精神科の薬-抗精神病薬・抗うつ薬・睡眠薬・抗認知症薬...-はや調べノート

  • 書籍発行日 : 2020年3月
  • 電子版発売日 : 2020年3月23日
3,960
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商品情報

内容

あらゆる医療場面で必要な向精神薬がわかる

精神科の病棟・外来はもちろん、救急をはじめ、ありとあらゆる診療科・在宅でも精神科の薬の知識は必要である。漢方製剤を含む119製剤を網羅し、同じ薬効でも患者に合うもの・合わないもの、医師がなぜその薬剤を選択したのかが理解でき看護に生かせる。

序文

序にかえて

『精神科の薬 はや調べノート』を手に取っていただき、ありがとうございます。⦆

医学の長い歴史からみると、精神疾患の治療の中心に薬物療法が置かれるようになったのはつい最近の20世紀後半以降のことです。時代の節目と精神科薬物療法に関係があるわけではありませんが、第二次世界大戦後から現在使われている薬のプロトタイプと言われる向精神薬がいくつか治療に使われるようになり、昭和の終わりから平成のはじめにかけては第二世代や新規と呼ばれる薬が出てきて急速に広まりました。そして、平成から令和にかけての昨今にはこれまでの系譜になかった新しい機序の薬が誕生し、本書の編集中にも次々と新しい薬が上市されました。このような精神科薬物療法の広まりによって、精神科医だけでなく、それ以外の医療関係者、例えば看護師、心理職、支援職、他診療科スタッフの方々も精神科薬に触れる機会が多くなりました。そこで本書では、添付文書に忠実な情報だけではなく、薬の仕組み、選び方、中止の仕方、せん妄や不眠等への適応外使用についても触れるなど、実用性を重視しました。精神科薬を処方したことのない人や患者さん自身にもわかりやすいものとなっています。

さて、多くの読者が気にされることが、「精神科の薬を内服中の人が運転・妊娠・授乳をしてもよいのか」ということではないかと想像します。この点では著者グループも表記に非常に悩みましたが、各薬とも運転・妊娠・授乳に際して〇△×で表示しています。本来は〇か×かをクリアーに示せることが望ましいですが、何の影響もないという意味での「完全な〇」や、絶対に禁忌という意味での「完全な×」に該当する薬はほとんどなく、大半の薬が「広い意味で△」に当たります。すなわち、「何らかの影響が出る可能性は否めないが報告例がなく断言できない。治療上の有益性と危険性を天秤にかけて総合的に判断してください」といったグレーゾーンの薬が大半です。また、同じような薬でも発売された時期や製薬会社によって、運転や妊娠・授乳への警告をどうするかということにばらつきがあり統一した基準で示せないのが実情です。歯切れが悪く申し訳ありませんが、実際に向精神薬を処方される先生におかれましては従来通りに添付文書、ガイドライン、文献報告等を確認しつつリスクとベネフィットを判断していただくことをお願いいたします。なお、本書では産婦人科の教室に協力をお願いして、「妊娠・授乳と服薬」についての解説の頁を設けましたので、ぜひご一読いただければと思います。

2020年1月

京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座精神医学助教
杉田 尚子

目次

はじめに

ざっくり解説! 妊娠・授乳と服薬

・精神科医が悩む「リスク、ベネフィットを考慮して使用する」ってどういうこと?

1 抗精神病薬

ざっくり解説! 抗精神病薬

ざっくり解説! 抗精神病薬の副作用

<第一世代抗精神病薬:フェノチアジン系>

(1)クロルプロマジン

(2)レボメプロマジン

(3)ペルフェナジン

(4)フルフェナジン

(5)プロクロルペラジン

(6)プロペリシアジン

<ブチロフェノン系>

(7)ハロペリドール

(8)ブロムペリドール

<ベンザミド系>

(9)スルピリド

(10)スルトプリド

(11)チアプリド

(12)ネモナプリド

<ジフェニルブチルピペリジン系>

(13)ピモジド

<イミノベンジル系>

(14)クロカプラミン

<チエピン系>

(15)ゾテピン

<第二世代抗精神病薬>

(16)リスペリドン

(17)パリペリドン

(18)ペロスピロン

(19)ブロナンセリン

(20)オランザピン

(21)クエチアピン

(22)アセナピン

(23)アリピプラゾール

(24)ブレクスピプラゾール

(25)クロザピン

ざっくり解説! 持効性抗精神病薬注射剤

(LAI)

<持効性抗精神病薬注射剤>

(26)ハロペリドール

(27)フルフェナジン

(28)リスペリドン

(29)パリペリドン

(30)アリピプラゾール

2 抗うつ薬

ざっくり解説! 三環系抗うつ薬

<三環系抗うつ薬>

(1)クロミプラミン

(2)アミトリプチリン

(3)ノルトリプチリン

(4)イミプラミン

(5)アモキサピン

(6)トリミプラミン

(7)ロフェプラミン

(8)ドスレピン

ざっくり解説! SSRI・SNRI

<SSRI>

(9)パロキセチン

(10)セルトラリン

(11)エスシタロプラム

(12)フルボキサミン

<SNRI>

(13)ミルナシプラン

(14)デュロキセチン

(15)ベンラファキシン

<NaSSA>

(16)ミルタザピン

ざっくり解説! 鎮静系抗うつ薬

(四環系抗うつ薬とその仲間)

<四環系抗うつ薬>

(17)ミアンセリン

(18)マプロチリン

(19)セチプチリン

<その他の抗うつ薬>

(20)トラゾドン

3 気分安定薬

(1)炭酸リチウム

(2)バルプロ酸

(3)カルバマゼピン

(4)ラモトリギン

4 精神刺激薬

(1)メチルフェニデート

(2)モダフィニル

(3)アトモキセチン

(4)グアンファシン

5 抗不安薬

ざっくり解説! ベンゾジアゼピン系睡眠薬の特徴

(1)クロチアゼパム

(2)エチゾラム

(3)フルタゾラム

(4)アルプラゾラム

(5)ロラゼパム

(6)ブロマゼパム

(7)ジアゼパム

(8)クロキサゾラム

(9)フルジアゼパム

(10)クロルジアゼポキシド

(11)メダゼパム

(12)ロフラゼプ酸

(13)タンドスピロン

6 睡眠薬

ざっくり解説! 睡眠薬の歴史100年

ざっくり解説! ベンゾジアゼピン系薬剤

<バルビツール酸系>

(1)ペントバルビタール

(2)アモバルビタール

<ベンゾジアゼピン系>

(3)トリアゾラム

(4)ブロチゾラム

(5)リルマザホン

(6)ロルメタゼパム

(7)フルニトラゼパム

(8)ニトラゼパム

(9)エスタゾラム

(10)クアゼパム

(11)フルラゼパム

(12)ハロキサゾラム

<Z-drug>

(13)ゾルピデム

(14)ゾピクロン

(15)エスゾピクロン

<メラトニン受容体作動薬>

(16)ラメルテオン

<オレキシン受容体拮抗薬>

(17)スボレキサント

<その他>

(18)ブロモバレリル尿素

(19)抱水クロラール

7 むずむず脚症候群、その他の睡眠関連障害治療薬

(1)クロナゼパム

(2)ガバペンチン エナカルビル

(3)ガバペンチン

(4)プレガバリン

(5)プラミペキソール

8 抗認知症薬

<アセチルコリンエステラーゼ阻害薬>

(1)ドネペジル

(2)ガランタミン

(3)リバスチグミン

<NMDA受容体拮抗薬>

(4)メマンチン

9 抗パーキンソン病薬

(1)ビペリデン

(2)トリヘキシフェニジル

(3)プロメタジン

10 漢方製剤

(1)抑肝散

(2)抑肝散加陳皮半夏

(3)酸棗仁湯

(4)加味帰脾湯

(5)六君子湯

(6)当帰芍薬散

(7)加味逍遙散

(8)桂枝茯苓丸

(9)女神散

(10)半夏厚朴湯

(11)柴朴湯

(12)苓桂朮甘湯

(13)柴胡加竜骨牡蠣湯

11 アルコール依存症治療補助薬

(1)シアナミド

(2)ジスルフィラム

(3)アカンプロサート

(4)ナルメフェン

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書籍情報

  • ISBN:9784840469302
  • ページ数:0頁
  • 書籍発行日:2020年3月
  • 電子版発売日:2020年3月23日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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