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- ハートナーシング2015年春季増刊 ナース必携! 循環器の薬剤ガイド150
商品情報
内容
①体の中での薬のはたらき、②ジェネリックに対応した薬剤カタログ、③循環器疾患における薬剤選択とその根拠についてまとめられています。
オールカラーで見やすく、ナースが絶対押さえるべきポイントも掲載、ジェネリックにも対応!
携帯端末に入れて、いつでもどこでも参照できます。
序文
循環器の薬剤を学ぶ前に
循環器ナースと「くすり」―
循環器病棟に勤務するナースは、急性心不全で担ぎ込まれた患者さんが数時間のうちに改善し、翌日には元気に会話している光景を何度も経験しています。循環器の薬剤は適切に使用すれば劇的な効果を得ることができる反面、使用法を間違えれば患者さんを危険な状態にしてしまうこともあるもろ刃の剣のようなものです。ですから、ナースは循環器の薬剤について十分な知識を持たなくてはなりません。
内科治療の中心は薬物治療です。薬物治療というのは、ただ疾患と薬物を結び付け、患者さんに投与すればよいというものではありません。薬物治療を行う上では薬剤の調剤、薬物の吸収、代謝、短期的な効果、長期的な効果、副作用など多くの知識が必要とされます。
薬と薬物と薬剤―
一口に「くすり」といいますが、くすりはいろいろな表現で語られていることが多いと思います。「薬」、「薬物」、「薬剤」、どれも同じような意味ですが、実は微妙に区別されているのです。 くすり「薬」とは、「心身に、特殊な効果や一定の影響を与えるもの。特に、病気や傷などを治したり、健康を保持したりするために、飲んだり注射したり塗布したりするもの」(大辞林第三版)と記載されています。つまり、医療用語で薬というのは、身体の健康状態を改善するもの全般を指しているのです。一方、薬物は、薬理作用を有する化学物質をいいます。薬草は煎じて飲めば「くすり」ですが、薬物ではありません。煎じ薬の中に入っている有効成分を抽出したものが薬物です。その薬物を、体内で吸収しやすいようにしたり、保管中に化学変化を起こさないようにしたり、飲みやすくしたりしたものが薬剤です。
ナースが「くすり」について知らなくてはいけないこと―
ナースのあなたが、患者さんの枕元に「くすり」を届けると、患者さんはそれを受け取り、疑いもなく内服します。それは患者さんが、ナースが届けてくれる「くすり」は、患者さんのためになる「くすり」で、患者さんを治してくれる「くすり」であると信頼しているからです。その信頼に応えるためには、①薬物がどのような効果を持っているのか? ②その薬物がどのような薬剤として供給されているのか? ③その薬剤の内服、使用方法はどうすればよいのか? ④薬剤の副作用としてどのようなことが起こり得るのか? ⑤副作用が起きたらどのように対処すればよいのか? などについて知っておかなくてはなりません。
「くすり」を使用する目的−症状緩和と予後改善―
何のために薬を使うのでしょうか? 「なるべく、薬を使用しないで治したい」と言う患者さんがいます。理由を聞くと、「薬には必ず副作用があるから」と答えます。副作用があるから薬を飲まないという考え方は科学的ではありません。薬物治療の目的は2 つあります。症状緩和と予後改善です。
症状緩和の薬というのは、"今、痛みがある""息苦しい"という症状があって、それを改善するための「くすり」です。頭痛のときの鎮痛薬、不眠のときの睡眠薬、発熱のときの解熱薬などがそれに当たります。予後改善の薬というのは、高血圧の人が心血管病に罹患することを予防し、ひいては健康な寿命を長くするための降圧薬、心不全の生命予後を改善するアンジオテンシン変換酵素阻害薬などがそれに当たります。
鎮痛薬や睡眠薬は、長期間連続服用すれば有害であるということは理解しやすいでしょう。そのため薬は「悪」であり、なるべく服用しないほうがよいという認識が生まれるのです。一方、抗菌薬は感染症の原因である病原体を死滅させ、感染症の症状を改善します。この抗菌薬でさえ、長期間漫然と使用すれば副作用を避けることはできません。不整脈を治して動悸を改善させるといっても、長期間内服を継続して不整脈を抑えているだけでは生命予後を改善させることにはなりません。急性心不全のときの利尿薬や強心薬は急性心不全の症状を改善しますが、それらの薬剤を長期間継続しているとかえって生命予後が悪くなることもあります。
このように、症状緩和(短期的効果)と予後改善(長期的効果)は、ときには一致し、ときには相反する効果を有するのです。
「くすり」は誰に使うかでも効果が異なる―
糖尿病があり、肥満で、高血圧という心筋梗塞の危険因子がたくさんあるからといって、狭心症や心筋梗塞の既往がない患者さんに対しては、抗血小板薬であるアスピリンに心血管病の予防効果はありません。しかし、心筋梗塞を起こした患者さんに対してアスピリンを長期間使用すると、心筋梗塞の再発は予防されます。このように同じ薬であっても、投与する患者さんによっては効果が認められる場合と認められない場合があるのです。
「くすり」を知って、患者さんの病態に即したケアを実践していただきたいと願っています。
北里大学北里研究所病院 副院長・臨床教授・循環器内科部長
赤石 誠
目次
・はじめに-循環器の薬剤を学ぶ前に-
・執筆者一覧
【1章 からだの中をのぞいてみよう 薬剤はたらきMAP&薬剤カタログ】
(1)レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の作動薬
(2)α・β遮断薬
(3)利尿薬
(4)Ca 拮抗薬
(5)抗不整脈薬
(6)強心薬
(7)カテコールアミン系薬剤
(8)脂質異常症治療薬
(9)硝酸薬
(10)肺高血圧症治療薬
(11)抗血栓薬・抗凝固薬・抗血小板薬
(12)鎮痛薬・鎮静薬・抗精神病薬
(13)その他の薬剤
【2章 あの循環器疾患にはどんな薬剤が使われる?】
(1)心不全(急性心不全・慢性心不全)
(2)不整脈(心房細動・心室頻拍)
(3)安定狭心症
(4)ACS(急性心筋梗塞・不安定狭心症)
(5)弁膜症
(6)肺血栓塞栓症(深部静脈血栓症)
(7)大動脈瘤・大動脈解離(B 型)
(8)肺高血圧症
・一般名INDEX
・商品名INDEX
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書籍情報
- ISBN:9784840450973
- ページ数:228頁
- 書籍発行日:2015年4月
- 電子版発売日:2015年11月6日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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