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- レジデントのための これだけ心電図
商品情報
内容
◎細かい理論には深入りしない。
◎緊急な心電図はパターン認識で判別する。
◎病態から心電図を思い浮かべる。
◎心電図と治療をセットで覚える。
あわせて読む → 「レジデントのための」シリーズ
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序文
はじめに
勉強は順序が大切
この本は、心電図の初学者(特に医大生、初期研修医、循環器病棟ナース)が効率よく勉強するために作った本です。
私は臨床医として働きつつ、医師国家試験予備校の講師もしており、研修医や医大生に教えています。その際に私がいつも気にしているのは、教える順序です。心電図に限らず勉強は何でもそうなのですが、順序が大切です。同じ内容を勉強するにしても、順序が違うだけで、理解度やヤル気がものすごく変わってしまいます。
入門書と専門書
参考書は大きく2種類に分かれます。薄くて通読しやすい入門書と、分厚い専門書です。「どちらの本で勉強すべきか?」ということがよく議論になりますが、どちらを読むかではなく、読む順序が大切なのです。
まずは入門書で全体の流れをつかみ、それから専門書を読む、というのが良い順序です。入門書だけで満足してもいけませんし、最初から専門書を読もうとするのもお勧めしません。
専門書は(すぐに覚える必要のない)細かい内容や例外を含んでいます(それが専門書の良さなのですが)。初学者がまず勉強すべき内容を優先的に書いているわけではありません。ですから、専門書を1ページ目から読んでいっても、理解すべきページにたどりつく前に「良くわからない」「難しい」となり、途中で挫折してしまう可能性が高いです。それでは意味がありません。
これは私だけの意見ではありません。様々な勉強法について調べましたが、それらに共通するのが、まずはさらっと読める入門書で全体像を把握し、それからくわしい専門書を読んでみるというやり方です。最初から難しいボリュームのある本を読みましょう、なんて意見は聞いたことがありません。
入門書を選ぶ上での注意点
ここで、入門書を選ぶ上での注意点について考えてみたいと思います。私が考える良い入門書の特徴は次の4つです。
●初学者が学ぶべきことを、
●初学者が学ぶべき順に書いてあり、
●(読みやすく楽しいため)最後まで通読することができ、
●(読み終えた後は)もっと勉強したい、専門書にも挑戦してみたいと思わせる本
ページ数が少なく、なんとなく読みやすそうに見える心電図の本はいくつかあります。しかし、ただページ数を減らしただけで、上記の特徴を備えていなければ意味がありません。前著『看護の現場ですぐに役立つモニター心電図』を執筆するにあたり、類書はほとんど読んでみましたが、残念ながら内容や順序に関してあまりよく考えられていない本が多かったのです。「読みやすい」「もっと勉強してみたい」と思わせる入門書はなかなかないようです。
実際の場面がイメージできるか?
分厚い本を見ると、心電図の様々なバリエーションが載っています。今の私はそれを見て、「こんな心電図変化もあるんだ。こんな患者が来たら気をつけよう。勉強になったな」と思うことができます。しかし、昔の私は「はぁ~、こんなにたくさん覚えられないし、覚えたところでどう役に立つんだろう?」と思っていました。初学者の皆さんも同じ疑問を持っておられると思います。
そこで、以下の点についてできるだけ具体的に記載するようにしました
●この心電図はなぜ学ぶ必要があるのか?
●どのような場面で出くわすのか?
●この心電図を学ぶとどんな良いことがあるのか?
●どのように対処すればよいのか?
実際の臨床でどのように役立つか、リアルな場面がイメージでき、よりモチベーションを持って勉強できるはずです。
本書は、これから心電図を学ぼうとする人のことを徹底して考えて作られています。ですので、1ページ目から順に読んでいただくだけで、心電図について効率よく系統的に学ぶことができます。しかも、短期間で通読できるボリュームなので、大事な内容を漏れなく学ぶことができます。ぜひ本書で心電図の勉強をスタートしましょう。
目次
第1章 心電図を読む前に知っておくべきこと
お勧めしない勉強法
心電図は覚えるのか?それとも考えるのか?
心電図は2段階で読む
正常な心電図
刺激伝導系
P波とQRS波の意味
第2章 超緊急な不整脈
心室細動
心室頻拍
心静止
無脈性電気活動(PEA)
除細動の適応
AEDの使い方
第3章 緊急な不整脈
房室ブロックの基礎知識
第3度房室ブロック
第2度房室ブロック
洞不全症候群
心房細動
心房粗動
発作性上室頻拍
第4章 経過観察でよい不整脈
洞性頻脈
洞性徐脈
心室期外収縮
上室期外収縮
アーチファクト
第5章 不整脈アドバンス
心拍数の求め方
心拍数=300÷マスの数で計算できる理由
上室性と心室性のQRS幅の違い
第2度房室ブロックの分類
Wenckebach型房室ブロック
第1度房室ブロック
洞不全症候群の分類
第6章 虚血性心疾患
心電図の縦軸の意味
等電位線と小文字の意味
QRS波のバリエーション
誘導とは
心筋梗塞の心電図の見方
時間経過による波形の変化
どの誘導で異常が見られるか
前壁中隔梗塞
側壁梗塞
下壁梗塞
後壁梗塞
右室梗塞
ミラーイメージについて
狭心症の心電図の見方
ST低下の形
不安定狭心症
運動負荷心電図
冠攣縮狭心症
第7章 丁寧に見る心電図
肺血栓塞栓症
Brugada症候群
QT延長症候群
Torsades de pointes
WPW症候群
洞調律
たこつぼ心筋症
心膜炎・心筋炎
早期再分極症候群
ジギタリス効果
脚ブロックの病態
2枝ブロック
3枝ブロック
脚ブロックの心電図
電解質異常
第8章 複数の疾患を考える心電図
軸偏位
電気軸の求め方
回転異常
低電位差
高電位差
左室肥大
右室肥大
心房拡大
第9章 系統的な読み方と鑑別診断
0.パターン認識
1.心拍数
2.調律
3.軸偏位
4.回転異常
5.P波
6.QRS波
7.ST変化
8.T波
9.Q時間、QT時間
10.最後に
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書籍情報
- ISBN:9784784947300
- ページ数:240頁
- 書籍発行日:2018年2月
- 電子版発売日:2018年4月13日
- 判:指定なし
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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