合い

第5章 教える

1.患者教育は臨床医の重要な責務のひとつ

2.知識伝達型教育の限界

3.対話型教育の重要性

4.適切なフィードバックを活用する

5.アドヒアランスとコンプライアンスの違い

6.チームアプローチを活用する

第6章 言葉以外の要素

1.人と向き合う角度にもいろいろとある

2.医療機関で患者さんと向き合うことが多い角度は?

第7章 トラブル予防

1.あいさつと自己紹介

2.フルネームの確認

3.医師には守秘義務があります

4.異性の患者さんを診察するときは一対一で対応しないようにする

5.わかりやすい言葉を選ぶことは大切だが,ときには婉曲な表現も必要

6.医師にとって不快な局面でも,感情をコントロールしなくてはならない

7.トラブルになってしまった際の対応

8.他の医療従事者と対話する

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書籍情報

  • ISBN:9784765317177
  • ページ数:195頁
  • 書籍発行日:2017年6月
  • 電子版発売日:2018年5月25日
  • 判:四六判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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