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- 救急・集中治療(27巻9・10号)病態ごとの輸液管理-その常識は正しいか?
商品情報
内容
EBMのある輸液管理は極めて少ない現状の中、質の高い論文を紹介し、執筆者自身の考え方や日常臨床で行っている方法を具体的に記載。
研修医など若手医師からベテラン医師まで読みごたえがある内容に。
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序文
輸液管理は,重症患者を救命するための最も基本的な処置の一つです.輸液剤の選択,輸液量,投与速度は患者の病態に応じた生理学的な基本原理に基づいて行われるべきです.にもかかわらず,医学教育や臨床研修の現場では,輸液管理に関した教育や研修は少なく,多くの医師は不十分な知識のまま輸液管理を行っているのが実情です.言葉を変えれば,実際の臨床現場では輸液管理は個々の医師の好みに任されているといってもよいでしょう.このことが患者の経過や予後を左右しているのは怖いことです.
このように幅広い輸液管理が行われている背景には,重症患者の病態が極めて多様であること,個々の病態に応じた理想的な輸液剤が存在しないことが一因と考えられます.例えば,出血性ショック患者への輸液剤は,血管内容量を投与量に応じて予測どおりに増加させ,かつ維持し,輸液組成は細胞外液に近似し,組織蓄積性がなく,完全に代謝また排泄され,輸液剤による副作用がなく,費用は安価で,かつ患者の予後を改善するものが理想的です(Finfer SR et al:N Engl J Med 369:1243-1251, 2013).
しかし,繰返しになりますが,理想的な輸液剤は存在しません.一方,重症患者の病態は極めて多様です.ここに,「病態ごとの輸液管理─その常識は正しいか?─」を議論し,再考してみる価値があります.例えば,出血性ショック患者に,どの輸液剤を選択するべきか,晶質液かコロイド液か,どれぐらいの輸液速度で,どれくらいの輸液量を投与するべきか,いつ輸血を開始するべきか,など議論は尽きません.
本特集は,研修医などの若い先生から輸液管理が不得手な先生,ベテランの先生まで読みごたえがあるように企画しました.個々の重症患者の病態に応じて輸液管理が理解できるように適宜疑問点を挙げそれに答える形式としました.EBM(evidence-based medicine)のある輸液管理は極めて少ないのが現状です.質の高い論文を紹介するだけでなく,執筆者自身の考え方または日常臨床で行っている方法を具体的に記載して頂くようにお願いしました.私(編者)は,もう一つのEBM(experience-based medicine)も臨床の世界では極めて大切であると考えているからです.読者は,本特集を読むことで,輸液に関連した知識を再整理し,色々な考え方を知り,重症患者管理がさらに高度なものになると信じて疑いません.
特集編集 岡元 和文
前信州大学教授,丸子中央病院 特別顧問
目次
病態ごとの輸液管理-その常識は正しいか?
出血性ショックの輸液管理
敗血症ショックの輸液管理
アナフィラキシーショックの輸液管理
心原性ショックの輸液管理(PCPS下の輸液管理を含む)
Post-cardiac arrest syndrome(PCAS)の輸液管理(脳低温療法下を含む)
くも膜下出血,脳出血,脳梗塞の輸液管理(頭蓋内圧亢進病態を含む)
急性心筋梗塞の輸液管理(IABP下の輸液管理を含む)
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の輸液管理(ECMO下の輸液管理を含む)
腎不全の輸液管理
肝不全患者の輸液管理(劇症肝炎を含む)
Hyperglycemic crisisの輸液管理(ケトアシドーシスと非ケトン性昏睡)
イレウス/感染性腸炎/虚血性腸炎の輸液管理
重症急性膵炎の輸液管理
尿崩症(diabetes insipidus:DI)・抗利尿ホルモン分泌異常症(SIADH)の輸液管理
横紋筋融解症の輸液管理
多臓器不全の輸液管理
重症熱中症の輸液管理
頭部外傷の輸液管理(急性脳浮腫を含む)
重症外傷の輸液管理
急性中毒の輸液管理(強制利尿法を含む)
重症熱傷の輸液管理
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書籍情報
- ISBN:9784883785377
- ページ数:178頁
- 書籍発行日:2015年10月
- 電子版発売日:2015年12月4日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
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