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- 機能性ディスペプシア -日本人に適した診療を求めて-
商品情報
内容
●古くて新しい疾患「機能性ディスペプシア: FD」。FDの定義・疫学から診断、病態、治療、トピックスまで、全17項目を本邦屈指の執筆陣が解説。
●日本人の実態に合った診療をどうすべきか。知識整理と正しい対応のために。
序文
はじめに -FDの概念
機能性ディスペプシア(functional dyspepsia: FD)は,改名するまではnon-ulcer dyspepsia(NUD)と呼ばれ,その名称は1952年のGastroenterology誌の論文タイトルとして登場する。FD に名称が変わってきたのにはいくつかの理由があるが,organic dyspepsia にうまく対応する名称であることから,1990 年初頭より,徐々に使われ出した。
実はFD はこのとき生まれた用語ではなく,1907 年の原著論文タイトルに出てくるほど古い用語である。では,日本でFD という用語に馴染みが薄いのはどうしてだろう。実は,日本ではもっと古くにこの疾患の記述がある。「物言わぬは腹ふくるるわざ」という徒然草の記述は鎌倉時代末期(1330-31年)で,言いたいことを言わずに我慢していると胃がもたれる,すなわちFD であり,ストレスが大きな原因であることまで示唆している。
実際,日本では「慢性胃炎」(本来は組織学的診断名であり,症状発現とは無関係)の病名のもとに事実上FD を治療してきた永い歴史があり,遅まきながら混乱期をやっと脱しつつある。このようなことから,WHO が公表している疾病の国際的な統計分類(ICD)で,日本語訳として「機能性ディスペプシア」が病名コード登録されたのもごく最近のことである。
欧米人と日本人では,胃酸分泌能をはじめ,胃の形態・機能に相違点が多い。日本人に適したFD 診療が求められるところである。図らずも「機能性ディスペプシア」の病名を適応症とする最初の治験が終了し,日本発信の新薬が臨床の現場に登場したところである。
このような時期に,実にタイムリーに,本邦初となるFD の単行本出版に関与する幸運に恵まれたことは至高の喜びである。この本が読者の診療・研究に大いに役立ち,患者さんに福音をもたらすことを願っている。最後になりましたが,このような機会をご紹介いただいた大阪市立大学名誉教授曽和融生先生に深謝いたします。また,企画から編集まで獅子奮迅の働きを見せてくれた富永和作准教授に敬意を表します。さらに,短い期間にもかかわらず熱筆を振るってくださった著者の先生方に厚く感謝いたします。
2014年9月
大阪市立大学大学院医学研究科 消化器内科学
教授 荒川 哲男
目次
Ⅰ FDの定義・疫学
1. FDの定義は? 日本における実臨床とRome Ⅲとの整合性は?
2. FDは日本で増加している? 今後の増加予測は?
3. FDの発症・増悪に季節性はあるか?
Ⅱ FDの診断
1. 日本人に適したFDの診断法は?
2. 内視鏡所見から、FD治療につながる病態を評価・推察できるか?
3. 心身症と考えるべきか? 診療での線引きは?
4. FDの鑑別診断
Ⅲ FDの病態
1. FDの病態は、環境因子? 遺伝性因子?
2. FDの病態は、ストレス? 胃酸? 消化管運動?
3. FDの病態は機能性疾患ですべて説明できるか? 粘膜炎症から考える
4. FDの病態は機能性疾患で解決されるのか? 腸管神経炎症・変性から考える
Ⅳ FDの治療
1. 病態・病型からみたFDの治療戦略は?
2. 日本のガイドラインからみたFDの一般的推奨治療とは?
Ⅴ トピックス、展望
1. H. pylori 感染性胃炎は、H. pylori 関連ディスペプシアか、それとも?
2. 各種疾患と腸内マイクロバイオーム
3. FDと生活習慣病関連因子
4. FDの分子構造:末梢性内臓知覚過敏と温度感受性TRPV1チャネル
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書籍情報
- ISBN:9784862701527
- ページ数:160頁
- 書籍発行日:2014年11月
- 電子版発売日:2019年8月16日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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