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- 画像診断別冊 KEY BOOKシリーズ わかる!役立つ!消化管の画像診断
商品情報
内容
序文
かつて胃癌は我が国の国民病と言われ,そのX線診断技術である胃の二重造影法は,白壁彦夫・市川平三郎・熊倉賢二博士らによって開発された,世界に誇る診断学の技術である.私が医者になった頃(1981 年)は,放射線科医として真っ先に覚えなければならなかった技のひとつが胃透視であった.来る日も来る日もたくさんの患者さんの検査を行っていた.しかし,その後内視鏡の技術が進んで,消化管診断において放射線診断学はメインストリームではなくなっているようだ.最近では,若い放射線科医は胃透視や注腸ができない,あるいはやる機会がない,さらに検査自体を見たこともない人すらもいるようだ.しかし私自身は,二重造影で培った微細診断の考え方は画像診断の基本的な見方として大いなる武器になってきたと思っている.
最近の消化管の診断ではX線造影検査以外に,CT,超音波,MRIなども使われる.造影検査や内視鏡検査が管腔の内腔面に特化した検査であるのに対して,これらの断層検査は消化管の管腔外の異常も描出してくれる.無論,粘膜面の微細診断は内視鏡や造影検査にかなうはずもないが,胃壁や腸管壁の情報,腸間膜や周囲臓器の病変の評価には不可欠の検査である.また,急性腹症の診断でCTは最も診断的価値の高い検査法となっている.FDG-PETは,消化管悪性腫瘍の病期診断や治療効果評価において重要な位置を占めつつある.さらに最近では,CT colonographyも臨床の場に入ってきており,消化管を三次元的に捉えなければならない時代になってきたようだ.その意味で,消化管の画像診断が放射線科医にとって再び脚光を浴びてきたと言っても良いのではなかろうか.幸い,熊本大学および関連病院では,土亀直俊博士(現 熊本県総合保健センター所長)が率いてこられた消化管のチームが,消化管造影のみならず消化器内視鏡やCT colonographyも数多く行っており,また過去の貴重な画像もデータベースとして保管してきた.
本書は新時代の消化管の画像診断をテーマとして取り上げたものである.他のKEY BOOKシリーズ同様,代表的な疾患,重要疾患を取り上げ,原則として見開きで提示してあり,一見,初心者向きの本にも見えるが,内容は非常に充実したものになっている.執筆は熊本大学関係者を中心に全国の消化器診断のオーソリティに依頼しており,症例の充実,画像の質,記載の的確さなどは他の本の追随を許さない.本書の特色として,画像診断の本であるにもかかわらず,管腔臓器においてはまず内視鏡検査から入ることも多いため,内視鏡画像も積極的に取り入れている.消化管画像診断で使う最新の画像診断法や重要な疾患を網羅しており,文字通り消化管画像診断の決定版になったと考えている.
本書を通して,少しでも多くの方に消化管画像診断に興味を持っていただき,是非,日常臨床に活用していただきたい.本書の執筆に当たって熊本大学放射線医学教室の消化器診断を率いていただいた土亀直俊博士をはじめ,多忙な中,執筆を快く引き受けていただいた先生方,本書の出版に当たり,編者のわがままな要求をやさしく受け入れてくれた学研メディカル秀潤社 画像診断編集室の原田顕子氏に心より感謝する.
2015 年3月 お雛祭りの日
山下 康行
目次
1. 食道
食道の正常解剖・検査法
食道腫瘍
食道カンジダ症およびその他感染症
食道アカラシア
食道裂孔ヘルニア
Plummer-Vinson 症候群
食道壁内偽憩室症
2. 胃・十二指腸
胃・十二指腸の正常解剖・検査法
胃の非腫瘍性病変
胃腫瘍
十二指腸
3. 小腸・大腸
小腸・大腸の正常解剖・検査法
小腸腫瘍
大腸腫瘍
CT colonography(CTC)
直腸,肛門
炎症性腸疾患(IBD)
虚血性腸炎
その他の腸炎,腸疾患
虫垂
血管性病変
消化管悪性リンパ腫
GIST(gastrointestinal stromal tumor)
消化管神経内分泌腫瘍
腸管子宮内膜症
全身性疾患に伴う消化管病変,その他
消化管静脈瘤
イレウス
消化管異物と合併症
軸捻転
消化管穿孔
消化管憩室
外ヘルニア
内ヘルニア
消化管外傷
消化管出血
消化管手術合併症
腹膜・大網・腹壁
腹膜,大網,腹壁炎
腹膜,大網,腹壁
4.小児
先天性食道閉鎖,気管食道瘻
肥厚性幽門狭窄症
十二指腸閉鎖
輪状膵
腸回転異常症(総腸間膜症)・中腸軸捻転
Hirschsprung 病
壊死性腸炎
鎖肛,直腸肛門奇形
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書籍情報
- ISBN:9784780909104
- ページ数:392頁
- 書籍発行日:2015年3月
- 電子版発売日:2019年5月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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