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- 画像診断 2019年3月号(Vol.39 No.3) 炎症性脱髄性疾患update
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内容
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序文
序説
神経系の炎症性疾患のうち,炎症性脱髄性疾患は近年大きな変化が生じている.多発性硬化症(MS)や急性散在性脳脊髄炎(ADEM)など以前から知られている疾患に加え,抗アクアポリン4(AQP4)抗体が関連する視神経脊髄炎スペクトラム疾患(NMOSD)が,脱髄とは異なる新たな疾患概念として登場し,さらにその中から抗MOG抗体が関連した脱髄性疾患が明らかになりつつある.多発性硬化症は脱髄性疾患の代表として臨床的には診断基準が複数改訂され,その原因は不明であるが,疾患としては確立されている.画像診断においても特徴的な所見があり,診断基準にも重要な役割を果たすようになっている.
そこで,本特集では臨床的に頻度の高い脱髄を中心とした疾患に焦点を当てて,臨床や病理,画像所見をレビューできるような項目を掲げることとした.多発性硬化症や急性散在性脳脊髄炎,視神経脊髄炎スペクトラム疾患,抗MOG抗体関連疾患に加え,進行性多巣性白質脳症(PML)や末梢神経の炎症性脱髄性疾患についても含めている.
特に進行性多巣性白質脳症は後天性免疫不全症候群(AIDS)に関連した日和見感染症というだけではなく,自己免疫性疾患などの治療の進歩に関連してその頻度が高まりつつあり,特に認識しておく必要があると考えられ,解説していただいた.また,脱髄は末梢神経にも生じることから,Guillain-Barré症候群(GBS)や慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)などの疾患について解説していただいた.特に末梢神経は画像診断医にとっては馴染みの薄い領域であるが,頸髄や腰髄のMRIに際して評価すべき領域である.急性散在性脳脊髄炎については,抗MOG抗体との関連も指摘されており,これらの疾患を理解するためにも重要な病態であり,診断に関して臨床的な側面も含めて解説していただいた.
特に臨床・病理の項目は抗AQP4抗体・抗MOG抗体関連疾患の第一人者である三須建郎先生に執筆いただくことができた.臨床症状や病理所見の特徴の理解は重要で,画像所見と関連づけることができれば画像診断に大いに役立てることができるであろう.脳MRIで脱髄を疑わせるような病変を認めた場合に,既知の抗体に関連した病変を疑うものであるのか,そうでなければ,多発性硬化症と診断できるような画像所見であるのかを,レポートに言及できるとよいと思われる.一度の画像検査で診断が難しい場合であっても,その後の経過観察においてどのような疾患を考慮しておかなければならないか,画像上での鑑別疾患を挙げておくことも重要であり,それにはこれらの臨床的・病理的な知識が役に立つと確信している.
明石敏昭
目次
【特集】
序説
炎症性脱髄性疾患の臨床
炎症性脱髄性疾患の病理
多発性硬化症
進行性多巣性白質脳症
抗MOG抗体関連疾患
視神経脊髄炎スペクトラム疾患
急性散在性脳脊髄炎
末梢神経の炎症性脱髄性疾患
【連載】
すとらびすむす
部下の結婚式と息子の夢
画像診断と病理
腎静脈に発生した平滑筋肉腫
ここが知りたい!
画像診断2018年10月号特集
「知っておきたいリンパ系の画像診断」
Picked-up Knowledge from Foreign Journals
肝の線維化
CASE OF THE MONTH
Case of March
The Key to Case of January
General Radiology診断演習
重箱の隅をつつく
他科のエキスパートにお尋ねします-ここを教えていただけますか?
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書籍情報
- ISBN:9784780905144
- ページ数:126頁
- 書籍発行日:2019年2月
- 電子版発売日:2019年5月8日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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