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- CIRCULATION Up-to-Date Books10 この失神、どう診るか?
商品情報
内容
失神における診断・治療のエキスパートでもある著者が解説。
失神のガイドラインをほとんど知らない約半数の循環器内科医に、そして一般内科医に、これだけはどうしても伝えたい。
失神の診断に大切なことはすべてこの一冊につまっています。
CIRCULATION Up-to-Date Booksシリーズ
序文
はじめに
一過性意識消失をきたす原因の一つに失神があります.失神は循環器異常により発生する症状であるにもかかわらず,失神患者が循環器内科を受診するとは限りません.一過性の意識消失で救急搬送され,そこで失神と判断されても循環器内科に紹介されるとは限らないのです.その結果,患者は不必要で過剰とも思われる関係のない検査まで受けるものの,結局は原因不明とされ,挙げ句の果てに「心配ありませんよ」の一言で済まされてしまう.失神が再発しても同じ検査の繰り返しで,その結果,患者は別の医療機関を受診し,そこでもまた同じ検査を受け,患者のたらい回しが始まるのです.
本書の筆者らは,これまで相当数の失神患者を診察し治療した経験をもっています.筆者らの診察を受けた患者は,すでに数カ所の医療機関を受診し,原因も明らかにされず適切な治療がなされていないため再発を繰り返し,すがる気持ちでやっと適切な失神の診断・治療ができる医師にたどり着いた患者がほとんどなのです.
失神には,日本循環器学会から「失神の診断・治療ガイドライン」が出され,しかも欧州や米国でも同様のガイドラインが出されています.一つの「症状」に関してのガイドラインが出されているのは,おそらく失神だけでしょう.その理由は,誤診や原因不明とされてしまう患者が極めて多いこと,不必要な過剰検査が多くなされ医療経済的にも医療費高騰の大きな原因となっていること,そして関連疾患の医学知識と手順を身につけないと適切な失神診療が困難であること,があるからです.
本書は,総論で失神診療に最低限必要な基本的知識をまず習得したうえで,各論では実際の症例を中心に,診断に至る考え方や,原因診断に至るまでの検査の手順について詳細に記載してあります.少し難しい症例も含まれ3ていますが,診断に至る考え方は身につきます.さらに,知っておくと役立つトピックスや診療でのコツなどもコラムで紹介していますので,大いに参考にしてください.
失神でたらい回しになっている患者をなんとか救ってあげたい,と考える読者も多いはずです.本書が,先生方の失神診療の一助になることを期待しています.
2015 年12 月
産業医科大学医学部 不整脈先端治療学教授
安部治彦
目次
・はじめに
・執筆者一覧
【序章】
◆総論 失神患者へのアプローチ
【第1章 明日やって来るかもしれない失神患者】
◆症例01 若年者の血管迷走神経性失神
◆症例02 ペースメーカ植込み後の血管迷走神経性失神
◆症例03 嚥下により発作性房室ブロックが誘発された失神例
◆症例04 バルサルバ手技により発作が再現された咳嗽失神例
◆症例05 頸動脈洞過敏症に起因する咳嗽失神例
◆症例06 重症の起立性低血圧による失神症状をペースメーカで治療した症例
◆トピックス01 血管迷走神経性失神の治療
◆コラム01 迷走神経反射はなぜ起こる?
◆コラム02 起立性低血圧はなぜ起こる?
◆コラム03 排尿・排便失神はなぜ起こる?
◆コラム04 失神患者に行われる検査
◆コラム05 Head-up tilt検査はやるべき?
◆コラム06 外来に失神を訴える患者が来たら?
【第2章 決して見落としてはいけない失神患者】
◆症例07 失神を主訴に来院した異型狭心症の患者
◆症例08 徐脈性不整脈(房室ブロック)
◆症例09 徐脈性不整脈(洞不全症候群)
◆症例10 失神と夜間の尿失禁を伴ったBrugada型心電図の患者
◆症例11 負荷により左室流出路の圧較差が誘発された閉塞性肥大型心筋症の失神
◆症例12 急性肺血栓塞栓症による失神
◆トピックス02 発作性房室ブロックのメ櫟ニズム
◆コラム07 心原性失神を疑うべき所見とは?
◆コラム08 心臓電気生理検査は失神の原因精査に有効か?
【第3章 忘れられない失神患者】
◆症例13 心原性失神と鑑別を要したてんかん症例
◆症例14 てんかんによる心停止症例
◆症例15 Head-up tilt検査で30秒の心停止をきたしペースメーカが植込まれた中年女性
◆症例16 ILR植込み手術時に発生した血管迷走神経性失神
◆症例17 血管迷走神経性失神の治療経過中に心室細動が発生した症例
◆トピックス03 失神患者の自動車運転と道路交通法
◆コラム09 なぜ「てんかん」と見分けが難しいか?
◆コラム10 採血で失神が起こる?
◆コラム11 心因性失神の見分け方
◆コラム12 予防のために患者に伝えたいこと
【第4章 失神の診断に有用な検査法】
◆症例18 ILRで診断された持続性心室頻拍の症例
◆症例19 ILRで診断された徐脈頻脈症候群の症例
◆症例20 体位性起立頻脈症候群の症例
◆コラム13 発作時の心拍トレンドで原因診断は可能か?
◆コラム14 ILRの植込みはいつ行う? 合併症は?
◆コラム15 ILRとELRではどちらが有効?
◆トピックス04 ELRの種類
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書籍情報
- ISBN:9784840457736
- ページ数:192頁
- 書籍発行日:2016年2月
- 電子版発売日:2016年5月20日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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