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- リハビリテーション効果を最大限に引き出すコツ 第3版
商品情報
内容
4刷りを重ねた好評本の第3版。大きな改訂点としては、読者に関心が高い応用行動分析を用いた事例集の章を大幅に差し替え、現場で遭遇することの多い重度片麻痺症例や高次脳機能障害における効果事例、さらに難渋することの多い重度認知症例を多く掲載している。 また応用行動分析学をリハに取り入れるうえで欠かせない筋力や関節可動域、バランス能力等の基準値や筋肉トレーニングの効果についてのデータ等、最新の研究報告を追加した。筆者らが積み上げてきた応用行動分析学を応用したリハビリ効果事例を、明日からの現場にぜひ役立ててほしい。
序文
第3版 はじめに
やっと第3版を発刊することができました.これも読者の皆様のご支援のおかげです.
リハコツ第2版は,2012年に発刊されましたが,リハビリテーションを取り巻く社会情勢は年々厳しさを増すばかりです.「JPTA NEWS 8月号(2013)」の中での,日本理学療法士協会の半田一登会長の発言を紹介します.
「厚労省のお役人から『なんちゃってリハビリ』という言葉が出てきた.揉んで終りの理学療法,ただ患者に付いていくだけの理学療法を指している.これはリハビリテーション医療に対する不信感の表れである」という主旨でした.
そして,2016年度診療報酬改定では,回復期リハビリテーションに成果主義が導入されました.入院中のactivities of daily living(以下,ADL)得点の改善率が一定の値(実績指数27)を下回ると,治療点数は入院基本料に包括されるというのです.つまり,リハビリテーションを行っても点数が取れません.
このような状況の中,ある学会ではADL得点が伸びやすい症例をいかにして抽出するかが重要だという発表がありました.ある施設では,ADL得点が伸びた対象者は長く入院させるが,ADL得点が伸びない重症患者は早期に退院・転院させているといいます(短い入院期間でADL得点が伸びると改善率は大きくなる.逆に,同じADL得点の改善幅でも入院期間が長くなると改善率は低く算出される)
なぜ,セラピストは,重症患者のADLを改善させるための動作訓練を創出しないのでしょう.ちなみに,2018年度診療報酬改定では,より厳しい基準(実績指数37)が設けられました.
答えは簡単です.セラピストが有効なADL訓練の方法を知らないからです.でも大丈夫.私たちは,この間に応用行動分析学を基本とした事例研究を積み重ねてきました.そして最強の動作訓練を編み出しました.応用行動分析学はADL訓練を変えたのです.この本を読んで,「なんちゃってリハビリ」からは卒業です.重度の麻痺や認知症,高次脳機能障害があっても大丈夫.患者の予後を変えられる特別なセラピストに変身しましょう.
2019年5月吉日
山﨑 裕司
目次
第Ⅰ章 なぜ、運動療法・ADL訓練に行動分析が必要なのか
1 実践してもらえない運動療法
2 ADL訓練の現状
3 行動分析学の導入
第Ⅱ章 応用行動分析
1 応用行動分析の特徴
1.応用行動分析とは
2.うまくいかない事例、うまくいく事例―勉強が苦手な子どもの例―
2 応用行動分析の基礎
1.ABC分析―個人と環境との相互作用を把握する―
2.行動の法則性を学ぶ
3 行動に働きかける
1.行動に焦点を絞る
2.先行刺激の整備―見通しが持て、安心できる環境作り―
3.後続刺激の整備―意欲がわき、自立に向かう環境作り―
4.セルフ・マネジメント行動
5.感情的反応への対応
6.不適切な行動への対応―適切な行動が増えると不適切な行動が減る―
4 まとめ
第Ⅲ章 理学療法、作業療法現場における応用行動分析の活用
1 うまくいかない場合の原因分析
1.先行刺激の問題
2.技術の問題
3.後続刺激の問題
4.身体機能の問題か、行動の問題か
5.行動問題の分析
2 運動療法の効果を最大限に引き出す方法
1.運動療法場面の行動分析
2.運動療法への介入
3.介入の効果
4.まとめ
3 ADL訓練の効果を最大限に引き出す方法
1.ADL訓練場面の行動分析
2.ADL訓練の原則
3.ADL訓練への介入
4.介入の効果
5.まとめ
第Ⅳ章 事例集
行動レパートリーがある場合
症例1 : 長期にわたる歩行量と痛みの自己管理により屋外歩行まで可能となった事例
症例2 : 下肢筋力トレーニングの導入が困難であった虚弱高齢者に対する介入
症例3 : 間食行動に対する介入
症例4 : 起立性低血圧例に対する座位時間の延長
症例5 : 不安によって人工呼吸器からの離脱や離床が困難になった症例
症例6 : 拒否的な片麻痺患者に対する起立歩行訓練の導入
―喫煙を強化刺激とした介入―
症例7 : 拒否と暴力が著明な認知症患者に対する介入
―アイスクリームを強化刺激として―
症例8 : 理学療法拒否がみられた失語・失行を有する片麻痺者に対する介入
―入浴を強化刺激として―
症例9 : 拒否と暴力が著明な認知症患者に対する介入
―ノンアルコールビールを強化刺激として―行動レパートリーがない場合
症例1 : 着衣動作が困難であった症例に対する介入
症例2 : 着座動作中の重心位置に対する介入
症例3 : 失語症・片麻痺者の非利き手による箸操作への介入
症例4 : 着衣動作時の座位保持が困難であった症例に対する介入
症例5 : 認知症患者に対する移乗動作訓練
症例6 : 認知症患者に対するトイレ誘導時のナースコール指導
症例7 : 重症片麻痺者に対する寝返り・起き上がり練習
症例8 : 重症片麻痺者に対する移乗動作練習
症例9 : 重症片麻痺者に対する座位保持訓練
症例10 : 転倒を繰り返す対象者に対する移乗動作訓練
症例11 : 全失語により指示理解不可能な対象者に対するトイレ動作練習
―時間遅延法を併用した行動連鎖化による介入―
症例12 : 進行性核上性麻痺者に対する起き上がり訓練
症例13 : Pusher症状を伴った重症片麻痺者に対する立位・歩行練習
第Ⅴ章 今後の展望
1 強化の理論を支持する事実
1.神経生理学的背景
2.脳血管障害片麻痺者に対する歩行訓練の検証
3.その他の事実
2 行動分析と理学療法・作業療法の発展
1.動作訓練方法の確立
2.コンプライアンス・アドヒアレンスの改善
3.認知症患者への応用
4.行動分析と医学的知識の関係
5.セラピストの行動分析
第Ⅵ章 見通しを与える基準値
1 筋力の基準値
1.筋力の基準値―健常者の平均値―
2.下肢筋力の基準値―歩行自立度との関連―
3.下肢筋力の基準値―歩行速度・歩幅との関連―
4.下肢筋力の基準値―立ち上がり動作・階段昇降動作との関連―
5.徒手筋力検査(MMT)による筋力値と客観的筋力
2 関節可動域の基準値
1.ADLと上肢関節可動域
2.ADLと下肢関節可動域
3 バランス能力の基準値
1.パフォーマンステストの基準値
2.片脚立位時間の基準値―健常者の平均値―
3.重心動揺の基準値―健常者の基準値―
4.下肢荷重率の基準値―歩行・移乗・またぎ動作・昇降動作との関連―
5.バランス能力と筋力・下肢荷重率と筋力、それぞれと歩行自立度
4 酸素摂取量の基準値
5 身体機能維持に必要な歩行量
6 日常生活に必要な歩行スピード
7 筋力トレーニングの効果
8 ストレッチングの効果
引用文献・参考文献
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書籍情報
- ISBN:9784895906630
- ページ数:293頁
- 書籍発行日:2019年6月
- 電子版発売日:2020年1月17日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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