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- 画像診断 2019年9月号(Vol.39 No.10)血管壁を意識した脳血管障害の画像診断
商品情報
内容
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序文
序説
わが国において今後,生産年齢人口の減少や平均寿命の伸びなどにより,高齢化は非常に著しい.高齢化社会に伴い今後,癌の発生のみならず,くも膜下出血,脳出血および脳梗塞といった脳卒中患者のますますの増加が予想される.脳卒中の影響は原疾患による患者の死亡だけに留まらない.後遺症からくる廃用症候群,それに伴う肺炎による死亡など,介護にかかる人手や医療費の増加による経済への打撃など,多大かつ深刻な影響を及ぼすと考えられる.近年,人生100年時代といわれるが,そのうちできるだけ長く健康でありたいと思うのは,多くの人々の願いではないだろうか.
画像診断においては疾患の診断のみならず,その予防という観点からも重要であると考える.技術の進歩に伴い,従前指摘できなかった病変も指摘可能になり,診断や病態の解明に大きく寄与している.
time-of-flight法(TOF)を用いたMR angio graphy(MRA)は,未破裂脳動脈瘤や血管狭窄を検索する上で,もはや日常臨床には欠かせない存在になっている.MRIのblack blood法は,動脈硬化を評価する方法としてルーチン化されている.さらに近年では,高精細な3D画像を用いることにより,細血管のイメージングが可能になっている.また,造影剤を用いない脳血流評価法としてarterial spin labelling法(ASL)など非侵襲的な血流のイメージングも,本領域の画像診断に大きく寄与している.
脳血管障害は主に動脈硬化といった血管壁の異常や変性が原因でなることが多い.動脈瘤やそれに伴うくも膜下出血も"壁"の破綻である.その他にも脳動脈解離や血管炎,もやもや病など,様々な脳血管疾患が,血管壁の異常により引き起こされると考えられる.すなわち,脳血管障害は血管壁の病気であるといっても過言ではない.本特集の目的はこれら原因となる血管壁に注目し,脳血管障害の画像診断をより深く考えることを目的としている.
本特集の執筆には脳血管壁に起因する疾患をピックアップし,この分野に非常に造詣の深い神経放射線診断学を専門とする放射線科の先生方だけでなく,病理学や脳神経内科学がご専門の先生方にもお願いした.非常に幅広く充実した内容になったと確信している.宮田元先生には放射線科医にとってなじみの薄い血管壁の組織病理に関して,わかりやすく詳説していただいた.五明美穂先生には血管壁イメージング法についてご解説いただいた.重要である動脈硬化症に関しては頸動脈と頭蓋内動脈とに分けて,それぞれ渡邊祐司先生および井手智先生にご解説いただいた.動脈瘤に関しては村山和宏先生にご解説いただいた.稀な病態ではあるが,若年発症が特徴である脳動脈解離に関しては日本人に多い後方循環系と前方循環系とに分け,それぞれ櫻井圭太先生と平賀利匡先生にご解説いただいた.脳梗塞の原因として見過ごされがちな血管炎に関しては,田添潤先生にご解説いただいた.可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)に関しては多くの臨床経験をお持ちの竹丸誠先生にご解説いただいた.いずれも非常に読みごたえがあり,日常の読影に非常に有益な内容になった.
最後に,多忙の中ご執筆を快諾していただいた先生方に深謝するとともに,本特集が読者の明日からの読影に役立つことを心から祈念する.
鹿戸 将史
目次
【特集】
序説
脳卒中における血管壁の病理
脳血管壁イメージング法
動脈硬化(頸部)−頸動脈プラークのMRI 診断−
動脈硬化(頭蓋内)
脳動脈瘤−破裂の危険がある脳動脈瘤の画像診断−
脳動脈解離(後方循環系)
脳動脈解離(前方循環系)
血管炎に起因する脳血管障害
可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)
【連載】
すとらびすむす
ジャパンウエー
画像診断と病理
早期肝細胞癌
ここが知りたい!
画像診断2019年4月号特集 「肺に淡い陰影が広がっていたらどう診断するか?」
Picked-up Knowledge from Foreign Journals
肝腫瘍
CASE OF THE MONTH
Case of September
The Key to Case of July
General Radiology診断演習
全力疾走
画像診断再入門
胸部単純X線写真から読み解く心・大血管疾患
他科のエキスパートにお尋ねします-ここを教えていただけますか?
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書籍情報
- ISBN:9784780905205
- ページ数:0頁
- 書籍発行日:2019年8月
- 電子版発売日:2019年10月2日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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