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- 画像診断 2016年1月号(Vol.36 No.1) 骨盤部感染症の画像診断 -迅速な診断と治療のストラテジー-
商品情報
内容
*都合により,紙版の誌面と異なり割愛される箇所があることがございます(p.4-5,23-32,33-42,84-87は未収載となっております).
序文
序説
骨盤部には様々な感染性疾患が起こりうるが,必ずしも症状や臨床所見から感染巣の局在を同定できないことがあり,関連する診療科も複数にわたるため診断に苦慮することがある.感染症は迅速な診断と治療が必要な疾患であり,適切な画像診断が重大な診断の鍵となることも珍しくない.今回の特集では,泌尿生殖器領域の骨盤内感染性疾患を中心に,骨盤部から骨盤外に波及する病態も含めて,産婦人科,泌尿器科,放射線科のエキスパートの先生方に解説をお願いした.骨盤内感染症に対し迅速に診断を下して最適な治療戦略を立てる上で,各診療科の専門性の連携と円滑なコミュニケーションは必須であり,各診療科が共有すべき知識の理解を深める一助となれば幸いである.
本特集では,臨床科からのアプローチとして,婦人科および泌尿器科の先生方に各々臨床診断と治療戦略について概説していただいた.次いで放射線診断科の先生方に婦人科領域(子宮・卵巣を中心とした骨盤内炎症性疾患),泌尿器科領域(膀胱,前立腺,尿膜管遺残など)について,画像診断のポイントをまとめていただき,骨盤内感染症の診断に有用なMRIのシーケンスについても概説していただいた.なお,婦人科領域の骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory disease;PID)については多種多様な病態があるため,一般的なPIDの画像所見,特殊なPIDの画像所見,産褥期・産後および術後の感染症について各々項目を立てて解説をお願いした.
その昔,私が放射線科医になりたての頃に先輩が「よくわからない画像をみたら,とりあえず転移とリンパ腫と結核を鑑別に入れておけ.時々ホームランをかっとばせるよ」と教えてくれた.「でも,毎回書いていたらアホと思われるけどね」.その後研修を積むにつれ,「なるほど一理あるなあ」と思ってきたのだが,なかなかホームランには結びつかなかった.さて,ある日のこと.腹骨盤部CTが読影に回ってきて,依頼書には癌性腹膜炎疑いとあった.多量の腹水貯留と大網腫瘤を認め,腹膜もびまん性に肥厚.肝表面や腹膜には播種を思わせる結節が散在し,両側の卵巣も腫大している.あまり深く考えずに,「癌性腹膜炎に矛盾なく,卵巣原発の可能性があるが,消化管などの検索もお願いします」といった感じのレポートを返した.そろそろお気づきだろうとは思うが,その後いくら検索しても原発巣ははっきりとせず,播種巣の生検の結果は"結核性腹膜炎"だった......アウトー!感染症の画像診断の難しさを思い知った経験だったが,相応の知識をもった上でカルテの臨床情報をきっちりとチェックしていれば,少なくとも鑑別には挙げることができたかとも思う.
今回の特集号では,骨盤内感染症の症例にかかわりうる様々な診療科の医師や研修医,画像診断医に向けて,基礎的な知識から稀ながら重要な感染症までを網羅してわかりやすく解説していただいた.昔の私のように,迂闊に安易な診断をしてアウトを宣告されないよう,ぜひとも明日からの診療に役立てていただきたい.
松崎 健司
目次
【特集】骨盤部感染症の画像診断 −迅速な診断と治療のストラテジー−
序説
婦人科領域の感染症の臨床像と治療戦略
婦人科領域の一般的な骨盤内炎症性疾患の画像診断
婦人科領域の特殊な骨盤内炎症性疾患の画像診断
産婦人科術後感染症
泌尿器領域の感染症の臨床像と治療戦略
泌尿器領域の骨盤内感染症
骨盤部感染症の診断に有用なMRIのシーケンス
すとらびすむす
リレーマラソン
画像診断と病理
卵巣漿液性境界悪性腫瘍
ここが知りたい!
画像診断2015年8月号特集
「知っておきたい循環器疾患のCT・MRI(2)─胸部・腹部・末梢血管疾患Case Review─」
投稿 症例
β遮断薬が著効した皮下型乳児血管腫の1例
Picked-up Knowledge from Foreign Journals
冠動脈CTAを用いた冠血流予備量比(FFR)
CASE OF THE MONTH
Case of January
The Key to Case of November
Refresher Course
臨床に役立つ前立腺MRIの実践
─その撮像・レポートは泌尿器科医に役立っていますか?─
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書籍情報
- ISBN:9784780900743
- ページ数:78頁
- 書籍発行日:2015年12月
- 電子版発売日:2017年2月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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