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- CIRCULATION Up-to-Date Books 19 心房細動患者を「脳梗塞」から守るのは誰か?
商品情報
内容
心房細動の脳梗塞予防では抗凝固療法が語られることが多いが、それだけでは完全ではない。循環器内科医の治療法に加え、疫学、脳神経外科医の視点、経食道エコーによる血栓の評価、カテーテル治療など、多くの視点を得ることで、治療と予防の考え方が変わる。
CIRCULATION Up-to-Date Booksシリーズ
序文
はじめに
心房細動に対する治療法として,直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)が登場したことは,近年の内科学のなかでも大きな進歩のうちの一つです.DOAC の登場に伴い,抗凝固療法に関する重要な臨床研究が次々に行われ,その成果が発表され,数多くの研究会で情報の伝達が行われてきました.このおかげで,専門家以外にも心房細動治療の重要性が認識され,適切な経口抗凝固療法が広まっています.私は不整脈の専門家として日常臨床を行っていますが,新規の心房細動患者をご紹介いただいた場合,非専門医の先生からDOAC が処方されている状況で紹介されてくるケースがほとんどです.また,この分野がfocus され,注目されることで,抗凝固療法に限らず,心房細動治療におけるさまざまな検討が行われています.DOAC は抗凝固療法のみならず心房細動の治療を大きく前進させたと言えるでしょう.
では,DOAC を服用していれば,それで大丈夫なのでしょうか.答えは「いいえ」です.DOAC が服用できない適応外の症例,エビデンスと同様の効果が得られにくい症例,若年であるにもかかわらず今後数十年にわたってDOAC を服用し続けなければならない症例,脳梗塞予防のみでは治療が不十分な症例,エビデンスには当てはまらないような背景の症例が数多く存在します.出血のリスクがある抗凝固療法を安全に行うためには工夫が必要ですし,気づかれていない心房細動を見つけて治療してあげること,また,可能ならば心房細動そのものを治すことも考えてあげなければなりません.
心房細動に対する治療はDOAC だけではありません.現状ではDOAC のみにスポットが当たっているように思われますが,DOAC の他にも,心房細動に関するさまざまな知見が得られ,さまざまな治療法が開発されています.今後,多くの方々に心房細動に関する知識を深めていただきつつ,特に「DOAC 以外」の方法による心房細動の治療,ひいては脳梗塞予防にスポットを当てていきたいと考えており,本書が,DOAC だけではない心房細動治療の普及と,皆さまの日常診療のお役に立つことを期待しております.
最後に,このような貴重な機会を与えていただきましたブランデンブルク心臓病センターの金子英弘先生,メディカ出版の出路賢之介さま,そして,ご多忙のなかご執筆いただいた先生方に,この場を借りしてお礼を申し上げます.
2017年6月
桜橋渡辺病院 心臓血管センター 部長
井上 耕一
目次
・推薦の言葉
・はじめに
・執筆者一覧
【第1章 今でも不良な心原性脳塞栓症の予後】
【第2章 心房細動の疫学と管理の実態】
Column(1) 心房細動は認知症のリスク:Stroke and Beyond !
【第3章 心房細動を超音波で斬る】
Column(2) 左心耳に血栓を見つけてしまったら,どうすればいいのか?
【第4章 心房細動患者のリスクを予測する】
【第5章 心房細動は隠れている:ESUSと無症候性心房細動】
Column(3) 「検脈指導」の重要性
Column(4) IoTを用いた不整脈検出
【第6章 心原性脳塞栓症を抗凝固薬で予防する】
Column(5) ヘパリンブリッジは有効か・有害か?
Column(6) 抗凝固薬服用下での出血への対応:中和薬の時代ヘ
【第7章 心原性脳塞栓症をRFM(リスク因子管理)で予防する】
【第8章 心房細動をカテーテルで治す:カテーテルアブレーション】
【第9章 心房細動に対するもう一つのカテーテル治療:左心耳閉鎖術 -WATCHMAN(TM)を中心に-】
【第10章 孤立性心房細動に対する新たな治療戦略:完全内視鏡下心臓外科手術(WOLF-OHTSUKA法)】
【第11章 脳梗塞に対する急性期再灌流療法】
【第12章 神経内科医が考える心原性脳塞栓症予防・治療の課題】
Column(7) 冠動脈疾患合併心房細動:抗凝固療法と抗血小板薬併用は最小限に!
【第13章 鼎談 心房細動患者を「脳梗塞」から守る実臨床のいま】
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書籍情報
- ISBN:9784840461849
- ページ数:240頁
- 書籍発行日:2017年8月
- 電子版発売日:2018年7月27日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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