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内頚動脈瘤(ICA Aneurysm)のすべて―遠位部(supraclinoid) [動画付き]

  • ページ数 : 264頁
  • 書籍発行日 : 2015年3月
  • 電子版発売日 : 2017年10月20日
13,200
(税込)
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商品情報

内容

充実の症例と50本の術前シミュレーション・手術動画で手術、IVRのコツ、ポイントがよくわかる。

中大脳動脈瘤の手術・治療を経験したあとに実施することが多い内頚動脈瘤に焦点を当てた専門書。本巻では遠位部(IC-PC、true Pcom、IC-AChA、IC top〔IC terminal〕等)について解説。実際に手術に参加しているような感覚で学ぶことが出来ます。

内頚動脈瘤(ICA Aneurysm)のすべて―近位部(cavernous-paraclinoid)

序文

監修のことば

今回,先行して発刊された中大脳動脈瘤に続いて,内頚動脈瘤の手術書が発刊されることとなった.井川房夫先生の編集方針に賛同してくれた新進気鋭の術者らの力で完成した本書は,Webによる動画が参照できる点でも,意欲的な新しい企画が盛り込まれている.

当然のことながら,一口に内頚動脈瘤の患者と言っても,一人ひとりすべて異なる.内頚動脈瘤という分類も,治療者側の視点からの「意味」しかない.改めて,顕微鏡をのぞくとき,そこに見える視界に何を見るかは,解剖学的な意味や外科治療の意味がわからなければ,単なる一つの視野,いや,景色にすぎない.そこに「意味」を見いだすとすれば,治療の明確なゴールが意識されて,はじめて,「見える」ものがある.視野が単に脳に投影されることと,その視界の意味を治療者としての視点から解釈することは,まったく別のものである.顕微鏡下に広がる3次元の風景が「景色」から「視界」に変わり,さらに,意味をもった「視野」に変わるためには,系統立った先達の知識の集積が必要である.

本書は,こうした術者の成長を容易にし,加速するものである.それは,血管撮影などの検査所見を見る場合も同様である.血管内外科治療などでは,血管撮影の理解力と治療の予測は,治療の成否を決定するものでもある.その理解のうえに,はじめて,正しい治療が生まれる.

治療の最適化,tailor-madeという点では,内頚動脈瘤は中大脳動脈瘤以上に症例ごとの差異が大きく,適切な分類が必要である.ただ,その分類が必要以上に過剰になると,複雑化が初心者の理解を阻害し,混乱を招くことも事実である.その意味で,本書では,近位部,遠位部という技術的な側面から大きな分類をすることにより,無用な用語の混乱による学習者の意欲を妨げない点でも特筆すべきものである.

中大脳動脈瘤の治療に引き続いて出版された本書は,さらにグレードアップした視覚化が行われ,説明も洗練されたものになっている.言うまでもないことであるが,治療成績が格段に向上した現在,動脈瘤の治療は容易ではない.特に内頚動脈瘤の治療では,合併症も頻度が高く,かつ,重大なものが多い.内頚動脈治療では,万全な座学と少しでも多い臨床経験が要求される.本書は,座学の素材としても優れたものであるが,同時に,編者の井川房夫先生が述べておられるように,実際に手術に参加している錯覚を覚えさえするような工夫がなされている.両書が,脳動脈瘤治療を安全・確実に行うために,少しでも多くの読者の目に触れることを期待する.

宝金 清博


刊行にあたって

2014年3月,多くの方々のご協力のもと『中大脳動脈瘤のすべて』を発刊することができました.ご協力いただいた先生方には感謝申し上げるとともに,これからの手術・IVRを目指す先生方には,ぜひ,術前シミュレーションの仕方や,注意点,ピットフォールなど学んでいただけましたら幸いです.今回は第二弾として,『内頚動脈瘤のすべて』を発刊させていただく運びとなりました.ただし,内頚動脈には多くの重要な分枝血管,周囲の重要脳神経,頭蓋底構造物があり,とても一冊にまとめることは困難であるとの結論から二分冊にせざるを得なくなりました.おかげさまで,細部まで網羅することができた充実した内容になったと自負しております.紙面量のバランスを考慮し,近位部(cavernous-paraclinoid portion)はIC cavernous,IC paraclinoid(Oph,SHA),IC anterior wall 動脈瘤の手術・IVRを網羅し,遠位部(supraclinoid portion)はIC-PC,true Pcom,IC-AChA,IC top(IC terminal)動脈瘤の手術・IVRを網羅することとなりました.

遠位部内頚動脈瘤の手術・IVRでは,例えば同じ内頚動脈―後交通動脈分岐部動脈瘤でも,数種類のパターンに分けられます.手術・IVRの前に,同じパターンの手術・IVR動画を見ておくことは非常に有用で,自分がシミュレーションした動脈,静脈,骨,動脈瘤が実際の手術・IVRではどのように見えるかを右脳に落とし込むことができます.

仮に先輩が不在のときに救急で破裂脳動脈瘤患者が搬送されたらどうするか.実際にこのシチュエーションになったときの対応で今後の脳神経外科医としての生き方が決まるといっても過言ではありません.もちろん無謀な挑戦は自分にも患者さんのためにもなりません.おそらく自分で何とかなるであろうが,経験が少ないときこそ,本書の出番です.同じタイプの動脈瘤を探し,術前シミュレーション動画,手術動画を数例見て,右脳に落としてください.時間があれば自分の施設で同じタイプの手術症例動画を見ることができますが,細かなタイプ別に整理されていることはあまりありません.実際の患者を前にシミュレーションする経験は貴重な財産となります.

執筆をお願いした先生方は,日本の第一線でご活躍している先生ばかりで,超ご多忙にもかかわらず,充実した内容に仕上げてくださり,この場を借りて厚く御礼申し上げます.

本書は,豊富な図・写真とインターネットを利用した術前シミュレーション動画,手術・IVR動画を含み,ネット環境さえあればどこでも動画を見ることができます.これから手術・IVRにあたられる先生方の右脳に働き,お役に立てると確信しております.ひいてはできるだけ多くの患者さんのお役に立てることができましたら幸いです.

井川 房夫

目次

監修のことば

刊行にあたって

執筆者一覧

WEB動画の視聴方法

本書における略語一覧

1章 内頚動脈瘤概論

1 内頚動脈(遠位部)の解剖

2 内頚動脈の画像診断とシミュレーション

2章 内頚動脈瘤の手術

1 術前検査と術前シミュレーションによる戦略のポイント

2 手術アプローチと頭蓋底アプローチ

3 内頚動脈瘤の特徴と手術

A IC-PC

B IC-AChA, IC top(IC terminal)

4 内頚動脈瘤の術中モニタリング

A MEPモニタリング

B 神経内視鏡

3章 内頚動脈瘤のIVR

1 術前検査と術前シミュレーションのポイント

2 脳血管内治療の実際

4章 シミュレーションと手術・IVRの実際

1 シミュレーションと手術の実際

A IC-PC前床突起近傍

B 症候性IC-PC

C IC-PC外側向き,外後方向き(1)

C IC-PC外側向き,外後方向き(2)

D IC-PC後方向き(1)

D IC-PC後方向き(2)

E IC-PC大型(1)

E IC-PC大型(2)

F IC-PCコイル後再発

G true Pcom(1)

G true Pcom(2)

H IC-AChA小型(1)

H IC-AChA小型(2)

I IC-AChA中~大型(1)

I IC-AChA中~大型(2)

J IC top(IC terminal)(1)

J IC top(IC terminal)(2)

K Pcomを含む巨大ICA動脈瘤

2 シミュレーションとIVRの実際

A 非症候性IC-PC(1)

A 非症候性IC-PC(2)

B 症候性IC-PC(1)

B 症候性IC-PC(2)

C true Pcom

D IC-AChA(1)

D IC-AChA(2)

E IC top(IC terminal)(1)

E IC top(IC terminal)(2)

F supraclinoid巨大瘤(1)

F supraclinoid巨大瘤(2)

5章 応用編

1 内頚動脈瘤のトラブルシューティング

A 手術時のトラブルシューティング

B IVRのトラブルシューティング

2 巨大内頚動脈瘤の手術・IVR

おわりにあたって

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書籍情報

  • ISBN:9784840453349
  • ページ数:264頁
  • 書籍発行日:2015年3月
  • 電子版発売日:2017年10月20日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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