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- アナフィラキシーショック 最善の予防・診断・治療
商品情報
内容
医療や教育の現場では、アナフィラキーショックを的確に診断し、治療することが求められます。病態の全体像を詳解し、予防・診断・治療を平易に解説した必携書。
序文
アナフィラキシーの発症頻度が少ないため,すべての医療関係者がアナフィラキシーまたアナフィラキシーショックについて習熟しているわけでないが,アナフィラキシーは急性疾患であるために,迅速に診断し,早期に治療を開始すれば救命しうる疾患である。時には数分以内に心停止に至るような激烈な経過をたどるものもあるが,このような重篤症例でも的確な診断・治療で救命することも不可能ではない。近年,アナフィラキシーショックを的確に診断し治療するためにWorld Allergy Organization をはじめとし,欧米各国や日本アレルギー学会などがガイドラインを作成している。薬物を使用するすべての医療関係者には,アナフィラキシーやアナフィラキシーショックに遭遇することがあるので,アナフィラキシーに対する知識を整理し,一人でも多くの患者を救えるように祈っている。また,救急外来では,食物や昆虫刺傷などによるアナフィラキシーショックで搬送される患者を的確に救命するためにも,アナフィラキシーの診断・治療を含めた全体像を把握することは必要である。
また,病院外での食物や昆虫刺傷などによるアナフィラキシーはここ10年来,各国の報告でも増加傾向にあり,日本も例外ではない。特に,乳幼児や小児・学童児での食物によるアナフィラキシーは,アドレナリン自己注射器を使用することで救命率を高めることができる。しかし,医療の現場でも学校教育の現場でも,まだ的確にアドレナリンの投与が行われているとはいい難い現状がある。食物アレルギーの頻度が比較的高い学童児が長時間過ごす学校では,アナフィラキシーが発症したときの対策としてエピペン®使用は重要な位置を占めている。アドレナリン自己注射に関する文献的検討では,現実的に学校での教師のアナフィラキシーやエピペン®使用に関する知識は十分に行きわたっていないと考えられる。養護教諭を主とした学校職員を対象とした研修会でのアドレナリン自己注射薬使用に関する意識調査では,42%の教職員がアドレナリン自己注射薬の投与に不安があると回答し,その理由として"注射のタイミングが難しい""練習の機会の不足""養護教諭以外の教職員への周知が困難"などが挙がっている。アナフィラキシーの既往歴のある小児・児童とともに長時間過ごす教育関係者にも,アドレナリン自己注射器(エピペン®)の使用について役立つように詳しく記載している。
医療従事者や教育関係者がアナフィラキシーまたはアナフィラキシーショックについての知識を整理しやすいように,アナフィラキシーの概説,診断,治療について記載し,特に教育関係者に自信を持ってアドレナリン自己注射器を使用できるようにと,独立した章も設けている。
アナフィラキシーやアナフィラキシーショックの患者が一人でも多く救命されるように,本書を参考にしてくだされば,著者としても望外の喜びである。
2016年4月吉日
光畑 裕正
目次
第1章 アナフィラキシーの概説
A アナフィラキシーとは?
B アナフィラキシーの用語
C アナフィラキシーの頻度
D アナフィラキシーを惹起する抗原
食物によるアナフィラキシー
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
ラテックスによるアレルギー
薬物によるアナフィラキシー
抗がん薬によるアナフィラキシー
周術期のアナフィラキシー
造影剤によるアナフィラキシー
アルコールによる過敏性反応
精液によるアナフィラキシー
特発性アナフィラキシー(idiopathic anaphylaxis:IA)
昆虫刺傷によるアナフィラキシー
●文献
第2章 アナフィラキシーの症状・所見および臨床診断と病態生理
A アナフィラキシーの臨床症状・所見
B アナフィラキシー時の病態生理
C アナフィラキシーの診断基準
D 二相性アナフィラキシー
E アナフィラキシー時に生成・放出される化学伝達物質
F アナフィラキシーのリスクファクター
G 麻酔中のアナフィラキシー
H 薬物によるアナフィラキシーの既往歴の訴えの患者の対処
●文献
第3章 アナフィラキシーの治療
A アナフィラキシーの治療原則
B 皮膚症状に対する治療
C 第一選択薬
アドレナリン
補液
酸素
D 第二選択薬(抗ヒスタミン薬,ステロイド)
グルココルチコイド
抗ヒスタミン薬
E カテコラミン抵抗性血圧低下に対する治療
グルカゴン
バソプレシン
メチレンブルー
F アレルギー性急性冠症候群(Kounis syndrome)に対する治療
G 妊娠後期のアナフィラキシーに対する治療
H 2歳以下の乳児のアナフィラキシーに対する治療
I 麻酔中のアナフィラキシーに対する治療
J 予防法
●文献
第4章 アナフィラキシーの確定診断
はじめに
A アナフィラキシー発症早期の検査
B βトリプターゼ
C アナフィラキシーの原因物質の確定診断-in vivoの検査-
抗生物質による皮内試験について
D アナフィラキシーの原因物質の確定診断-in vitroの検査-
好塩基球活性化試験
白血球ヒスタミン遊離試験
●文献
第5章 病院外でのアナフィラキシーに対する治療-アドレナリン自己注射器の使用に関して-
はじめに
A エピペン(R)とは
B エピペン(R)の処方適用
C エピペン(R)の使用法
D 病院外でのアドレナリン注射の時期
E エピペン(R)の使用状況
F 教育機関でのエピペン(R)について
●文献
第6章 付録
A 薬物性過敏症症候群
●文献
B アナフィラキシーのガイドライン
C アナフィラキシーに関する最高裁判決
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書籍情報
- ISBN:9784771904620
- ページ数:192頁
- 書籍発行日:2016年5月
- 電子版発売日:2018年11月2日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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