- m3.com 電子書籍
- やさしい皮弁
商品情報
内容
●コマ送り写真で基本手技をわかりやすく解説
●再建部位別に使用できる皮弁を列記
●著者による手術の難易度を表示
もちろんオールカラー。皮弁手術の決定版です!
姉妹書「やさしいマイクロサージャリー」は こちら
序文
数年前に「やさしいマイクロサージャリー」なる本を出版させて頂いた折りに、著者としては赤面ものであったにもかかわらず、思いがけず大きな反響を頂きました。「こういう本を待っていました」というありがたい感想が多く、恐縮した次第でした。しかし、同時に寄せられた声の中に「マイクロサージャリーだけでなく、皮弁一般の本が欲しい」とか、「部位別の皮弁の適応を知りたい」というものが多くありました。そこで、臆面もなく、部位別の皮弁の適応と実際に関する手術書を、できればコマ送りのカラー写真でできないものかと、撮りためた手術写真を整理したところ、何とかなりそうだ、ということでできたのが本書「やさしい皮弁」です。この本をまとめさせて頂くにあたり、折角ならば日頃自分が心がけている原則を形にしたいと考えました。その原則は2つあります。
まずは、「新しいアイデアとは、新しい場所に置かれた古いアイデア」ということです。今までに多くの皮弁が開発され発表されましたが、どの方法も一長一短があります。その欠点を補うべく全く新しい方法を考えるのではなく、従来法の適応を少し変えることで全く違う展開となることが多くあります。一つ一つは古いアイデアでも、新しい適応の下に、あるいは古いアイデアをいくつか組み合わせることで、新しい世界が広がるものだということです。
次に心がけていることは、「神は細部に宿る」ということです。同じ方法でもちょっとしたコツやこだわりが、より美しくdelicate でelegant な結果を生みます。おいしいカレーライスとおいしくないカレーライスがあるように、同じ方法で手術しても、術者によって結果は大きく変わります。私なりの隠し味をお伝えできれば著者としては大満足です。さらに余白に御自分なりのメモを書き込んで、御自分だけの手術書を作ってもらえると最高です。
この本に使われている皮弁はいわば“my favorite fl aps”なのであり、他の皮弁や手術法を否定するものではありません。あくまで、私が手術するとしたら、という本なのです。この手術書の症例のほとんどは私自身が手術した症例でありますが、ご提供頂いた一部の写真には執刀された先生のお名前が入れてあります。これらの先生方のご厚意に感謝致します。また、すでに発表された私自身の論文からも症例写真が転載されています。ご許可を頂いた各出版社や学会誌に深謝致します。さらにこれらの手術を行う機会を与えて下さり、助けて頂いた東京慈恵会医科大学付属病院、高月整形外科(山口利仁先生)、埼玉成恵会病院(児島忠雄先生、福本恵三先生)、獨協医科大学付属病院などの施設のスタッフの皆様には感謝あるのみです。
最後に今回もまた克誠堂出版の大澤王子女史の理解と熱意なくしては、この本が日の目を見ることはなかったであろうことを書き記さねばなりません。ありがとう。
2009年 春
平瀬 雄一
目次
第1章 上腕、肘内側・外側部再建
1.陰圧閉鎖法による植皮圧迫法
2.有茎広背筋皮弁
第2章 前腕部再建
1.回転皮弁・橈側前腕皮弁
2.植皮+陰圧閉鎖法
3.有茎腹壁皮弁
4.遊離腹壁穿通枝皮弁
5.遊離鼠径皮弁
第3章 手背部再建
1.陰圧閉鎖法による植皮圧迫法
2.有茎腹壁皮弁
3.遊離側頭筋膜弁
4.V-Y形成による背側中手動脈皮弁
5.逆行性橈側前腕皮弁
6.腱付き遊離足背皮弁
7.遊離腹壁穿通枝皮弁
8.尺骨動脈背側枝脂肪筋膜弁
第4章 デグロービング損傷
1.一時的被覆:腹壁皮下ポケット埋入
2.遊離側頭筋膜弁
3.逆行性橈側前腕皮弁
4.逆行性前腕脂肪筋膜弁+植皮
5.Extended twisted wrap-around(TWA)flap
6.逆行性橈側前腕皮弁+有茎腹壁皮弁
第5章 手掌・手関節部再建
1.V-Y前進皮弁
2.遊離内側足底皮弁
3.Free medial pedis flap
4.遊離腹壁穿通枝皮弁
5.Ulnar parametacarpal flap
6.手部減張切開
7.逆行性橈側前腕皮弁
第6章 第1指間部再建
1.Spinner flap
2.4 & 5 Z plasty
3.逆行性橈側前腕皮弁
4.遊離鼠径皮弁
第7章 指体部再建
1.Z形成術
2.Digitolateral flap
3.Reverse digitolateral flap
4.Heterodigital artery flap(1)
5.Heterodigital artery flap(2)─母指皮膚欠損部への移行
6.指交叉皮弁
7.Spinner flap
8.逆行性橈側前腕皮弁
9.逆行性中手動脈皮弁
10.Kite flap
11.遊離静脈皮弁
12.Free hemi pulp flap transfer
13.Ulnar parametacarpal flap
14.Dorsolateral flap
15.Kleinert 変法
16.指動脈脂肪筋膜弁+植皮
17.Double-opposing digitolateral flap
18.Bi-lobed palmar flap
第8章 指尖部再建
1.Oblique triangular flap変法
2.Graft-on flap method by oblique triangular flap
3.Extended palmar flap advancement with V-Y and Z plasty(拡大母指掌側前進皮弁)
4.Heterodigital finger island flap(Littler変法)
5.Hueston flap 変法
6.逆行性指動脈皮弁
7.脂肪弁付き逆行性指動脈皮弁
8.逆行性交叉指動脈皮弁
9.Thenar flap(母指球皮弁)/ van der Biezen法(手掌皮弁)
10.Hemi pulp transfer
11.皮下ポケット埋入によるtissue banking
12.Ulnar parametacarpal flap
第9章 足趾移行術
1.母指基節部切断:Twisted wrap-around(TWA)flap
2.母指基節部切断:足母指移行術
3.母指中手部切断:第・趾移行術
4.母指化術+遊離腹壁穿通枝皮弁
5.指再建(基節部切断例):第・趾移行術
6.Metacarpal hand:Double toe transfer
第10章 爪再建
1.爪床分層移植術
2.爪床分層移植術+指動脈皮弁(Graft-on flap method)
3.母指末節部切断:Wrap-around flap
4.母指末節部切断:掌側前進皮弁+Wrap-around flap
5.指動脈皮弁+partial toe transfer
6.指爪再建:Twisted wrap-around (TWA) flap
7.血管柄付き爪床移植術
第11章 縦隔炎・膿胸・腹壁瘢痕ヘルニア再建
1.縦隔炎:大胸筋弁
2.縦隔炎:腹直筋皮弁
3.縦隔炎:広背筋皮弁
4.膿胸:広背筋皮弁
5.腹壁瘢痕ヘルニア:Components separation法
6.腹壁瘢痕ヘルニア:外側大腿筋膜張筋皮弁
第12章 鼠径部再建
1.腹直筋皮弁
2.大腿直筋弁
第13章 殿部・仙骨部・大転子部再建
1.Lumbosacral back flap
2.Posterior thigh flap
3.大殿筋穿通枝皮弁
4.外側大腿筋膜張筋皮弁
第14章 膝蓋部再建
1.腓腹筋弁
2.伏在皮弁
3.遊離広背筋皮弁
第15章 下腿前面再建
1.ヒラメ筋弁+植皮
2.ヒラメ筋弁+腓腹筋弁
3.遊離広背筋皮弁
第16章 下腿末梢1/3再建
1.Reverse turn-over fascial flap
2.逆行性腓腹皮弁
3.短趾伸筋弁
4.遊離腓腹筋弁
5.遊離広背筋皮弁
6.Cross leg flap法
第17章 アキレス腱部再建
1.Lateral calcaneal flap(従来法)
2.Lateral calcaneal sliding flap
3.Reverse peroneal flap
4.Medial pedis flap
5.Reverse turn-over fascial flap
6.遊離広背筋皮弁(前鋸筋弁)
7.遊離側頭筋膜弁
8.遊離腹壁穿通枝皮弁
第18章 踵部・足底外側部再建
1.内側足底皮弁
2.遊離腹壁穿通枝皮弁
第19章 足底前足部再建
1.Bi-lobed scapular flap
2.内側足底皮弁
3.内側足底皮弁+遊離腹壁穿通枝皮弁
4.遊離腹壁穿通枝皮弁
第20章 足背・足部切断端再建
1.短趾伸筋弁
2.逆行性短趾伸筋弁
3.足背再建:遊離腹壁穿通枝皮弁
4.鼠径皮弁
5.足部切断端再建:遊離腹壁穿通枝皮弁
6.遊離前外側大腿皮弁
7.遊離肩甲皮弁
第21章 足趾背側部再建
逆行性短趾伸筋弁
第22章 神経移植・神経移行術
1.遊離神経移植(non-vascularized)
2.血管柄付き遊離腓腹神経移植
3.神経移行
第23章 骨・関節移植
1.下腿への血管柄付き遊離腓骨移植
2.前腕への血管柄付き遊離腓骨移植
3.第Ⅱ趾PIP関節移行術
4.血管柄付き橈骨移植
第24章 脂肪移植
血管柄付き鼠径脂肪移植
第25章 筋肉移植
血管柄付き遊離薄筋移植
<Hint hint hint!>
皮弁の色が出ないときには
持続動脈注入の実際
Leech(医用ヒル)の使い方
下腿骨髄炎再建の第1選択
<Column>
Form ever follows function─形態は機能に従う
喪失するということ
長距離ランナー、あるいは術者の孤独
高く飛ぶカモメは、より遠くを見渡せる
ある午後の診察風景
For what(何のために)、for whom(誰のために)
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:387.6MB以上(インストール時:842.7MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:1.5GB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:449.0MB以上(インストール時:1.1GB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:1.8GB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784771903500
- ページ数:434頁
- 書籍発行日:2009年3月
- 電子版発売日:2012年6月14日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。
※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。