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- 痛みのScience&Practice 7 痛みのインターベンション治療
商品情報
内容
痛みの病態が明らかにされてきているのに伴い,様々な低侵襲的な痛み治療に注目が集まっている.特にインターベンション技術が痛みの治療に応用されるようになり,痛みの治療方法の幅が飛躍的に広がりつつある.本書では,局所麻酔薬による可逆性神経ブロックを除いた,国内で行われている痛みのインターベンション治療について,その原理,適応,手技,症例を提示することで,初心者でも理解できるような構成となっている.これらは今後痛みの治療の中で重要な位置を占めることになると考えられ,治療法の基本や手技を習得することにより,次々と新たに開発,商品化されていくインターベンション治療法の理解にも役立つ内容である.
>『 痛みのScience&Practice』シリーズ
序文
最近痛みに関する関心が高くなってきています.また新たに多くの鎮痛薬が臨床で使用可能となり,治療手段も多岐になってきています.現在,痛みに関する書籍が多く出版されています.しかしながら,これらの出版物の多くが,痛みの治療法のガイドブック的なものであり,痛みに関する基礎的な生理学,薬理学,解剖学などに基づいた記述は多くないように感じています.また,痛みの治療を行う上級クラスの臨床医を十分に満足させる基礎と臨床がバランス良く記述された本格的な日本語の本は少ないのが現状です.そこで,今回麻酔科医を対象とした「痛みのScience & Practice」シリーズを上梓することといたしました.本シリーズは,麻酔科専門医およびペインクリニック専門医を目指す医師を対象としています.そしてペインクリニックを専門としない麻酔科医でも,痛みに関する正しい基礎知識に裏打ちされた,より良い診療の指針となるシリーズを目指しています.痛みに関する基礎的・臨床的知見は日進月歩です.本シリーズでは,最新の知見と治療法をまとめることを意図しています.そして痛み患者を診療するのに必要な基礎医学的知見と,エビデンスに基づいた治療を記載することを目指しました.このような気持ちをこめて,シリーズ名を「痛みのScience & Practice」と命名いたしました.
麻酔科はペインクリニック以外でも,手術時の痛みのコントロール・術後痛管理など,痛み治療にかかわることが多い診療科です.痛みをコントロールすることの多い麻酔科医にとって,「痛みのScience & Practice」は必読の書となると考えています.
1冊250ページくらいの書籍を,年に4冊程度出版していく予定です.各巻の企画は編集者の1人が作成した原案を,編集会議で何度も検討し,全員の納得が得られる状態まで練り上げました.それぞれの1冊は,一つのトピックを多面的に理解できるよう編集しています.また,より理解しやすくするために多くのカラーイラストを入れています.
本シリーズは,多くの麻酔科医に新しい痛みの知見を紹介することができるシリーズとなっていると確信しています.本シリーズが今後の日本における痛み診療の発展に貢献できることを期待しています.
禎心会病院 表 圭一
熊本大学 山本 達郎
順天堂大学 井関 雅子
信州大学 川真田 樹人
痛みの治療法として,従来より薬物療法,神経ブロック,リハビリテーション,物理療法などが行われてきていますが,近年,痛みの病態が徐々に明らかにされてきているのに伴い,種々の低侵襲的な痛み治療が行われるようになってきています.特に,インターベンション技術が発達してから,それを痛みの治療に応用するようになり,痛みの治療方法の幅が飛躍的に広がっています.
Waldmanが1996 年に最初に使用した「痛みのインターベンション治療」という言葉は,「インターベンション技術を単独または他の治療法と組み合わせて用いることにより,痛みとその関連した疾患の診断や治療を行う医学専門分野(The National Uniform Claim Committee)」を示しています.これは薬物による内科的治療と手術による外科的治療の間に位置する治療法で,薬物の副作用も少なく,大きく切り開く手術の必要がない低侵襲的な治療法といえます.痛みのインターベンション治療には,目的神経の永久遮断(アルコール,高周波熱凝固),外科的処置(椎間板髄核摘出術,脊髄くも膜下注入ポンプ植え込み,脊髄電気刺激,神経癒着剝離術など)が含まれます.
これまで,痛みのインターベンション治療として,多種な神経ブロック療法(盲目的,画像下)が行われてきており,数々のその手技に関する成書も出ています.本書では,局所麻酔薬による可逆性神経ブロックを除いた,現在本邦で行われている痛みのインターベンション治療法を,その原理,適応,手技,症例を提示することで,初心者でも理解できるように構成しました.本書が痛みのインターベンション治療の手引書となり,痛み診療の発展に貢献できることを期待しています.さらに,今後,その有用性から,その適応範囲も広がり,痛みの治療の中で重要な位置を占めることになると考えられます.これらの治療法の基本,手技を習得することにより,これから次々と新たに開発,商品化されていくインターベンション治療法の理解にも役立つと確信しております.
2014年10月
禎心会病院ペインクリニックセンター 表 圭一
目次
総説
インターベンション技術の痛み治療への応用
解説
Ⅰ.神経電気刺激療法
1 脊髄刺激療法の原理と鎮痛機序
2 脊髄刺激療法の適応と禁忌
3 脊髄刺激療法の刺激装置と電極リード
4 脊髄刺激療法の実際
5 脊髄刺激療法の適応疾患
1)failed back surgery syndrome
2)腰部脊柱管狭窄症
3)複合性局所疼痛症候群
4)幻肢痛
5)帯状疱疹後神経痛
6)中枢痛(脳卒中後痛)
7)パーキンソン病
8)脊髄損傷後痛
9)四肢虚血痛
6 末梢神経野刺激療法
7 脳深部刺激療法
8 大脳皮質運動野刺激療法
9 電気けいれん療法
Topics FBSSでは何が起こっているのか
II.高周波熱凝固法
1 高周波熱凝固法(RF,PRF)に必要な機器・器具
2 高周波熱凝固法
3 pulsed radiofrequency(PRF)
III.神経破壊薬を用いた神経ブロック療法
1 神経破壊薬
2 神経破壊薬を用いた代表的な神経ブロック
IV.椎間板疾患に対する治療法
1 椎間板疾患
2 椎間板注入・椎間板加圧注射
3 経皮的髄核摘出術
1)原理と鎮痛機序
2)percutaneous nucleotomy
3)自動式経皮的椎間板摘出術
4)デコンプレッサー
5)経皮的(内視鏡下)ラジオ波椎間板線維輪形成術
4 椎間板内高周波熱凝固法
5 椎間板内パルス高周波法
Topics 線維筋痛症の病態はどこまで解明されたか
Topics CTガイド下痛みのインターベンション治療
Ⅴ.硬膜外癒着剝離療法
1 硬膜外腔癒着剝離
2 エピドラスコピー
3 Raczカテーテル
4 仙骨硬膜外洗浄
VI.椎体骨折痛に対する治療法
1 椎体骨折痛
2 経皮的椎体形成術
3 Balloon Kyphoplasty
4 椎体骨穿孔術
VII.脊髄くも膜下治療法
1 ポート植え込み型脊髄くも膜下持続注入
2 ポンプ植え込み型脊髄くも膜下持続注入
Topics 緩和医療における痛みのインターベンション治療
Topics PCA法の現況
VIII.持続硬膜外ブロック療法
1 持続硬膜外ブロック療法
IX.ブラッドパッチ療法
1 ブラッドパッチ療法
X.関節骨穿孔(骨髄減圧)術
1 関節骨穿孔(骨髄減圧)術
2 肩関節
3 膝関節
4 股関節
XI.経皮的コルドトミー
1 経皮的コルドトミー
XII.内視鏡下胸部交感神経遮断術
1 内視鏡下胸部交感神経遮断術
Topics 外傷性髄液減少症は実在するか
Topics 反復経頭蓋磁気刺激療法
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書籍情報
- ISBN:9784830628399
- ページ数:276頁
- 書籍発行日:2014年11月
- 電子版発売日:2019年5月22日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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