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- Mobile Bearingの実際―40年目を迎えるLCSを通して―
商品情報
内容
Mobile Bearingを備えた初の人工膝関節インプラントとして世界に登場してから実に40年。インプラントの特徴、手術手技、動態解析から長期臨床成績まで、現在でも使われ続けているLCSを通しMobile Bearingについて徹底的に解説!
序文
編集企画にあたって
LCS人工膝関節は,1977年に初めて臨床に使用されてから,今年で40年目を迎える.
Mobile Bearingは,可動性ベアリングを採用することにより,安定性と可動性という相反する2つの条件を同時に満たす人工関節となり,40年にわたる世界中の長期臨床成績により,そのデザインコンセプトの優秀性が証明された.我が国でも,1988年から使用され,畳での生活様式においても良好な臨床成績が報告されている.
筆者とLCSとの出会いは1995年.それまで固定型ベアリングを使用しており,もっと曲がる人工膝はないのかと思っていた時であった.最初の印象は,不安定な人工関節で,こんなものが本当に使えるのか?というものであった.ところが,欧米ではすでに15年以上も使われており,欧州ではベストセラーであると聞き,心が動いた.オランダのHamelynk医師の,臨床研修や手術テクニックを指導するラーニングセンターを見学し,非常に安定した長期成績が得られているとわかり,初めて導入する決心がついた.実際に使ってみると,固定型ベアリングで経験していた術後屈曲90°付近の壁がなく,120°くらいまでなめらかに屈曲できること.したがって術後リハビリがスムーズであり,理学療法士と患者からの評判がすごく良いことが印象的であった.
LCSのセールスポイントの1つが耐久性である.開発者Buechelが持参したビデオには,現役の消防士である患者が術後バーベルを挙げ,ボートをこぎ,消防士の服装でホースをかついで走っていた."術後は身体障害者となり,杖を離さず,静かな生活を送りなさい.農作業などはもってのほか"と指導してきた筆者はショックを受けたものである.しかし,現実に農業に従事する自分の術後患者のほとんどが,みかんやお茶など急斜面での農業を再開していると知り,以後必ず術後フォローを行うことを条件に農作業を認めることにした.最長21年以上,93%のフォローの結果,99%の生存率が得られたことは,LCSが農業に対して,十分な耐久性を持っていることを示している.
超高齢社会を迎え,団塊の世代が70歳を超え,人工関節適齢期となってきている.彼らは人工関節手術を受けても,趣味のスポーツや,トレッキング,登山などを続けたい世代であり,術後にもゴルフ,テニス,スキーなどを実際に続けている.農業従事者の経験からスポーツにも十分耐え得る人工関節であると考えている.
LCS人工膝関節は,"腕の差が出る人工膝"と言われてきた.その真意は,下手な手術をすれば,成績が悪いということである.この度,LCSに精通した15名の執筆者により,LCSのインプラントデザイン,手術手技,動態解析,臨床成績の4章にわたり詳述していただいた.本書が上梓されることとなり,人工膝を志す諸先生方の一助になれば望外の幸いである.
2017年4月
編集者を代表して
小堀 眞
目次
Ⅰ章 LCSのインプラントデザイン
LCSのデザイン特徴・デザイン変遷
特徴的なパテラグルーブ
インプラントデザインとpopliteus tendon損傷リスクの関係
Ⅱ章 LCSの手術手技
Original gap technique
Offset saw captureを使用したLCS-TKAの手術手技-Offset saw captureの工夫;私の手術手技のコツ-
Conservative cut technique
Spacer blockとtensioning deviceなどによる術中gap評価
Osteotomy gapとcomponent gap
Gap techniqueにおける大腿骨および脛骨の回旋位-Mobile Bearingの有用性-
Ⅲ章 LCSの動態解析
LCS APGの生体内動態解析
LCS RPの生体内動態解析
Mobile Bearing(LCS)のIn vivo動態解析
Ⅳ章 LCSの臨床成績
LCS多施設共同研究-SAMURAI Knee Study-
LCSセメントレスの臨床成績
膝蓋骨非置換LCS RPの長期臨床成績-可動域の推移および膝蓋骨の画像評価-
LCSの10年以上の長期臨床成績-労働・スポーツにも耐えられるか?-
LCSの10年以上の長期臨床成績-自験例による考察-
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書籍情報
- ISBN:9784865192223
- ページ数:124頁
- 書籍発行日:2017年5月
- 電子版発売日:2019年6月14日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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