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- 重症患者ケア(第6巻4号)輸液管理を極める-精密な知識と実践的スキルをめざして!-
商品情報
内容
観察とモニタリング・呼吸・循環・腎機能・体液バランスなどのアセスメント、輸液にかかわるスキルなど…輸液療法を実践するとき、看護師に多く求められるいくつもの項目を極めるにあたり必要な知識が詰まった一冊です!
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序文
特集編集にあたって
看護と輸液の関係は,分野によって多少の差異はあっても,臨床の場ではとても身近なものとして取り扱われているに違いありません.その歴史を紐解くと,昔々の起源は省略し,1832年にイギリスのThomas Aichison Latta(トーマス・A・ラッタ)が塩化ナトリウム0.5%と炭酸水素ナトリウム0.2%を含む製剤をコレラの治療に投与したのが電解質輸液の始まりとされています.しかし,脱水と電解質異常は改善されても,敗血症で不幸な転帰をたどる患者も数多くいました.その後,時は流れて半世紀後の1883年にSydney Ringer(シドニー・リンガー)が塩化ナトリウムのほかに,カルシウムやカリウムを配合したリンゲル液を開発し,これが輸液の代名詞にもなったくらい輸液の歴史に大きな変革を起こしました.そして,それからまた半世紀後(1932年)には,Alexis Frank Hartmann(アレクシス・ハルトマン)がリンガーが創ったリンゲル液に乳酸ナトリウムを加えた乳酸リンゲル液を開発しました.この乳酸リンゲル液は,侵襲時の体液補給やアシドーシス補正なども可能であるため,急性期の不可欠な基礎的輸液製剤として現在もなお汎用されています.
わが国には,わが国だけにしかない独自な輸液の種類分類があります.それは,1号液(開始液),2号液(脱水補給液),3号液(維持液),4号液(術後回復液)の呼称です.生理食塩液や乳酸リンゲル液のような細胞外液を補充する基礎的輸液製剤は,表示がないけれど,この場合には「ゼロ号輸液」ということになります.
一方,輸液製剤は,栄養補給のための輸液としても発展し,三大栄養素の適正組成をめぐる研究成果に基づいた製剤が次々に開発され,完全静脈栄養(TPN)が発展してきました.
このような輸液療法を実践するとき,看護師は実に多くの観察とモニタリング,呼吸・循環・腎機能・体液バランスなどのアセスメント,輸液管理にかかわるスキルが求められます.また,そのプロセスにおいては,いつもピットフォールへ陥るリスクが付きまとっていますので,周到な安全管理も必要です.それが,クリティカルな患者の場合には,より複雑化し,微細性が求められるため,一層の精密・濃密化による輸液管理の実践が提供されなければなりません.
今回,そのクリティカルな患者に対する輸液について改めて専門的な知識を整理整頓すべき時期が来ていると感じ,本号を企画しました.
本号の内容は,「酸塩基異常と輸液の基本的知識から,周術期における輸液管理の趨勢」を総論として,また,「高カロリー輸液,心臓大血管術後,熱傷,血液浄化療法,出血性ショック,ACS,心不全,急性肝不全,急性腎不全,敗血症ショック,ARDS,頭蓋内圧調整,熱中症」おのおのの輸液管理とケアを各論として詳細に解説しました.加えて,輸液管理におけるモニタリングと評価,輸液ポンプ,シリンジポンプの交換方法,輸血療法とケア,輸液管理のピットフォール,さらには,興味深いコラムとして輸液と配合変化,膠質輸液の是非(アルブミン含む),脂肪製剤投与時の注意点を取り上げました.
読者の皆様には,本号を何度でも繰り返し読んで,楽しんで学んで頂きたいと思います.
目次
Ⅰ総論
輸液管理の基礎知識
~「どこに,何が,どれだけ」を考えながらモニタリングしよう~
酸塩基異常と輸液
~代謝性の酸塩基異常に輸液をするときのポイント!~
周手術期の輸液管理
~適切な輸液の指標にしたがった輸液管理~
Ⅱ各論
高カロリー輸液時の看護ケアのポイント
~高カロリー輸液 適切かつ安全な管理ができていますか?~
心臓大血管術後の輸液管理とケア
~術前の心機能や左心室の容積がポイント!!目指せ「ちょうどいい感じ」の輸液管理~
熱傷輸液療法
~熱傷の輸液はこう考える!~
血液浄化療法時における輸液管理とケア
~失くした分をしっかり把握,しっかり補充~
出血性ショックにおける輸液管理とケア
~出血性ショックは初期輸液が勝負!!~
ACSにおける輸液管理とケア
~1分1秒たりとも無駄にはできません~
心不全における輸液管理とケア
~医師から出る指示の根拠を知り,治療に合わせた看護ケアを考えよう~
急性肝不全における輸液管理とケア
~肝臓の代謝動態を理解しケアを実践しよう~
急性腎不全における輸液管理とケア
~AKIに早期に対応し,病態の悪化予防につなげよう~
敗血症ショックにおける輸液管理とケア
~病態から管理をシンプルにする~
ARDSにおける輸液管理とケア
~輸液管理の実際と評価~
頭蓋内圧調整における輸液管理とケア
~3つの要素で考える頭蓋内圧管理~
熱中症における輸液管理とケア
~大切なケアは冷却!~
輸液管理におけるモニタリングと評価
~輸液管理では,モニタ機器によるパラメータとフィジカルアセスメントを統合して評価しよう!~
輸液ポンプ,シリンジポンプの交換方法
~薬液流量・濃度変化の理由を知っておけば,交換時のバイタルサイン変化に慌てない~
輸血療法とケア
~輸血管理はこれさえ知っておけば安心~
輸液管理のピットフォール(インシデント)
~基本を振り返りリスクを最小限に~
Ⅲトピックス
輸液と配合変化
~混ぜるな危険!?知っておきたい薬の知識~
膠質輸液の是非(アルブミン含む)
~知っておきたい!膠質輸液の落とし穴!~
脂肪乳剤投与時の注意点
~乳白色の薬剤を投与するときに思い出してほしいこと~
索引
総目次
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書籍情報
- ISBN:9784883789207
- ページ数:240頁
- 書籍発行日:2018年1月
- 電子版発売日:2018年3月2日
- 判:B5変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
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