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- 実践 黄斑疾患
商品情報
内容
近年、目覚ましい進歩をみせている「黄斑疾患」の診断・治療を網羅。
年間紹介患者数4,000名を超える日本大学病院眼科の先生方が執筆した本書は、約800点(すべて日本大学病院眼科の自験例)の鮮明な写真、図表が用いられており、現時点でコンセンサスの得られているものを重点的に解説しています。
序文
序
近年,黄斑疾患の診断と治療は目まぐるしく変わりましたが,最近に至り,ある程度のコンセンサスが得られるようになりました。それは診断法としては光干渉断層計,眼底自発蛍光など非侵襲かつ短時間で行える検査法が普及したことによります。治療では,内科的には抗VEGF(血管内皮増殖因子)薬硝子体内投与が普及し, 外科的には小切開で行う25ゲージ,27ゲージ硝子体手術が導入され,硝子体や内境界膜の可視化によって低侵襲で安全,確実な黄斑手術が行えるようになったことが主な要因です。また,大規模臨床試験により質の高いエビデンスに基づく治療成績が報告されるようになったことも要因の一つです。
日本大学病院眼科の年間紹介患者数(平成26年12月~27年11月)4,122名のうち8割が網膜硝子体疾患,その8割が黄斑疾患でした。黄斑疾患については先々代の故・加藤謙教授が第80回日本眼科学会の会長指名特別講演で「黄斑部とその異常」,先代の故・松井瑞夫名誉教授が第93回日本眼科学会総会特別講演で「老人の黄斑疾患」,私が第115回日本眼科学会総会特別講演で日本人に多い黄斑疾患の1つである「ポリープ状脈絡膜血管症」について講演させて頂きましたように, 当眼科の専門領域として伝統と実績があります。その伝統は,今後も島田宏之先生,中静裕之先生,森隆三郎先生をはじめとする医局の先生方によって引き継がれていくことになりますが,私の退任にあたり,一区切りとして『実践 黄斑疾患』を刊行することにしました。
本書の執筆には, 若手を含むほとんどの医局員に関わってもらいました。臨床の写真はすべて日本大学病院眼科の自験例です。多忙な勤務の中,分担執筆の決定からすべての原稿が揃うまでに時間がかかりました。その結果,すべてが最新かつ最高の内容にはなっておらず,編集者としては反省すべき点はあるものの,本書は現在の日本大学病院眼科医局の総力を挙げた結果です。本書が黄斑疾患の診断と治療の助けになれば望外の喜びです。
湯澤美都子
目次
●はじめに ─黄斑の解剖特性と,検査の概要
●第Ⅰ章 診察に必要な検査
1.光干渉断層計(OCT)
2.蛍光眼底造影
3.眼底自発蛍光(FAF)
●第Ⅱ章 疾患解説
1.中心性漿液性脈絡網膜症
2.加齢黄斑変性
3.新生血管黄斑症
(1)特発性脈絡膜新生血管
(2)網膜色素線条
(3)その他
4.近視性黄斑症
(1)脈絡膜萎縮と脈絡膜新生血管
(2)近視性中心窩分離症,近視性牽引黄斑症
5.黄斑上膜
6.黄斑円孔
7.黄斑ジストロフィ
8.網膜中心静脈閉塞症
9.網膜静脈分枝閉塞症
10.糖尿病黄斑浮腫
11.黄斑部毛細血管拡張症
12.網膜細動脈瘤
13.網膜中心動脈閉塞症
14.傾斜乳頭症侯群
15.乳頭ピット黄斑症候群
16.急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)
17.多発消失性白点症候群(MEWDS)
18.急性後部多発性斑状色素上皮症(APMPPE)
19.地図状脈絡膜炎
20.脈絡膜腫瘍
●ポイント
uveal effusion
血管内皮増殖因子と抗VEGF薬
硝子体内注射
サプリメントとAge-Related Eye Disease Study(AREDS)
ロービジョンケア
●トピックス
遺伝子と加齢黄斑変性
iPS細胞の加齢黄斑変性への臨床応用
●索引
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書籍情報
- ISBN:9784784962273
- ページ数:344頁
- 書籍発行日:2016年3月
- 電子版発売日:2016年11月4日
- 判:AB判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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