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- カンファレンスで学ぶ 臨床推論の技術
商品情報
内容
患者の主訴や既住歴、身体所見から何を鑑別疾患に挙げ、どう絞り込むか。そのダイナミックなプロセスを追体験!
症状別に分けられた47のカンファレンスを読み進めるうちに、初学者は問診の技を習得し、経験を積んだ医師は苦手な症候へのアプローチや、いかに全体像を掴んで診断に持ち込むか復習が可能です。
序文
巻頭のことば
本書は、名古屋第二赤十字病院総合内科、藤田保健衛生大学救急総合内科、洛和会音羽病院総合診療科、筑波大学総合診療科、済生会福岡総合病院総合診療科など、先進的な卒後教育を行っている施設における医学生や若手医師向けのカンファレンスの内容をまとめたものである。まれではないが日常診療において盲点になりがちなピットフォール症例を多く取り上げ、最終診断に至るまでの臨床推論の道筋を再現している。
学会などにおける症例報告では、病歴、身体所見、検査画像所見が整理され、完成形として情報提示されて最終的な診断に至っている。しかし現実の臨床では、患者はこのように理路整然と病歴を語ってくれるわけではなく、必要な情報を話してくれないだけでなく、臨床推論の邪魔になる余分な情報を話し、それらが"ノイズ"、"目くらまし" となるかもしれない。
従って実臨床では、情報を積極的に取りに行かなければならない。患者の話から中核となっている訴えは何かを探り出し、鑑別診断すべき疾患を想起し、鑑別疾患の全体的な病像を思い浮かべつつ、それを除外または確定するためには何を聞いたらよいかを考えて問診をする。すなわち、「攻めの問診」を行う必要がある。
この一連の思考作業と同時並行して問診ができるようになるまでには、かなりのトレーニングが必要である。内科学の世界的な教科書である「ハリソン内科学」においても、米国の医学生や新米研修医は、患者の病歴を聴取して身体診察を行うのに2 時間掛かり、鑑別診断を考えてプレゼンテーションできるようになるのには、さらに時間が掛かると指摘されている。
病歴聴取に時間が掛かり、効率的にできない一因は、医学生や研修医の多くが診断推論に必要となる考え方のフレームを持っていないためである。少なくとも、名古屋第二赤十字病院のカンファレンスではそうで、初期研修医の病歴聴取はあっちに飛びこっちに戻りと支離滅裂となることが多い。それでも、半年から1年くらい根気よくカンファレンスを続けているうちに、要領よく当を得た問診ができ、鑑別診断を挙げられるようになるまで若手医師は成長していく。そのような若手医師の成長を間近で見ることができるのは本当にうれしいことである。
本書のベースとなっているのは、日経メディカルに「日常診療のピットフォール」、「カンファで学ぶ臨床推論」と題して連載したカンファレンスである。ただし、カンファレンスの内容をそのまま収録したのでは読むに堪えないので、編集の段階で相当手を入れ、読みやすくなるよう工夫した。すなわち、鑑別仮説の除外・確定のために重要なことと、重要ではないことを区別し、どのように「攻めの問診」を行えばよいかを、具体的に再現している。また、実際の診療ではどんな医学的カテゴリーに分類したらよいか悩む症候に遭遇するものだが、本書にはそんな症例も数多く収載している。そのため、本書の目次は教科書的な分類から少しはずれた形になっている。
本書を読み進むうちに、初学者は問診の技を知らず知らずのうちに習得し、ある程度経験を積んだ医師は、苦手な症候へのアプローチや、いかに全体像をつかんで診断に持ち込むかの復習ができるだろう。
それでは、診断推論カンファレンスの実況中継をお楽しみ下さい。
名古屋第二赤十字病院 副院長 第一総合内科部長
野口善令
目次
総論 診断の思考フレーム
第1章 意識障害、失神
第2章 呼吸困難
第3章 不明熱
第4章 全身倦怠感・ふらつき・むくみ
第5章 頭痛
第6章 首・肩周辺の痛み
第7章 胸痛
第8章 腹痛
第9章 嘔吐・下痢
第10章 四肢の痛み・しびれ・脱力
第11章 分類しにくい訴え
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書籍情報
- ISBN:9784822200008
- ページ数:220頁
- 書籍発行日:2015年6月
- 電子版発売日:2015年10月30日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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