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- プライム脳神経外科 3 脳・脊髄動静脈奇形と頭蓋内・脊髄硬膜動静脈瘻
商品情報
内容
シリーズ第3巻は、脳・脊髄動静脈奇形と頭蓋内・脊髄硬膜動静脈瘻をひとまとめ! 治療に必要な戦略・アプローチ・手術手技を実際の臨床の場でイメージできるような、実践的な手順をエキスパートが解説しました。
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序文
第3巻の序
脳神経外科の最高の手術書を目指して企画された『プライム脳神経外科』シリーズの第3巻「脳・脊髄動静脈奇形と頭蓋内・脊髄硬膜動静脈瘻」を編集させていただきました.第1巻「脳動脈瘤」,第2巻「脳虚血」に引き続いて,第3巻は"脳・脊髄動静脈奇形および頭蓋内・脊髄硬膜動静脈瘻"の治療に必要な戦略・アプローチ・手術手技を実際の臨床の場でイメージできるような実践的な手順書を目指して,この分野の第一線で活躍されているエキスパートの先生方にお願して,ご自身の経験と知識および実践で役立つ技術を伝えていただきました.
まず,第Ⅰ章は「脳・脊髄動静脈奇形と頭蓋内・脊髄硬膜動静脈瘻の臨床病態と診断」.成因から自然歴,臨床病態,診断,分類と画像診断まで,この疾患の概略を理解するのに役立ちます.第Ⅱ章は「その他の血管奇形の臨床病態および診断と治療方針」として,血管性腫瘍,血管奇形,海綿状血管腫,developmental venous anomaly を取り上げました.第Ⅲ章は「脳動静脈奇形の治療」です.外科治療・血管内治療・定位放射線治療に分けて最新の治療法を紹介していただきました.読者の皆様にはこの3 つの武器の特性・効果・限界を理解していただき,multimodality treatmentでは治療法をどのように組み合わせていくかを考えて治療にあたっていただきたいと思います.第Ⅳ章は「頭蓋内硬膜動静脈瘻の治療」です.硬膜動静脈瘻は,流出静脈路の形態をもとにした分類がいくつか提唱されています.治療としては,主に血管内治療と定位放射線治療が紹介されています.その後,部位別の頭蓋内硬膜動静脈瘻についてわかりやすくまとめていただきました.第Ⅴ章は「脊髄動静脈シャントに対する治療」.特殊な疾患ですが,治療の実際やポイントが記載されています.最後に,第Ⅵ章は「各部位の脳動静脈奇形/ 硬膜動静脈瘻や特殊な病態の治療」.個別に論じたほうがよいと考えた特殊な疾患の治療の実際が紹介されています.
本書の特徴は,別々にまとめられていることが多かった脳・脊髄動静脈奇形と頭蓋内・脊髄硬膜動静脈瘻を"動静脈シャント疾患"として一つにまとめたことです.脳・脊髄の動静脈シャント疾患のほぼすべてを網羅しており,ここまでまとまった成書としては類を見ないと思っています.
最後になりましたが,ご多忙にもかかわらず御執筆いただきました著者の先生方に篤く御礼申し上げます.また,作業の遅い我々を見捨てずに本書の編集を最後までご担当いただきました三輪書店の久瀬幸代様に心から感謝申し上げます.表紙に大きく描かれているフクロウ(知性や賢者の象徴)のように,本書が日常診療において「脳・脊髄動静脈奇形と頭蓋内・脊髄硬膜動静脈瘻」の病態の理解や治療に役立つことを願っています.
2019年5月吉日
奈良県立医科大学 脳神経外科
教授 中瀬 裕之
目次
第Ⅰ章 脳・脊髄動静脈奇形と頭蓋内・脊髄硬膜動静脈瘻の臨床病態と診断
1.脳動静脈奇形の臨床病態
成因と発育 / 分子生物学 / 疫学 / 自然歴 / 分類 / 臨床病態
2.脳動静脈奇形の診断
診断概要 / 各種画像検査 / 治療のための臨床分類
3.頭蓋内硬膜動静脈瘻の臨床病態
成因 / 疫学 / 自然歴 / 臨床病態 / 循環動態
4.頭蓋内硬膜動静脈瘻の分類と診断
硬膜動静脈瘻の分類 / 発症形式による分類―発症形式が軽症 (無症状もしくは耳鳴など) か重症 (頭蓋内出血もしくは中枢神経症状) か ? / 硬膜動静脈瘻の重症化に関連する因子の重みづけ―症状と静脈還流形態, どちらがより重症化に関与しているか ?
5.脊髄動静脈シャントの分類と臨床病態
脊髄硬膜動静脈瘻 (dural AVF) / 脊髄硬膜外動静脈瘻 (epidural AVF) / 脊髄辺縁部動静脈瘻 (perimedullary AVF) / 髄内動静脈奇形 (intramedullary AVM)
6.脊髄動静脈シャントの画像診断
MRI / 造影MRA / 静注多列CT / 動注多列CT / 血管造影 / 3Dコンピュータ画像
第Ⅱ章 その他の血管奇形の臨床病態および診断と治療方針
1.血管性腫瘍と血管奇形
血管性腫瘍・血管奇形のInternational Society for the Study of Vascular Anomalies (ISSVA) 分類とそのコンセプト / 脳神経外科領域に関連深い血管奇形
2.海綿状血管腫
病理学的所見 / 症状 / 海綿状血管腫からの出血 / 家族性と遺伝 / 画像診断 / 治療 / 治療成績 / その他
3.Developmental venous anomaly
病因 / 構造の特徴 / 病理 / 臨床病態 / 画像 / 合併する病態 / DVA with early venous filling / まとめ
第Ⅲ章 脳動静脈奇形の治療
(1)外科治療
1.脳動静脈奇形の外科治療 : Spetzler―Martin (S―M) gradeⅠ―Ⅱ
適応 / ポイント / 方法
2.脳動静脈奇形の外科治療 : Spetzler―Martin (S―M) grade Ⅲ―Ⅳ
手術戦略・手術支援 / 手術手技 / 術後管理
3.脳動静脈奇形の外科治療の工夫
術前塞栓術 / 手術手技と工夫
4.Eloquent領域の脳動静脈奇形の外科治療
Eloquent領域 / ポイント / 方法
症例1 : 感覚路近傍の破裂動静脈奇形
症例2 : 視覚野の破裂動静脈奇形
5.非表在性脳動静脈奇形に対する外科治療
手術適応 / 画像所見 / 治療法の選択 / 手術手技 / 術後成績
(2)血管内治療
1.脳動静脈奇形の血管内治療のコツとポイント
治療戦略の決定 / セッティング / OnyxTM注入手技の実際 /
2.脳動静脈奇形の血管内治療 : 特に塞栓物質について
液体塞栓物質の種類 / 各塞栓物質の特性の違い / 使用法 / 使い分け
(3)定位放射線治療
1.脳動静脈奇形に対する定位放射線治療の実際とコツ
適応 / ポイント / 方法 / 照射 / フレーム除去 / 照射後の観察
2.治療困難な脳動静脈奇形に対する定位放射線治療
治療困難な脳動静脈奇形とは / 大きな動静脈奇形に対する適応 / 大きな動静脈奇形の治療 / 塞栓術との併用について / 分割照射について
第Ⅳ章 頭蓋内硬膜動静脈瘻の治療
(1)治療法
1.頭蓋内硬膜動静脈瘻の治療方針
治療を決める前に確認すべき項目 / 治療適応を見極める / 治療方法を決める / 血管内治療 / 開頭術
2.頭蓋内硬膜動静脈瘻の血管内治療のコツ : 経静脈的塞栓術 (TVE)
画像診断 / 経静脈的塞栓術の適応 / 経静脈的塞栓術の方法 / 合併症 / 症例提示
3.頭蓋内硬膜動静脈瘻の血管内治療のコツ : 経動脈的塞栓術 (TAE)
適応 / ポイント / 塞栓方法
4.頭蓋内硬膜動静脈瘻に対する定位放射線治療 (ガンマナイフ)
適応 / 治療の実際 / 治療成績
5.頭蓋内硬膜動静脈瘻に対する定位放射線治療 (サイバーナイフ) : 治療成績と合併症を中心に
適応 / 方法 / 治療計画作成時の注意点 / 治療効果 / 合併症
(2)部位別頭蓋内硬膜動静脈瘻の治療
1.横・S状静脈洞部
適応 / ポイント / 方法
2.上矢状静脈洞部
総論 / 治療の実際 / 液体塞栓物質による経動脈的塞栓術 / 固体塞栓物質による経動脈的塞栓術 / 経静脈的塞栓術
3.海綿静脈洞部
分類 / 適応 / 治療方法 / 経静脈的塞栓術の実際
4.テント部
テント部硬膜動静脈瘻の特徴 / Tentorial sinusの分類 / テント部硬膜動静脈瘻の分類 / テント部硬膜動静脈瘻の治療適応と方法 / 経動脈的塞栓術症例 / 経静脈的塞栓術症例 / 外科的シャント離断術例
5.前頭蓋底部
疫学-わが国における悉皆調査 / 自然歴 / 診断 / 治療の適応と選択 / 外科的治療 / 術後評価
6.頭蓋頚椎移行部
ポイント / 頭蓋頚椎移行部の正常血管解剖 / 頭蓋頚椎移行部硬膜動静脈瘻の特徴 / 症状 / 診断 / 治療 / 術後管理
第Ⅴ章 脊髄動静脈シャントに対する治療
1.髄内型脊髄動静脈奇形の治療
治療総論 / 治療各論 / 外科的治療 / 定位放射線治療
2.脊髄辺縁部動静脈瘻の治療
直達手術の適応 / 直達手術のポイント / 術中画像 / 神経モニタリング / 脊髄硬膜内操作のポイント / 術後管理で注意すべきこと / まとめ
3.硬膜動静脈瘻の外科治療
適応 / ポイント / 術前評価および計画 / 手術について / 考えられる合併症
4.脊髄硬膜外動静脈瘻の治療
背景 / 定義 / 発症形式 / 疫学 / 要因 / 鑑別診断 / 治療 / まとめ
5.脊髄動静脈シャント (脊髄動静脈奇形 / 動静脈瘻) に対する血管内治療
脊髄動静脈シャント疾患の分類 / 硬膜動静脈瘻 (dural AVF) / 硬膜外動静脈瘻 (epidural AVF) / 辺縁部脊髄動静脈瘻 (perimedullary AVF) / 髄内動静脈奇形 (intramedullary AVM)
第Ⅵ章 各部位の脳動静脈奇形/硬膜動静脈瘻や特殊な病態の治療
1.大脳半球間裂動静脈奇形の手術
頻度 / 局在部位による分類 / 手術方法 / 術後成績
2.小脳動静脈奇形の手術
適応 / 方法 / 限界
3.脳室近傍部動静脈奇形の手術
手術適応 / 術前塞栓術 / 円筒脳べら / 皮膚切開・開頭 / 術中支援装置 / Nidus摘出 / 円筒脳べらの適応の限界
4.脳幹部海綿状血管腫の手術
アプローチの選択 / Occipital transtentorial approach / Trans―4th ventricle approach / Anterior petrosal approach
5.小児脳動静脈奇形 / 硬膜動静脈瘻に対する血管内治療
臨床症状 / 治療適応 / 血管内治療 / Galen大静脈瘤 / DSM with AV shunt / IDAVS / Adult type of DAVS / 脳動静脈奇形・動静脈瘻
6.小児脳動静脈奇形 / 硬膜動静脈瘻に対する定位放射線治療
適応 / ポイント / 治療の実際・治療動線とシステム / 治療計画 (ガンマナイフ) / 治療成績 / 副作用・限界
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書籍情報
- ISBN:9784895905893
- ページ数:300頁
- 書籍発行日:2019年5月
- 電子版発売日:2019年6月26日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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