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ファーマナビゲーター DIC編 改訂版
丸山 征郎 (編) / メディカルレビュー社
商品情報
内容
“Ebb Tide”のなかで
最近、日本は科学論文の数が減少傾向にある、というニュースが相次いだ。かつて10年前には、米国に次いで2位という輝かしい時代もあったが、現在はベスト10からも脱落している。わが国のサイエンスが“Ebb Tide、引き潮”状態であるということである。悲しいことだ。原因として思い当たる節は、第一に研究予算の削減であろう。“どうにかしたい”とは日本人なら誰しも思うことである。
“DIC-ology”というべき新潮流
このようなサイエンス退潮のなかで、頑張っている数少ない分野のひとつが、わが「DICの基礎と臨床の分野」であろう。私は本書を編集し、原稿を校正する過程で、この感を強くした。もちろん、DIC学の基盤をなす血液凝固学、血管生物学、感染症学、侵襲科学、免疫学などが世界的レベルで進歩していることの反映でもあるわけであるが、それらの下部領域をすくい上げ、編集し直して、応用・発展させて、“DIC学”、“DIC-ology”とも呼べる学域に止揚させたのは、わが国の基礎、臨床の医者、科学者の力量である。
New Tide:DIC-processingの底流に
この度5年ぶりに改訂することになった『ファーマナビゲーターDIC編』は、次の新しい潮流を予感させるものとなっている。次に取り込むべきは、制御閾値とレベルと場を逸脱した凝固・線溶系の暴走に引き続くプロセスの解明、あるいはその制御の学問の生誕であろう。換言すると“Tissue damage:Sensing, Control and Tolerance/Repair”ともいうべき領域である。
このDIC-ologyともいうべき領域にまで到達した成果が日常の臨床、研究に大いに資することを期待したい。そして、これが更なるジャンプの踏み台になり、さらに大きな潮流になることを心から祈念しながら、編集・校正した次第である。
(丸山征郎「序文」より抜粋)
序文
"Ebb Tide"のなかで
最近、日本は科学論文の数が減少傾向にある、というニュースが相次いだ。かつて10年前には、米国に次いで2位という輝かしい時代もあったが、現在はベスト10からも脱落している。わが国のサイエンスが"Ebb Tide、引き潮"状態であるということである。悲しいことだ。原因として思い当たる節は、第一に研究予算の削減であろう。"どうにかしたい"とは日本人なら誰しも思うことである。
"DIC-ology"というべき新潮流
このようなサイエンス退潮のなかで、頑張っている数少ない分野のひとつが、わが「DICの基礎と臨床の分野」であろう。私は本書を編集し、原稿を校正する過程で、この感を強くした。もちろん、DIC学の基盤をなす血液凝固学、血管生物学、感染症学、侵襲科学、免疫学などが世界的レベルで進歩していることの反映でもあるわけであるが、それらの下部領域をすくい上げ、編集し直して、応用・発展させて、"DIC学"、"DIC-ology"とも呼べる学域に止揚させたのは、わが国の基礎、臨床の医者、科学者の力量である。
New Tide:DIC-processingの底流に
この度5年ぶりに改訂することになった『ファーマナビゲーターDIC編』は、次の新しい潮流を予感させるものとなっている。次に取り込むべきは、制御閾値とレベルと場を逸脱した凝固・線溶系の暴走に引き続くプロセスの解明、あるいはその制御の学問の生誕であろう。換言すると"Tissue damage:Sensing, Control and Tolerance/Repair"ともいうべき領域である。 このDIC-ologyともいうべき領域にまで到達した成果が日常の臨床、研究に大いに資することを期待したい。そして、これが更なるジャンプの踏み台になり、さらに大きな潮流になることを心から祈念しながら、編集・校正した次第である。2019年8月
丸山 征郎
目次
Chapter 1 概念と最近の進展:DICとは(DICのメカニズム)
Chapter 2 DICの分類
1 時間経過に基づいた分類
2 凝固と線溶のダイナミズムからみた分類
Chapter 3 病態と治療
1 病態基盤と病型
2 診断基準
3 治療総論(従来の治療と最新の治療)
4 DICと鑑別が必要な疾患 血栓性微小血管症(TMA)
5 DICと鑑別が必要な疾患 溶血性尿毒症症候群(HUS)
Chapter 4 処方の実際
1 造血器悪性腫瘍とDIC
2 固形癌とDIC
3 外科のDIC(リスクの高い手術)
4 救急領域のDIC
5 新生児領域のDIC
6 産科・婦人科領域のDIC
7 DIC治療のEBM
Chapter 5 トピックス
1 PAMPs/DAMPs
2 類洞閉塞症候群(SOS)
3 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
4 プロカルシトニン・プレセプシン
5 ADAMTS 13と血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
6 特発性肺線維症(IPF)
7 妊娠高血圧症候群
8 抗リン脂質抗体症候群(APS)
9 後天性フォンウィルブランド症候群(AVWS)
10 細胞外DNAと体外循環回路閉塞
11 敗血症に伴うDIC
12 日本版敗血症診療ガイドライン
13 メディカルスタッフのDIC診療 ―看護師の立場から
14 メディカルスタッフのDIC診療 ―臨床検査技師の立場から
15 メディカルスタッフのDIC診療 ―薬剤師の立場から
Chapter 6 Question&Answer
1 いわゆる「線溶抑制型」DICと「線溶亢進型」DICでは、DIC治療薬の使い分けが必要でしょうか
2 SIRSはDICを合併しやすいと聞きます。SIRSという疾患概念について教えてください
3 敗血症患者におけるDIC治療は、予後の改善をもたらしますか
4 造血幹細胞移植に伴う合併症に対して、抗凝固療法はどの程度期待できますか
5 DPCを念頭においた場合、DICの治療戦略はどうあるべきでしょうか
6 小児に対するDIC治療薬の選択とそのエビデンスを教えてください
7 DICによって腎機能が傷害された場合のDIC治療について、どのような点に留意すればよいでしょうか
8 急性期侵襲病態ではミトコンドリアはどのような役割をしているのでしょうか
9 アンチトロンビンと遺伝子組換え型トロンボモジュリンの使い分けに対する考え方について教えてください
10 熱中症に伴うDICの治療について教えてください
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書籍情報
- ISBN:9784779222337
- ページ数:436頁
- 書籍発行日:2019年10月
- 電子版発売日:2020年4月1日
- 判:B6変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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