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- SpO2の基本と応用 ここまで使える 新生児・小児のパルスオキシメトリ
商品情報
内容
新生児蘇生からNICUでの集中治療、乳児健診、在宅医療まで、シチュエーション別に活用方を正しく理解し日常に生かせます。現場の声が反映された内容で早期介入できるスキルを身につけよう!
序文
はじめに
パルスオキシメータは集中治療領域で、呼吸心拍モニタと並んで最も汎用されている機器です。SpO2 モニタの機能の一部、多くはSpO2 値の上限・下限アラームを設定し、アラームが鳴ると患者さんの元に行って観察する、といったことが日常でなされていると思います。パルスオキシメータを使用する目的は何なのかと研修医に尋ねると、酸素飽和度が下限値を下回ったとき、酸素投与を行うための基準にすると答える方が多いのが現状です。生体は酸素とグルコースを消費して細胞活動を行っています。パルスオキシメータは動脈血酸素飽和度を非侵襲的かつ連続的にモニタリングできる優れた機器ですが、末梢への酸素運搬では酸素飽和度以外に、実際に酸素を運搬するヘモグロビンの濃度、心拍出量、末梢での酸素の受け渡しやすさなど、多くの因子が複雑に作用して恒常性を保っています。ただ単に酸素飽和度が低下したから酸素を投与して規定の酸素飽和度を保てばよい、というわけではありません。酸素飽和度がいくつなら呼吸不全といえるのでしょうか。一般的にはPaO2 が60mmHgと定義されますが、SpO2 ではいくつになるのでしょうか。本書では、パルスオキシメータ使用に関わる疑問や使用のヒントが余すところなく紹介されています。
また、現在販売されているパルスオキシメータにはSpO2 値、脈拍数の計測のみならず、多くの機能が搭載されています。本書では灌流指標、脈波変動指標、ヘモグロビン濃度、メトヘモグロビン濃度について紹介しています。これらの指標すべての正常値を新生児期から明確に規定できるわけではありません。まずはこういった指標を使用し、どういった病態で有意義な指標となるかを検討いただければと思います。
機器に対する解説書の多くは、その原理に多くのページが割かれ、実際の臨床に関する記述は少ない傾向にありました。本書の特徴は、第3章でシチュエーション別の使用法を紹介している点にあります。各項目の執筆は、実際にそのシチュエーションでパルスオキシメータを頻用されている先生にお願いしています。ある程度パルスオキシメータの使用に慣れている方は、本書の第1章から順番に読む必要はありません。皆さんがよく出会うシチュエーションの部分から読み進めてください。
また、信頼できるパルスオキシメータ値を得るためには、プローブの装着が最重要事項になりますので、第4章にまとめていただきました。実際にプローブを装着する看護師さんのみならず、すべての医療者に読んでいただきたい章です。
第5章に姉妹書の『よくわかる新生児の血液ガス』同様、演習ドリルを掲載しました。パルスオキシメータ判読に自信がある方、指導する立場にある方はドリルに挑戦してみてください。SpO2 値だけでなく血液ガス分析値も合わせて掲載していますので、幅広く確認できると思います。
本書の執筆はいずれも実臨床でパルスオキシメータを使用し、またモニタ関係の教育を行っている方にお願いしておりますので、現場の声が反映された内容になっていると思います。多忙な日常の中、本書の執筆をお引き受けいただき、さらに編集者の指摘にも速やかに対応していただいた執筆者の皆さんに心より感謝いたします。
本書によって、結果を正しく判断して早期に治療介入できるスキルを身に付けていただき、さらにそれが患者さんの予後改善に役立つことにつながれば、筆者らの喜びです。
2016年11月
日本大学医学部小児科学系小児科学分野准教授
細野 茂春
目次
・執筆者一覧
第1章 パルスオキシメトリを活用するための基本
(1)SpO2モニタリングの基本原理
(2)SpO2とPaO2の関係~ヘモグロビン酸素解離曲線~
(3)呼吸・循環管理におけるSpO2
(4)SpO2変動の原因
第2章 SpO2に併せて使える指標
(1)灌流指標(PI)
(2)脈波変動指標(PVI)
(3)ヘモグロビン(Hb)
(4)メトヘモグロビン(MetHb)
第3章 シチュエーション別:こんなことがわかる・ここまで使えるパルスオキシメトリ
(1)新生児蘇生時
(2)skin to skin contact時
(3)産科入院中の心雑音
(4)NICU:呼吸障害があるとき
(5)NICU:酸素使用中
(6)NICU:新生児遷延性肺高血圧症時
(7)NICU:一酸化窒素吸入療法中
(8)NICU:ショック時
(9)乳児検診・小児科外来
(10)睡眠薬を使った処置・検査時
(11)iSpO2(R)の活用
(12)SpO2連続記録解析
第4章 赤ちゃんにやさしいプローブの取り扱い
(1)蘇生時
(2)平常時
(3)パルスオキシメータと皮膚ケア
(4)SpO2観察のポイントとトラブルシューティング
第5章 使い方がらくらく身につく演習ドリル
(1)SpO2が良好にもかかわらず皮膚色が蒼白な児
(2)人工換気中のSpO2の突然の低下と高濃度酸素に対する反応不良
(3)換気回数を下げた後のSpO2の低下
(4)人工換気中の重炭酸投与後のSpO2の改善
(5)心拍増加に伴うSpO2の低下
(6)発熱、哺乳不良、多呼吸に伴うSpO2の低下
(7)日齢2で認められた上下肢でのSpO2の解離
(8)日齢2に見られた多呼吸とSpO2の変動
(9)一酸化窒素吸入療法中のSpO2変化の有無
(10)1カ月健診での体重増加不良と多呼吸
(11)生後2カ月での呼吸障害
(12)MRI検査前のSpO2の低下
・索引
・編者略歴
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書籍情報
- ISBN:9784840461214
- ページ数:192頁
- 書籍発行日:2016年12月
- 電子版発売日:2017年11月2日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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