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- 選択的PPARαモジュレータ― SPPARMαへの期待
商品情報
内容
選択的PPARαモジュレータ―(SPPARMα)という新たな概念に基づいて創薬されたペマフィブラート。フィブラートを超えた新たなPPARαアゴニストとしての期待は大きい。
その開発の経緯,遺伝子発現解析,作用機序,適応疾患(高TG血症・低HDL-C血症)と使い方,スタチンとの併用療法,安全性(副作用,相互作用)など,新薬の特性を国内屈指の執筆者が詳解
わが国ではペマフィブラート市販後1年が経ち,長期処方も2019年6月に解禁された。この機会に本書を読み,SPPARMαの概念,有効性とフィブラート系薬との違いについての知識が深めましょう!
序文
序
1990年代後半にPPARαの構造や機能が解明され,フィブラート系薬の作用標的がPPARαの活性化であることが明らかになったが,PPARαへの選択性は低く,肝機能・腎機能検査の悪化等の好ましくない作用も有することが臨床上の問題であった。そのため,フィブラート系薬の大規模臨床試験では心血管イベントを有意に抑制することができず,フィブラート系薬自体の存在意義が問われてきた。かかる背景から,選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)の概念が提唱され,その概念に基づいて有効性と安全性のバランスに優れたペマフィブラートが開発され,世界初のSPPARMαとして2018年6月にパルモディア®錠が日本で上市された。
わが国で行われた臨床試験では,優れたTG低下作用,HDL-C上昇作用が確認された。また,ペマフィブラート投与後のHDLによるコレステロール引き抜き促進,食後高脂血症改善,FGF21増加,高感度CRP低下,フィブリノーゲン低下などの抗動脈硬化作用も確認された。安全性の面でもフィブラート系薬にみられた有害事象が少なく,スタチンとの併用時の相互作用も少なく,高い忍容性が確認された。さらに,腎排泄型が多い従来のフィブラート系薬に対し,ペマフィブラートは胆汁排泄型であり,腎機能低下例でも血中濃度が上昇せず,安全に使用できる可能性も立証されている。
ペマフィブラートは新たな治療選択肢として脂質異常症治療に貢献するのみならず,NAFLDやNASH,PBC,糖尿病性細小血管合併症などに対しても効果が期待される。また,ペマフィブラートを用いた大規模臨床試験であるPROMINENT試験が現在世界規模で進行中である。
本書では,ペマフィブラートの開発の経緯と薬物学的・臨床的な特徴を第一線の専門家の先生方にご執筆いただいた。わが国ではペマフィブラート市販後1年が経ち,長期処方も2019年6月に解禁された。この機会に本書を読んでいただき,読者にSPPARMαの概念,有効性とフィブラート系薬との違いについての知識が深まれば,編者として望外の喜びである。
2019年6月
山下 静也
目次
1 SPPARMαとは?
1)パルモディア®はいかに開発されたか:PPAR薬の革新への2つのイノベーション
2)遺伝子発現解析からみた有用性
3)作用メカニズム ―構造の特徴から作用特性まで
4)世界におけるSPPARMα開発の最先端
2 SPPARMαの臨床
1)高TG血症に対して(高レムナント血症,small dense LDLも含めて)
2)低HDL-C血症に対して
3)スタチンとの併用
4)動脈硬化性疾患予防におけるポジショニング
3 SPPARMαの安全性
1)副作用
2)薬物動態と薬物相互作用
4 SPPARMαの幅広い使い方
1)腎機能低下例
2)NASH
3)肥満・メタボリックシンドローム
4)2型糖尿病合併例
5)高齢者
5 SPPARMαのエビデンス
1)フィブラートのRCTの歴史
2)PROMINENTの意義・概要
6 トピックス
topic 1)冠動脈疾患発症における中性脂肪の関わり
topic 2)食後高中性脂肪血症管理の重要性
topic 3)遺伝子多型から考えるトリグリセライドリスク
topic 4)血管炎症におけるPPARαの関わり SPPARMαによる血管慢性炎症抑制のメカニズムと効果への期待
topic 5)褐色脂肪細胞およびベージュ脂肪細胞の分化・機能制御におけるPPARαの関わり
7 SPPARMαの展望 -まとめに代えて
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書籍情報
- ISBN:9784862701725
- ページ数:226頁
- 書籍発行日:2019年6月
- 電子版発売日:2019年7月3日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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