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- 救急・集中治療(27巻7・8号)重症病態の栄養治療-最新の知識とその実践
商品情報
内容
日本重症患者の栄養管理ガイドライン作成委員でもある執筆者の皆様が、ガイドラインで書けなかった本音を書き下ろし!
執筆者の先生方の大胆な私見が満載。
experience and opinion basedの本音が詰まった本誌は、evidence-basedに書かれた日本重症患者の栄養管理ガイドと並べて読み比べていただくと、大変楽しい読み物に。
序文
侵襲下の栄養管理の研究は,1960年代の中心静脈栄養の発明により,主として周術期を対象に発展してきた.しかし,近年では,腹腔鏡手術などの低侵襲手術の発達,患者の高齢化などにより,周術期の栄養治療の目的は侵襲反応の制御から合併症の予防や術後のQOLの改善などに変遷しつつある.一方で,従来は生存不可能であった多発外傷や重症感染症,多臓器不全などの重症患者が生存できるようになり,栄養管理の成否が予後を左右する重要なファクターとなっている.さらに最近では,栄養投与法やある種の栄養剤が臓器障害や感染に関わる免疫能を制御し,予後をも左右することが証明されてきており,栄養投与は管理ではなく治療の1ツールととらえられている.そして,今世紀に入り,過去のエビデンスを評価して,それぞれの地域の事情を考慮した栄養治療ガイドラインが国内外で作成されている.
本特集でも,栄養投与を治療ととらえ,タイトルを「栄養治療」とし,まもなく発表される日本版重症患者の栄養管理ガイドライン初版(仮名,日本集中治療医学会,筆者は作成委員会委員長)で挙げられている項目から主要なテーマを採り上げ,それぞれの分野のエキスパートの先生方に執筆をお願いした.執筆の流れとして,最初にガイドラインで推奨されていることを,エビデンスを提示しながら概説していただき,次に,実際に臨床の現場でその推奨を行うにあたって生じる疑問や迷いとそれに対する執筆者の経験,自己データ,さらには私見を交えて解説していただいた.特に,エビデンスに基づいた推奨はガイドラインを参照すればわかるので,ガイドライン推奨を理解するための思考やそれを実践するための工夫,または実践できない理由(そんなこと言われてもできませんというような内容)など,執筆者の大胆な私見(いわゆる“ぶっちゃけトーク”)を,誤解を恐れずに書いていただくようお願いした.
集まった原稿を一気に読んでみたが,日本版重症患者の栄養管理ガイドライン作成委員である執筆者は,ガイドラインの中では書けなかった本音を(鬱憤を晴らすように)炸裂させてくれているし,委員でない執筆者は既存のガイドラインの推奨を蹴散らす勢いで自身の発想や経験に基づく考え方を情熱的に書き下ろしてくれた.良い企画,良い人選であったと大変(自己)満足している.experienceand opinion basedの本音が詰まった本誌は,evidence-basedに書かれた日本版重症患者の栄養管理ガイドラインと並べて読み比べていただくと,大変楽しい読み物になるのではないだろうか.また,今後の栄養治療の発展のための思考の整理になれば幸いである.
特集編集 小谷 穣治
兵庫医科大学 救急・災害医学講座 主任教授/救命救急センター センター長
目次
Ⅰ 栄養管理の基本
代謝・栄養状態の評価方法,栄養投与ルート,目標投与エネルギー量の設定
Ⅱ 経腸栄養の基本
経腸栄養の開始時期,至適投与量,不安定な循環動態での開始について
Ⅲ 経腸栄養の実際
栄養チューブの留置位置の選択と経十二指腸チューブの挿入法
経腸栄養投与量の増量方法(プロトコールの勧め)
経腸栄養のモニタリング
経腸栄養時の誤嚥の予防策
経腸栄養に関連する下痢と排便コントロール
Ⅳ 静脈栄養の実際
静脈栄養の適応と開始時期と投与量
末梢静脈投与ができる栄養剤
Ⅴ 栄養組成
蛋白投与量
ペプチド栄養剤
脂肪の種類と脂肪乳剤
免疫修飾栄養素:n-3系多価不飽和脂肪酸(魚油)
免疫修飾栄養素:グルタミン
免疫修飾栄養素:食物繊維(可溶性と不溶性)
Ⅵ 補足的治療
SDD&SOD
プロ・プレ・シンバイオティクス
Ⅶ 経腸栄養療法中の看護サイドから見た患者管理
経腸栄養療法中の看護サイドから見た患者管理
Ⅷ 病態別栄養治療
急性膵炎の栄養治療(軽症~重症含む)
急性肝不全の栄養治療
広範囲熱傷の栄養治療
救急・集中治療領域で遭遇するrefeeding syndromeの特徴
Ⅸ 小児の重症患者の栄養治療
小児の重症患者の栄養治療
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書籍情報
- ISBN:9784883785360
- ページ数:176頁
- 書籍発行日:2015年8月
- 電子版発売日:2015年9月25日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
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