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- 画像診断2012年臨時増刊号(Vol.32 No.4)この画像を見たらほぼ決まり!
商品情報
内容
*都合により,紙面と異なり割愛される箇所があることがございます(p.s68-s77は未収載となっております).
序文
共同企画者の青木茂樹先生から「読者が気楽にどこからでも読めるような系統的でない日本版“AuntMinnie book”があってもよいのではないか」との発案があり,本企画が実現した.
画像診断は画像所見を細分化して丹念に解析し,それらの要素を統合して,最も可能性の高いものから鑑別診断を列挙するのが基本である.しかし,稀に直感的に診断がなされることもある.この手法は,よく知っているMinnieおばさんであれば,大勢の女性の中からでも瞬時に「この人がMinnieおばさんです」と特定できることにたとえられ,Aunt Minnieアプローチと呼ばれることがある.疾患に特徴的な画像所見を無意識にとらえ,画像の細部を解析することなく,また鑑別診断を列挙することなく特異的診断に至るものである.特徴的な一連の所見をもつ稀な疾患でこの手法が使われることがあり,一度その症例を見て記憶に留めておけば,即座に診断にたどり着くことができるが,実際にはそのような症例はそう多くはない.
最近は,特異性に乏しくとも特徴的な所見をもつ疾患や,比較的頻度の高い疾患にもこの手法が拡大解釈され,テキストブック“Aunt Minnie's Atlas andImaging-Specific Diagnosis”や,放射線科医のためのウェブサイト“AuntMinnie.com”にもMinnieおばさんの活躍の場が広がっている.
Minnieおばさんのことをもう少し続けると,少し前の“Radiology”のletter欄で,Minnieおばさんの由来について投稿が続いたので,お読みになった方も多いと思う.その記事によるとAunt Minnieの由来は不明ながら,画像診断でこの言葉を使いはじめたのはボストン小児病院のEdward B.Neuhauserとされている.そして,Aunt Minnieアプローチを自著“Chest Roentgenology”の中で紹介し,放射線科医の間にAunt Minnie を根付かせたのはBenjaminFelsonとされている.
本号では,拡大Aunt Minnieアプローチを実践した.症例ごとにAunt Minnie's pearlともいうべき診断の決め手となるサインや所見を箇条書きで示した.各症例2ページの見開きとし,左ページに症例紹介,診断の決め手となるサイン・所見,画像所見,鑑別診断,疾患の概念を掲載し,右ページに画像呈示と最小限の文献を紹介した.
Felsonは“Chest Roentgenology”のプロローグにおいて,放射線科医は過去に見た似かよった所見を基に診断しがちであるが,同じような所見を呈する多くの疾患がある.しっかりと基本に基づいて結論を出すことが重要であると述べている.この言葉を肝に銘じた上で,本号の拡大Aunt Minnieアプローチで読影力に磨きをかけていただきたい.
東京慈恵会医科大学放射線医学講座
福田 国彦
この増刊号は福田国彦先生の編集された「画像診断」2011年2月号の“この所見をみたら決まり!―稀な疾患も怖くない―”を基に症例を増やし,各著者に主旨を徹底し,全体の体裁を作り直したものである.福田先生の含蓄あるMinnieおばさんのお話のごとく,放射線診断の王道とはいえないアプローチで,最近は推奨されていないのかもしれないが,まとまっているとよいこともあるかと思って企画に加えていただいた.ただし,顔貌のみで「Minnieおばさんだ!」とはいえないが,服装や持ち物などと合せると,ほぼまちがいなく「Minnieおばさんだ!」というタイプ(つまり,いくつかの所見を合せると,稀な疾患ながらほぼ1つに絞れる,たとえば,中枢神経のvanishing whitematterなど)もあり,昔の単純X線写真1枚で「AuntMinnie!」のようにはいかない面もあるかと思う.
王道を行くばかりではなく,たまには寄り道をするくらいの気持ちで,読んでいただければ,きっと楽しい(役立つ)寄り道となると思う.
順天堂大学医学部放射線医学講座
青木 茂樹
目次
1 中枢神経
2 頭頸部
3 呼吸器
4 心・大血管
5 肝・胆・膵・脾
6 消化管・腹膜・腹腔
7 泌尿器・生殖器
8 骨・軟部
9 全身疾患
10 小児
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書籍情報
- ISBN:9784780908510
- ページ数:216頁
- 書籍発行日:2012年3月
- 電子版発売日:2015年11月27日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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