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- 外科感染症診療マニュアル
商品情報
内容
感染症内科へのコンサルテーションの中で頻度が高いのは、外科医からの紹介だと言います。本書では「外科医が日頃より何を疑問に思い、何を知りたいか」をヒアリングし、外科感染症のスタンダードな考え方をまとめました。抗菌薬適正使用支援チーム(AST)に携わる医師、薬剤師、看護師にもおすすめです。
序文
本書は,現場で働く外科の先生方およびAST(抗菌薬適正使用支援チーム)に携わる医師・薬剤師・看護師を対象に作成しました。
近年では,感染症関連の優れた書籍が多数出版されており,感染症は大分勉強しやすくなりました。しかし,外科感染症に特化した書籍はまだ多くなく,「実践的でユーザーフレンドリーなマニュアルが欲しい」という現場のニーズに応える形で本書の企画がスタートしました。 静岡がんセンターでの感染症コンサルテーションの多くは外科の先生方からの紹介です。紹介理由は「手術後の発熱」で,手術部位感染(surgical site infection:SSI)が原因のことが最も多いのですが,当然,術後の発熱=SSIではありません。
カテーテル関連血流感染症や膀胱カテーテル関連尿路感染症など,あるいは薬剤熱,深部静脈血栓症といった非感染症が原因のことも少なくありません。
本マニュアルでは,外科感染症のスタンダードな考え方をまとめました。当院の感染症内科は外科のレジデントの先生方もローテーションするため, 日頃より, 外科医が何を疑問に思い, 何を知りたいかをヒアリングし, 参考にさせて頂きました。また,各論においては感染症関連の他書では触れられることが少ない診療科別および術式別の感染症についても記載しました。そのため,本書は現場感を感じ取って頂けるような仕上がりになっており,ユーザーにとって受け入れやすい内容になっていると自負します。
本書の執筆は静岡がんセンター感染症内科の現役メンバーとOB/OGで担当しました。執筆者全員が病歴と身体所見を重要視する共通のフィロソフィーを持っているため,全体に"静がんらしい"統一感を出すことができました。さらに,コラムを経験豊富な静岡がんセンターの現役およびOBの外科の先生方に執筆依頼し,自身の経験談,症例に対する思いをコメントして頂きました。
なお,本書は静岡がんセンターの経験に基づくものであり,すべての施設に適応可能ではないプラクティスも含まれることはご承知下さい。
本書が, 感染症のマネジメントで悩む外科の先生方やASTメンバーの感染症診療の一助となり,そして何より感染症で苦しむ患者さんたちに少しでも還元できれば幸いです。
2018年10月
静岡県立静岡がんセンター 感染症内科
伊東 直哉
倉井 華子
目次
第1章 総論
1.外科患者の感染症診療ロジック
2.術後患者の発熱の診断アプローチ
3.SSIと予防戦略
4.周術期抗菌薬の使い方
第2章 術後患者でよくみられる発熱の原因(感染症)
1.中心静脈カテーテル関連血流感染症
2.末梢静脈カテーテル関連血流感染症
3.院内肺炎/誤嚥性肺炎/人工呼吸器関連肺炎
4.尿路感染症(含むCAUTI)
5.クロストリジウム・ディフィシル感染症
第3章 術後患者でよくみられる発熱の原因(非感染症)
1.結晶性関節炎(痛風/偽痛風)
2.薬剤熱
第4章 手術別の感染症
1.一般外科
①胃手術における感染症
②結腸・直腸手術における感染症
③肝胆膵脾手術における感染症
2.乳腺外科
3.呼吸器外科
4.婦人科手術
5.心臓血管外科
①胸骨創感染と縦隔炎
②人工血管グラフト感染
6.脳神経外科
7.泌尿器科
8.整形外科
第5章 外科手術が必要となる疾患と抗菌薬治療
1.急性虫垂炎
2.消化管穿孔
3.胆囊炎
4.壊死性軟部組織感染症
第6章 外科患者のワクチン
1.脾臓摘出術後
2.インフルエンザワクチン
第7章 抗菌薬の投与方法
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書籍情報
- ISBN:9784784956395
- ページ数:256頁
- 書籍発行日:2018年11月
- 電子版発売日:2019年1月30日
- 判:B6判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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