脳脊髄血管 正常から変異,異常まで

  • ページ数 : 328頁
  • 書籍発行日 : 2014年6月
  • 電子版発売日 : 2015年4月24日
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商品情報

内容

脳脊髄血管の稀少症例が満載!

ニッチ脳神経脈管カンファレンス(1~7回)から優れた42論文を、一冊にまとめた本書。
動脈と静脈の機能解剖から、そのバリエーション、さらにそれらの異常までを網羅した本書は他に類をみない構成をしています。
電子版なら、文中の文献からPubMedへのリンクも貼られているので、知りたい情報がすぐに探せます。

序文

はじめに

ニッチ脳神経脈管カンファレンス(Niche Neuro-Angiology Conference)は,脳脊髄血管の発生や解剖の知識を大切にし,稀な血管疾患の経験を皆で共有しながら,疾患の病態の理解に努め,より安全な血管病変の治療を目指してきました.そのテーマに,1)脳脊髄血管の機能解剖,発生,その研究の歴史,2)小児の脳血管奇形,3)脳脊髄血管の系統疾患や症候群,4)頭・頚部の血管病変,5)発生生物学や分子生物学的なアプローチ,などを選びました.2007年5月に大阪で第1 回を開催し,本年で第8 回になるにあたり,過去7 回の発表の中から優れた論文を選び,1冊の本にまとめました.

本書のタイトルの『脳脊髄血管-正常から変異,異常まで-』は,多岐にわたる会のテーマの根底にある脳脊髄血管の見方をあらわしています.正常に見える脳脊髄血管系にも,その構築には個体差があり,病的ではない変異の範囲を越えると,疾病として扱われます.会の種々のテーマも,血管を中心に横断的な見方をするとより理解しやすくなります.動脈と静脈の機能解剖から,そのバリエーション,さらにそれらの異常までを網羅した本書は,他に類を見ない構成をしています.脳脊髄血管の疾患に関係する様々な診療科の先生方に,この分野の面白さを伝えることができ,さらに臨床の場でも有意義な書籍になることを望んで止みません.

最後に,本書の著者の先生方のみならず,会の立ち上げから協力していただいている世話人の廣常信之先生(広島市民病院),松丸祐司先生(虎の門病院),東登志夫先生(福岡大学),吉村紳一先生(兵庫医科大学),田中美千裕先生(亀田総合病院),新見康成先生(聖路加国際病院),清末一路先生(大分大学)の7先生と同僚の石黒友也先生,いままで計7 回のカンファレンスのdiscussionに参加された延べ1,000 人の先生方に感謝するのをはじめ,日常診療の場で,血管にまつわる種々の疑問を絶えず提供してくれる真の先生である多くの患者の皆さんにこの場を借りて,感謝したいと思います.

第8回ニッチ脳神経脈管カンファレンスの開催にあわせ

2014年4月20日

大阪市立総合医療センター脳神経センター部長 小宮山雅樹

目次

・はじめに

・執筆者一覧

【1 歴史】

<1.1> 解剖学の歴史

<1.2> フランスとその周辺における神経血管内治療の発展の歴史

【2 動脈解剖】

<2.1> 脳脊髄血管の基本構築

<2.2> 系統発生からみた内頚動脈とその分枝

<2.3> ヒト大脳皮質の細胞構築と脳血管機能解剖

<2.4> 原始血管吻合:症例報告とレビュー

<2.5> Bilateral carotid retia

<2.6> Primitive olfactory artery-その特徴と合併する脳動脈瘤-

<2.7> Duplication of Middle Cerebral Artery

<2.8> Leptomeningeal Anastomosis

<2.9> 血管内治療のための顎動脈の解剖(中硬膜動脈を除く)

<2.10> 中硬膜動脈と副硬膜動脈の機能解剖

<2.11> 眼動脈の血管解剖と臨床

<2.12> 上行咽頭動脈の発生と解剖,およびその塞栓術

【3 静脈解剖】

<3.1> 機能的,発生学的視点から見た中枢神経静脈解剖

<3.2> 海綿静脈洞およびその周囲の静脈構造の解剖とバリエーション

<3.3> 脳静脈系の解剖-tentorial sinusの機能解剖を主として-

<3.4> 脳底静脈と内大脳静脈の血管解剖-静脈吻合路から見た深部静脈-

<3.5> Collateral Pathways of the Galenic System

【4 Spinal Cord】

<4.1> 脊髄血管解剖と血管撮影の基礎

<4.2> 脊髄血管の解剖とそこからの塞栓術

【5 動脈疾患】

<5.1> 中大脳動脈血管異常の臨床および放射線学的特徴:M1-M2移行部の網目状血管5例

<5.2> 再訪:特発性中大脳動脈閉塞症

【6 静脈疾患】

<6.1> Developmental venous anomaly

<6.2> 海綿状血管腫と静脈奇形の合併-最近の知見-

【7 AVM/AVF】

<7.1> 動静脈シャントの構造と血管構築

<7.2> Cerebral proliferative angiopathy

【8 Ped Disease】

<8.1> Vein of Galen Aneurysmal Malformation(VGAM)と関連疾患

<8.2> 小児頭蓋内動静脈シャント疾患の特徴と血管内治療

<8.3> Pial arteriovenous fistulas

<8.4> 小児脳梗塞

【9 Spinal Disease】

<9.1> Spinal epidural AVF

<9.2> Cobb syndromeとその関連疾患

【10 Head Neck】

<10.1> 百聞は一見にしかず:目に見える血管病変

<10.2> ISSVA分類に基づく血管腫・血管奇形の臨床診断と血管内治療の役割

<10.3> 頭頚部,顔面の血管奇形に対する血管内治療

【11 Systemic】

<11.1> 遺伝性出血性毛細血管拡張症

<11.2> 遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)の遺伝子解析

<11.3> PTEN変異と血管奇形

<11.4> パークス ウェーバー症候群と血管奇形

<11.5> Pial AVF and RASA1 mutation

<11.6> スタージ・ウェーバー症候群と血管異常

・索引

・編者略歴

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書籍情報

  • ISBN:9784840449366
  • ページ数:328頁
  • 書籍発行日:2014年6月
  • 電子版発売日:2015年4月24日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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