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- 重症患者ケア(第5巻3号)重症外傷患者の管理−基本アルゴリズムと部位別外傷医療&ケア−
商品情報
内容
第I章からⅢ章までにわたり、初期治療がその後の集中治療にどう影響するのか、入院後に起こりうる事態は何かまでわかる内容である。
序文
特集編集にあたって
重症外傷患者の治療や看護に直接携わるのは,手術室を除けば,救命センターや救急外来,集中治療室という限られた部署の方となるでしょう.さらに,救急救命士の増員により,搬送前の状態で適切に病院選定がなされるようになった現在では,多数傷病者発生や特別な事情がない限り,重症者対応が不可能な施設に搬送されることも少ないと思われます.
重症外傷は,多量出血や頭蓋内圧亢進など一刻を争う病態を呈します.そのため,外傷特有の病態に合った病院前救護(JPTEC)や,プロトコル化された初期治療法(JATEC/JNTEC)が確立されており,「防ぎ得た外傷死」を減少させることが大きな目標とされています.
交通外傷に限りますが,警察庁のデータ*によりますと,国内の交通外傷死は1970 年をピークに,現在では当時の1/4 まで減少しています.しかし,それでも年間4,000 人以上の方が交通外傷で死亡されているのです.最近では,65 歳以上の高齢者の死亡が増加しており,この先高齢者がさらに増加するわが国としては,目をつむってはいられない現状といえるでしょう.
また特殊事例ではありますが,先日,ある施設内での多数の殺傷事件が発生しました.このように一度に多数の傷病者が発生した場合は,3 次救急施設だけでなく,2 次救急施設にも外傷患者の搬送選定がされますし,実際にこの事件でも搬送されておりました.
平常時は,設備やマンパワーの問題から,対象患者が適切にトリアージされているとはいえ,今後はどのような動きになるのかわかりません.また異常時には平常時と同じ対応ではいられないということも考えられます.ですので,3 次救急のみならず,2 次救急および救急外来を対応する看護師も,重症外傷の対応は頭に入れておくべき事項ともいえるでしょう.
本特集の特長は,重症外傷に特化した看護系の書籍が少ないことから,これから学ぼうという方にも,改めて学習し直そうという方にもお読みいただけるよう内容を吟味いたしました.
第Ⅰ章では,基本的なアルゴリズムや救急隊との連携,そして第Ⅱ章では,部位別の障害の特徴というスタンダードな項立てとしています.また,Ⅱ章・Ⅲ章では,初期治療にとどまらず,このような初期治療がその後の集中治療にどう影響するのか,入院後に起こりうる事態は何かということも含めて執筆していただきました.
重症外傷は,他の疾患に比べ経験する機会は少ないかもしれません.しかし,標準アルゴリズムのコース(JNTEC)もありますので,ぜひBLS と同様に受講することをお勧めいたします.皆様の臨床看護実践で,お役に立てれば幸いです.
聖マリアンナ医科大学病院看護部(師長)
藤野 智子
目次
Ⅰ.外傷医療の変遷とアルゴリズム
●外傷の医療と社会の変遷
~背景を知り,未来へつなげるために~
●プレホスピタルとの連携
~重症外傷患者の病院搬送~
●プレホスピタルケア(JPTEC)
~知っておこう!病院前救護の外傷対応とは?~
●外傷医療アルゴリズム(JATEC)
~助けられる命を大切に~
●外傷看護アルゴリズム(JNTEC)
~外傷初期看護のいろは~
Ⅱ.部位別外傷医療とケア
●胸部外傷(呼吸器系)
~病態に応じた気道・呼吸管理に力を注げ!!~
●胸部外傷(心・血管系)
~診断・治療の方法を知ってチーム医療に役立てよう!~
●頭部外傷
~初期診療から集中治療までの戦略~
●腹部外傷
~怖いのは大量出血と穿孔です~
●脊髄・脊椎損傷
~まずは体位管理!そして呼吸と循環の異常に対応するためのポイント~
●四肢外傷(断裂含む)
~正しい知識とケアで四肢外傷における合併症を予防しよう!~
●熱傷・電撃症
~熱傷・電撃症の初期対応を知ることは,集中治療にも大いに役立ちます~
●感覚器外傷(眼・耳・鼻)
~感覚器外傷は,生活の危機に直結する外傷~
Ⅲ.外傷患者の社会支援
●外傷患者特有のメンタルケア
~身体状況と並行した早期からの介入がポイントです~
●障害者支援体制
~社会復帰を目指した支援体制!はじまりは受傷直後から~
●索引
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書籍情報
- ISBN:9784883789153
- ページ数:168頁
- 書籍発行日:2016年9月
- 電子版発売日:2016年12月2日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
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