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- ジェネラリストのための"メンタル漢方"入門<第2版>
商品情報
内容
漢方ビギナーの先生方に贈る、“メンタル漢方”入門書です。抑うつ、不安、不眠、認知症BPSD、身体化障害に使える漢方処方を紹介。生薬の作用を知ることで、処方の意味や使い分けがわかるようになります。軽度の精神症状の初期治療として、向精神薬の補助として、漢方薬を上手に使いこなしましょう!"
序文
はじめに
おかげさまで第2 版を上梓する運びとなりました。ありがとうございます。
第2 版では、初版よりも専門用語を多く使って説明しています。それ でも分かりやすさを保つようにこころがけたので、ゆっくり読み進めていただければイメージはつかめると思います。なお、漢方を扱った私の著書には、本書の他に『精神症状に使える!漢方処方レシピ集』(金芳堂)があります。そちらは超入門という立場で専門用語を使わずシンプルに記載しているので、「専門用語のハードルが高くて...」という方はそちらもご覧いただければ幸いです。
漢方は初めてという方は、生薬や漢方薬について細かく解説した第3章はいったん飛ばして、次の章に進むことをお勧めします。しかし、その内容を軽視して良いということではありません。最も重要なのは精神症状の漢方治療を解説した第6 章ではなく、漢方の基礎知識を述べた第2 章と第3 章です。そこを少しずつでも良いので押さえていけば、第6章はオマケ程度のものと理解できるでしょうし、様々な漢方薬を患者さんの状態に合わせて自分自身で選べるようになると思います。
本書の意図するところは、初版と変わりありません。プライマリケアの現場では、重症よりも軽症の精神症状、悩みとの境界が曖昧でどちらかと言えば症状寄り、という患者さんが多いでしょう。そういう患者さんには、抗うつ薬や抗不安薬といった向精神薬ではなく、"漢方薬"という手段を講じてみるのも悪くはないと思っています。そして、そこにいくばくかの精神療法を添えていくことで、患者さんを下支えできるかもしれません。悪化していくようなら向精神薬をもちろん用いますが、その向精神薬を"適切に"使えるようになるためにも、それ以外の方法を知っておくことが良いのではないか、そう考えています(逆もまた然り)。
しかしながら、私たちが出来ることは、痛ましい不幸をありきたりの不幸にするという程度なのかもしれません。私たちの手で不幸な人を幸福にできると考えるのは、おこがましいことでしょう。ありきたりの不幸の中で、希望や安らぎを見失わずに生きていけるように手助けできれば、そして本書がそのためのささやかな一冊になってくれれば、と願っています。
最後に、出会ったすべての患者さん、実験動物のみなさん、家族、そして改訂版の出版という大胆な決定をしてくださった日本医事新報社の皆様。感謝感謝でございます。
平静のこころに礼は宿るなり
2019年7月宮内倫也
宮内倫也
目次
第0章 まずは知ることから 本書の構成
漢方を知ろう
漢方の勉強法
本書の構成
"メンタル漢方" の立ち位置
第1章 処方をしてみよう 漢方薬の決まり文句
漢方を知ろう
1 身体の重さに補中益気湯
2 軽い胃腸炎に五苓散
3 雨の日の頭の重さに五苓散
4 高血圧の朝の頭重に釣藤散
5 インフルエンザの強烈な寒気に麻黄湯
6 高齢者のコロコロうんちに麻子仁丸
7 女性の謎の腹痛に当帰芍薬散
8 足の疲れに芍薬甘草湯
9 腹痛やぎっくり腰にも芍薬甘草湯
10 温めて軽くなる腹痛に桂枝加芍薬湯
11 冷えてお腹が張るのなら大建中湯
12 やせ気味の子どもの腹痛に小建中湯
13 起立性調節障害に苓桂朮甘湯
14 喉の詰まりに半夏厚朴湯
15 吐き気のある片頭痛発作に呉茱萸湯
16 カラオケ後の声枯れに麦門冬湯
17 感染後咳嗽に滋陰降火湯/麦門冬湯
18 軽度の咽頭炎に桔梗湯
19 二日酔いや乗り物酔いにも五苓散
20 冷えや悪天候で痛む古傷に桂枝加苓朮附湯
21 打撲の内出血に治打撲一方
22 化学療法による嘔気に半夏厚朴湯
23 胃酸過多の胃痛・胸焼けに黄連解毒湯
24 鼻出血に黄連解毒湯
25 寒気がして関節の痛む風邪の超初期に葛根湯
26 高齢者のせん妄に酸棗仁湯
27 尿路結石の痛みに芍薬甘草湯
28 子どもの風邪に小柴胡湯
29 風邪の口渇に白虎加人参湯
30 微熱があり少し寒くてだるい風邪に麻黄附子細辛湯
31 いわゆる風邪に参蘇飲
32 フラッシュバックに神田橋処方
33 単なる不眠に酸棗仁湯
34 "プチうつ"に香蘇散
35 風邪の頭痛に川芎茶調散
36 高齢者の皮膚の痒みに当帰飲子
37 冷えによる吃逆に呉茱萸湯
38 冷えによらない吃逆に半夏瀉心湯+芍薬甘草湯
39 寝違えて痛い頚に葛根加朮附湯
40 顎関節症に四逆散
第2章 無理せず学ぼう 漢方の基礎理論
漢方を知ろう
2-1 気・血・津液・精
2-2 陰と陽
2-3 熱と寒
2-4 五臓
2-5 虚と実
2-6 漢方の診察
第3章 漢方薬の組成を知ろう 生薬の作用と配合
漢方を知ろう
3-1 補気薬
3-2 補血薬
3-3 気血双補剤
3-4 生津薬
3-5 益精薬(補腎薬)
3-6 理気薬
3-7 駆瘀血薬
3-8 利水薬
3-9 祛寒薬
3-10 清熱薬
3-11 疏肝解鬱薬・潜陽薬・熄風薬
第4章 使う前に知っておきたい 漢方薬の副作用
漢方を知ろう
4-1 主な副作用
4-2 相互作用、その他注意すべき事項
第5章 プライマリケアで診る 精神症状の診かた
漢方を知ろう
5-1 身体疾患を見逃さない
5-2 精神症状の種類
5-3 精神症状の重症度
5-4 精神療法的な問診
5-5 プラスアルファの助言
5-6 身体化への説明
5-7 不眠への認知行動療法
第6章 精神症状に用いる漢方薬 メンタル漢方
漢方を知ろう
6-1 向精神薬について
6-2 メンタル漢方の考え方
6-3 気分(抑うつ/ イライラ)の漢方薬治療
6-4 不安・不眠の漢方薬治療
6-5 身体化の漢方薬治療
あとがき
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書籍情報
- ISBN:9784784944569
- ページ数:320頁
- 書籍発行日:2019年9月
- 電子版発売日:2019年8月23日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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