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- 標準頸動脈エコー:テクニックと意義
商品情報
内容
頸動脈エコー測定の意義、頸動脈の病理、実際の手技、主要メーカーの最新機種など、必要な情報を網羅し徹底解説します。日本超音波医学会用語・診断基準委員会「超音波により頸動脈病変の標準的評価法2017」に準拠。
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序文
生活習慣病とは「動脈硬化の危険因子」とされる高血圧,糖尿病,脂質異常症,喫煙などで,それらによって生じた全身の動脈硬化性疾患(脳梗塞,心筋梗塞,慢性腎臓病,閉塞性動脈硬化症など)も含めて,その診療への関心が高まっている。生活習慣病のコントロールや循環障害の再灌流療法が重要であることは勿論であるが,近年は低侵襲的な診断法の進歩によって,動脈硬化の進展過程を詳細に観察できるようになり,「動脈硬化の早期診断」も診療に役立てられるようになった。動脈硬化の評価には,動脈硬化によって生じた,① 拡張能の低下や硬さを評価する「機能診断」と,②壁肥厚や内腔の狭窄・瘤形成などを評価する「形態診断」がある。
その中で超音波検査(エコー検査)は無侵襲かつreal timeに画像と機能の両方を評価できる検査法として動脈硬化の評価に活用され,特に頸動脈エコーは簡単に動脈硬化の進展程度を知る指標が得られることから汎用されている。頸動脈エコーでは,「内膜・中膜複合体厚」(IMT)の肥厚程度,さらにプラーク形成,動脈狭窄,閉塞へと進行する状態を詳細に評価することができる。さらに,2017年度は日本超音波医学会と日本脳神経超音波学会が,共同で頸動脈エコーの検査法および評価指標の標準化を行った。本書ではその標準化を受けて,IMTと生活習慣病との関連,要注意プラークの意義,狭窄の評価法などについて詳細に述べられている。
しかし,降圧薬や脂質改善薬などの薬物治療によるIMT肥厚の進展抑制は報告があるが,それとイベント抑制との関連はいまだ不明である。プラークも「再発の危険性」は指摘されたが,初発との関連などを含め詳細はいまだ確定していない。またエコーでの狭窄評価にドプラ法の応用が勧められているが, 臨床への応用を経たさらなる検証が必要である。
今回の標準化により,ようやく山積している課題や命題を解明・検証していく出発点に到達したと言えよう。今後, 標準化された手法を用いて得られた「標準的指標」によって動脈硬化の進展を評価することにより,頸動脈エコーが「動脈硬化性疾患の診療」に寄与することを期待している。
2018年春
医療法人松尾クリニック理事長
松尾 汎
目次
Chapter 1 生活習慣病と動脈硬化
1 生活習慣病一般
2 頸動脈エコー実施の役割
Chapter 2 頸動脈の病理
頸動脈の病理
Chapter 3 頸動脈エコーの検査手技
1 頸動脈エコーの準備
2 頸動脈エコーの手技
3 頸動脈エコーの評価
4 頸動脈エコーの診断
5 stiffness parameterβの計測
6 狭窄とその計測
7 頸動脈血流速度の計測
8 椎骨動脈の描出
Chapter 4 頸動脈病変の意義
1 頸動脈肥厚度の意義(概論)
2 プラークの分類と意義
3 stiffness parameterβの意義
4 狭窄の意義─エコーの役割
5 頸動脈血流波形解析の意義
6 頸動脈肥厚度計測
7 IMTと内科的治療
8 頸動脈の外科治療 治療の効果① ─ 血管内治療法 CAS
9 頸動脈の外科治療 治療の効果② ─ 血行再建術 CEA
10 実地医家からみた頸動脈検査の進め方
Chapter 5 練習問題
1 頸動脈肥厚度計測に関して
2 プラーク病変の診断と分類
Chapter 6 資料
機器・ソフトウェア紹介
1 GEヘルスケア・ジャパン(株) LOGIQ E9 XDclear 2.0,LOGIQ S8 FS
2 コニカミノルタ(株) SONIMAGE HS1
3 (株)ソフトメディカル IntimaScope
4 キヤノンメディカルシステムズ(株) 超音波診断装置の高周波画像表示と血流観察機能
5 (株)日立製作所 LISENDO 880
6 フクダ電子(株) 超音波画像診断装置 UF-760AG+(PaoLus+)
超音波による頸動脈病変の標準的評価法─新旧対比表(抜粋)
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書籍情報
- ISBN:9784784940240
- ページ数:208頁
- 書籍発行日:2018年5月
- 電子版発売日:2018年8月17日
- 判:AB判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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