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- 重症患者ケア(第5巻4号)多臓器障害 -疾患別に理解する病態と看護-
商品情報
内容
序文
特集編集にあたって
多臓器障害は,「重症感染症,外傷,侵襲の大きな手術,大量出血,ショック,心不全,播種性血管内凝固症候群(DIC),悪性腫瘍などを原因とすることが多い,制御困難な重要臓器をはじめとする器官・系の同時,または連続的に機能障害・不全に陥った状態」です.臨床のテーブルにおいては,重症感染症が引き金となることがもっとも多いとされています.
感染が契機となった場合には,全身性の炎症反応に対する生体の過剰な防御反応による破壊的現象がさまざまなところで起こります.それ以外で多いのがショックの遷延による低循環性の末梢循環障害・不全からなる組織の循環障害と組織内低酸素症でしょうか.
ずれにしても,これらの病態は単独的な因子,あるいは複合的因子であろうが,きわめて多くの物質が複雑に絡み合っていることは間違いありせん.そして,ひとたび多臓器障害に陥ると,その予後はおおむね不良であることも周知の事実です.
では,このとても厄介な多臓器障害にはどのように立ち向かっていけばよいのでしょうか.金科玉条のごとく使用できる特効薬はまだありませんが,まずは多臓器障害とは一度発症してしまうと生存率が著しく低いことを常に念頭におき,日ごろから多臓器障害にならないように予防することが最大の対応策であることはいうまでもありません.しかし,不幸にも多臓器障害に導かれてしまったら,どのように対処すべきでしょうか.
そこで,今回の特集は,いまだハードルのレベルがもっとも高い「多臓器障害」を取り上げました.特集のおもな構成は,これまで,研究知と臨床知を積み重ねながら整理整頓されてきた「多臓器障害の特性」を理解し,臨床実践につなげていこうではないかという内容にまとめてみました.具体的には,原因,診断,基本的病態を押さえながら,急性呼吸不全,急性肝不全,急性腎不全,ショック,敗血症,DIC などと多臓器障害との関係,さらには外傷,循環器外科,消化器外科,加えてせん妄との結びつきがどのようになっているのかを解説.それらに対する治療・管理のベストプラクティスの例を示したうえで,看護はどう展開すべきかを提示しました.
執筆陣は,読者の方々のちからになるべく最新の知識と方法を教示するよう,日々奮闘している第一線の専門家の方々にお願いしました.
クリティカルな患者を少しでも多臓器障害に陥らせぬよう,また,多臓器障害から守り,救うことができたらと切に願います.
杏林大学医学部付属病院 看護部 部長
道又 元裕
目次
Ⅰ.疾病と多臓器障害(原因,診断,病態を中心に)
●急性呼吸不全と多臓器不全(ARDSを中心に)
〜多臓器不全を回避するために,人工呼吸器起因性肺傷害(VILI)を防ぎましょう!〜
●急性肝不全と多臓器障害
〜劇症化や多臓器不全へ至る肝障害を見逃さないエキスパートナースをめざそう!〜
●急性腎不全と多臓器障害
〜AKIは腎のみの問題にあらず〜
●急性心不全と多臓器不全
〜高齢化社会において心不全の多臓器連関はもっとも重要な課題です〜
●外傷と多臓器障害
〜外傷後の多臓器障害に至る病態を理解し,トータルケアで多臓器障害を防ごう〜
●ショックと多臓器障害
〜「ショック=血圧低下」ではありません!〜
●敗血症と多臓器障害
〜簡単な指標で生命を脅かす臓器障害を早期発見しよう〜
●DICと多臓器障害
〜これで納得!DIC〜
●心臓外科術後における多臓器障害
〜人工心肺の影響も〜
●消化器外科術後における多臓器障害
〜周術期の侵襲を理解する〜
●せん妄と多臓器障害
〜看護師の果たす役割が要;知っておきたい今わかっていること〜
Ⅱ.事例で学ぶ看護ケアの実際
●多臓器障害患者の看護ケア(事例:敗血症編)
〜症例から看護ケアを振り返る〜
●多臓器障害患者の看護ケア(事例:循環器術後編)
〜多臓器障害の回復には循環動態の安定が重要ってホント!?〜
●多臓器障害患者の看護ケア(事例:消化器術後編)
〜これ以上患者の予後を悪化させないために〜
Ⅲ.治療と管理のプラクティス
●多臓器障害の全身管理のプラクティス
〜多臓器障害の評価とサポート〜
●多臓器不全と人工呼吸器のプラクティス
〜多臓器不全患者の人工呼吸器設定はどうしたらいいの?〜
●多臓器障害と循環管理のプラクティス
〜早期に察知,迅速な介入,そしてトータルな視点での管理を〜
●多臓器障害と抗菌療法のプラクティス
〜感染症から全臓器を救え〜
●多臓器障害と体液管理のプラクティス
〜フェイズを考慮した体液管理とは?〜
●多臓器障害と代謝・栄養管理のプラクティス
〜栄養療法 6つの神器〜
●多臓器障害と血液浄化療法のプラクティス
〜併用による効率化〜
●索引
●総目次
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書籍情報
- ISBN:9784883789160
- ページ数:176頁
- 書籍発行日:2016年12月
- 電子版発売日:2017年3月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
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