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- Prof. 佐谷のバイオ論文はこう書く
商品情報
内容
「論文で一番重要なのは◯◯です」エディター・レフリーが思わずアクセプトしたくなる論文を書くための研究姿勢とルールがQ&Aでわかる.Reviseに対する適切な対処方法や論文を書くために不可欠な論理的思考力・表現力の養成法も伝授.
序文
序
研究が楽しいことは,間違いありません.未知の領域に踏み込むスリルと,人類の幸福に貢献できるという使命感は研究者の欲望とプライドを刺激し,たとえデータが出ず,苦悩する日々が続いても,新たな発見をしたときにそれ以上の快感を得られるため,研究者は仕事を続けることができます.しかし,そのドキドキ,ワクワクする研究の言わば「報告書」である論文を書くのには大きな苦痛を伴います.それは,「慣れない英語で文章を考えなければならない」,「厳しいレフリーにアクセプトしてもらえるよう,論文を魅力的にしなければならない」など様々なプレッシャーがつきまとうからです.
かく言う私も長い間「論文執筆苦痛症」の患者でしたが,論文を書くときの思考や行動を整理することによって,多少なりともその症状は改善しつつあります.
そこで本書では,私の「論文執筆時の思考・行動整理術」を紹介したいと思います.もちろん論文の書き方は研究者によって異なりますし,個性もあります.絶対これだ!というような執筆法はありません.あくまで私自身の「バイオ論文はこう書く」という考え方ですので,読者の皆さんが「これは使えるな」と思えるところだけを参考にしていただければ幸いです.
本書を書くきっかけとなったのは,2013年第72回日本癌学会総会の「英語論文の執筆と投稿について」というモーニングレクチャーでした.2011年,2012年と二年連続で同タイトルの講義を間野博行先生(現・東京大学医学研究科教授)が行われ,早朝にもかかわらず立ち見が出るほど多くの若手研究者が集まりましたが,その講義を引き継ぐ形で,2013年は私が講演させていただきました.それを取材していた学研メディカル秀潤社の楳木雅昭さんから,どうすれば論文を楽しんで書くことができるかを若い人たちに伝えてもらえないかというお話をいただきました.私は書物を一から書くのはそれこそ不得意なので(執筆苦痛症患者のため?!),Q&A形式ならば何とか執筆できるということでお引き受けしました.そのため,まとまりのない話し言葉のようになっている部分が多いことを何卒ご容赦ください.また,楳木さんの質問に乗せられて,論文執筆のための論理的思考法や文章力・英語力上達法などのような話も感じたままに書かせていただきました.これも,参考になる部分だけを採用いただければありがたいです.
論文の書き方の根幹的なところは,間野先生が行われたモーニングレクチャーを参考にしてお話したので,多くは間野先生の方法の受け売りです.しかし,私自身も間野先生と同じ考え方であったことと,それを若い人たちにもぜひ知ってもらいたかったことから,間野先生に掲載の許可をいただきました.
アメリカの科学の世界では"publish or perish"(論文を発表しなさい,さもなくば滅びよ)という言葉が好んで使われます.でも私は,この言葉が持つネガティブな響きが昔から嫌いで,論文を書くことはもっと前向きで楽しいことであるべきだと考えてきました.本書を読むことで,これまでよりずっとポジティブな気持ちで論文執筆に向き合える若者が一人でも増えれば,筆者としてこの上ない喜びです.
2014年9月
佐谷 秀行
目次
第1章 執筆編
●レフリー・エディターの視点で論文を書く
●論文を書く順番
●Figureを4つ作る(それぞれの図のタイトルもつける)
●Resultを書き始める
●Resultsに行き詰まったらMethodsとFigure legendsを書く
●全体のストーリーが決まったらIntroductionを書く
●Discussionを書く
●AbstractとTitleを書く
●オーサーシップ
●Acknowledgement
●カバーレターを書く
●表記・執筆上の注意点
●英文校正を依頼
【コラム・論文の内容だけでなく,構造も大事】
第2章 Revise編
●Rebuttal letterの書き方
●Rejectされたときの対応
【コラム・Reject!そのときボスは】
第3章 論理的思考力・表現力養成編
●論文執筆に必要な論理的思考力は論文抄読会で養える
【コラム・新しいテクニックに挑戦】
●データやアイデアを言葉や文章にする表現力を養う
【コラム・国際電話会議で発言】
【コラム・Paul Nurse博士のカンファレンス】
【コラム・抄読会は木曜日】
●PR戦略
あとがき
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書籍情報
- ISBN:9784059150381
- ページ数:108頁
- 書籍発行日:2014年9月
- 電子版発売日:2018年12月19日
- 判:四六判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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