新生児・小児のための脳低温療法

  • ページ数 : 152頁
  • 書籍発行日 : 2011年7月
  • 電子版発売日 : 2014年11月14日
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商品情報

内容

日本脳低温療法学会公認のテキスト!

新生児や小児における脳低温療法の適応、具体的な冷却方法やモニタリング・検査などを各領域のエキスパートが解説。脳低温療法の作用機序からその実際、今後の展望までをこの一冊で学べます!実地臨床にぜひお役立てください。

序文

序文

周産期医療の進歩により,今日の周産期死亡率および新生児死亡率は著しく改善されてきている.新生児の低酸素性虚血性脳症(以下,HIE)も産科管理の向上によりその発症は減少してきているものの,死亡または脳性麻痺などの重篤な後遺症を残すことが少なくなく,治療成績は必ずしも満足のいくものではないのが現状であり,その予後を改善することは重要な課題であると思われる.

近年,HIEによる脳障害の病態が虚血再灌流による循環障害によって引き起こされることが明らかになり,一方で成人の集中治療領域において,脳神経保護作用を目的とした脳低温療法が施行され,その効果が報告されていることから,新生児領域および小児領域においても,脳蘇生における新たな治療戦略として脳低温療法が試みられている.

現在,世界中で新生児における脳低温療法のランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)が行われ,その有効性と安全性が報告されてきている.また,新生児蘇生法に関する国際蘇生連絡委員会(International Liaison Committee on Resuscitation:ILCOR)のConsensus on Science and Treatment Recommendations 2010でも,重症新生児仮死のHIEに対する脳低温療法が推奨されている.

しかしながら,現在,日本には,新生児・小児に対する脳低温療法に関する成書は存在せず,全国の各施設において手探り状態で行われているのが実状である.そこで,低酸素虚血による神経細胞障害の発症機序,脳低温療法の作用機序,世界各国での施行状況,冷却法,モニタリング,副作用などの施行方法とその効果,さらなる脳低温療法の展開などについて,新生児・小児・成人の集中治療分野のエキスパートの方々にご解説いただいた.このテキストを,実地臨床に役立てていただければ幸甚である.

2011年5月

鹿児島市立病院総合周産期母子医療センター新生児科部長 茨 聡

目次

・序文

・執筆者一覧

■総論

●1 脳低温療法の歴史から脳低温療法の本質を理解する

●2 脳低温療法の作用機序

■各論

●1 脳低温療法の適応

・1 新生児における適応

・2 小児における適応

●2 脳低温療法の施行方法

・1 新生児の冷却方法

・2 小児の冷却方法

●3 脳低温療法中のモニタリングおよび検査

・1 体温

・2 循環

・3 頭部エコー検査

・4 脳波

・5 近赤外線分光法(NIRS)

・6 生化学的検査

・7 内頸静脈血酸素飽和度と脳組織酸素摂取率

・8 マイクロダイアリシス法による生化学的モニタリング

・9 頭蓋内圧(ICP)モニター

・10 頭部CT・頭部MRI

●4 脳低温療法中の副作用とその対応

・1 循環系

・2 水・電解質系

・3 易感染性

・4 神経系

●5 脳低温療法の効果

・1 新生児:日本の現状(1)
新生児:日本の現状(2)

・2 新生児:世界の現状

・3 小児:日本の現状

●6 脳低温療法の今後および薬物併用療法

・索引

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書籍情報

  • ISBN:9784840436922
  • ページ数:152頁
  • 書籍発行日:2011年7月
  • 電子版発売日:2014年11月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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