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- 川真田 樹人
- 痛みのScience&Practice 2 痛みの薬物治療
商品情報
内容
痛みの薬物治療を効果的に行うために必要となる広範な知識を網羅.薬物の作用を理解するために必要な解剖・生理・薬理学的知見,最新の痛み発生機序の考え方,痛みの種類からみた鎮痛薬の選択,各種薬剤の作用機序・薬物動態・エビデンスに基づく鎮痛効果の特徴,痛みが生じる病態ごとの鎮痛薬の選択など様々な切り口から理解できる構成.簡潔でわかりやすい記述と全ページカラーのビジュアルな誌面により,初学者からベテラン麻酔科医まで,自身の興味とレベルにあわせて,読みたい項目を選んで読める.
>『痛みのScience&Practice』シリーズ
序文
最近,痛み治療にかかわる新規の薬物が日本で使用できるようになってきています.これらの薬物が多くの痛みを持つ患者に効果的に使用され,患者のQOLを高めることができるかは,処方する医師の知識と技量にかかっています.国際疼痛学会は,モントリオール宣言にて"適切な痛み治療を受けることは,人間としての権利である"ことを謳っています.この実践には,痛み治療に関係する薬物の知識が欠かせないものであります.
このような背景のもと,今まで使用されてきた薬物に加えて新規に導入された薬物に関する本を発刊することになりました.本書では,今までの薬の解説本にありがちな,臨床での使い方を解説する本を目指してはいません.痛みに対する薬物治療の基礎から応用まですべてが理解できる本となるように企画しています.まず第1に,薬物の作用を十分に理解するために必要な解剖学的・生理学的・薬理学的知見に加えて,最新の痛み発生機序の考え方を基礎医学の先生方に執筆していただきました.次に新たな試みとして,痛みの種類からみた鎮痛薬の選択について解説を行いました.痛みの薬物治療には,痛みの種類から考える鎮痛薬の選択が重要と考えます.本論では,各種薬剤の作用機序,薬物動態,鎮痛効果の特徴などを解説しています.臨床での鎮痛効果は,できる限りエビデンスに基づいた記述を心掛けました.さらに,痛みを生じる病態ごとに,どのような鎮痛薬を使用するべきかについて解説しています.
本書が,今後の日本における痛み治療の発展に少しでも寄与できることを望んでいます.
2013年6月
熊本大学医学部麻酔科 山本達郎
目次
総説
痛み治療における薬物療法の位置づけ
解説
Ⅰ.総論
1 鎮痛薬の作用を理解するための解剖
2 鎮痛薬の作用を理解するための生理
1)熱刺激がどのように情報化されるか
2)侵害受容器に対する化学刺激
3)痛み回路の可塑性メカニズム
4)下行性抑制系のメカニズム
3 鎮痛薬の作用を理解するための薬理−主要な神経伝達物質とその受容体−
4 内臓痛のメカニズム
5 炎症痛のメカニズム
6 神経障害痛のメカニズム
7 作用の個体差
Topics:TRPV1 阻害薬の鎮痛効果
II.高齢者・小児に対する薬の使い方
1 高齢者の痛みに対する薬物治療
2 小児の痛みに対する薬物治療
III.鎮痛薬の投与経路
1 投与経路の特徴と適応
IV.痛みのメカニズムとその対応
1 疝痛・鈍痛
2 アロディニア
3 電撃痛
4 しびれ
5 痒み
Ⅴ.痛みの治療に用いる薬物の特徴
1 麻薬系鎮痛薬
1)総論
2)モルヒネ
3)オキシコドン
4)フェンタニル
5)コデイン
6)ペチジン
7)メサドン
2 拮抗性鎮痛薬
1)総論
2)ペンタゾシン
3)ブプレノルフィン
4)エプタゾシン
3 トラマドール
4 非ステロイド性消炎鎮痛薬
1)総論
2)COX-1,COX-2 非選択的阻害薬
3)COX-2 選択的阻害薬
5 アセトアミノフェン
6 ステロイド
7 ケタミン
8 ブチルスコポラミン
9 ノイロトロピン
10 ボツリヌス毒素タイプA
11 漢方薬−選択の参考所見
12 鎮痛補助薬
1)三環系抗うつ薬
2)SNRI
3)SSRI・NaSSA
4)抗痙攣薬
5)α2δサブユニットブロッカー
6)抗不整脈薬
Topics:Ziconotide-N 型カルシウムチャネルブロッカーの可能性
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書籍情報
- ISBN:9784830628344
- ページ数:336頁
- 書籍発行日:2013年7月
- 電子版発売日:2019年5月29日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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