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- ER若手スタッフ便利帳 緊急検査すぐ確認!!
商品情報
内容
患者が来る前に調べておきたい項目や、プレゼンテーションの前に確認しておきたい項目がすぐにわかるように構成され、短い文章で簡潔・簡便にまとめられています。豊富な図や写真で視覚的情報が多く盛り込まれ理解を助けます。
序文
緒言
この度、「緊急検査すぐ確認!!」と題した書籍が上梓されました。編集は帝京大学医学部救急医学講座の三宅康史教授です。彼は帝京大学医学部附属病院の救命救急センター長でもあり、臨床医として長きに渡り救急医療の最前線で、まさに陣頭指揮にあたってきました。その中で例えば、精神医学的な背景を有した救急患者や熱中症を疑う患者への対応といった極めて現実的な課題に果敢に取り組んできたことでもよく知られています。
そのような立場から、今回は本書によってER(救急外来、救急蘇生室など)で活躍するスタッフに緊急検査の取り扱いを指南しています。そこには血液、尿、髄液などの検体検査から、感染症や免疫学的な諸々、超音波、レントゲン撮影といった画像診断までもが含まれていて、まさにERに出入りするすべての人々を"支援する"にふさわしいものであると言うことができます。
総論での説明にありますように、ERに働く医師が、患者が来院する前にサッと目を通す、ないし上級医らにプレゼンテーションを行うにあたり確認のために用いるなどが具体的な本書の使用法と書かれています。しかし、ERには医師のみならず、看護師やその他多くの職種が展開しています。日本臨床救急医学会における議論を参考にしますと、薬剤師、臨床放射線技士、臨床検査技師、場合によってメディカルソーシャルワーカー(医療福祉士)も各々に固有な職能に加えて、それぞれが救急医療分野において特徴的な専門性を発揮できるキャリアアップの方策(資格認定を行う仕組みなど)を構築しています。つまり、ERを軸に多職種が既に本書を待ち望んでいたことになります。
保健師助産師看護師法の改正によって、看護師にとってかつては"難しいから"という理由でできなかった医行為についても一定の研修を経て、いわゆる特定行為については診療の補助として行うことができるようになりましたし、診療放射線技師も同じく造影剤の静脈内投与ないし下部消化管内への注入が、医師による包括的な指示の下で可能になりました。医師や看護師の職能がそれぞれ看護師や診療放射線技師に移譲されたわけです。このように多くの職種が情報共有などのノンテクニカルスキルのみならず、専門的な作業であるテクニカルスキルについても、相互に乗り入れるチーム医療の方法が救急医療の分野でも普及しつつあると認識できます。
以上により、本書が多職種のスタッフに、そして将来そのようになる学生諸君にも、救急患者の搬入前に目を通したり、合同カンファランスにおいて参考にしたりと、そしてそこから湧いた疑問を医療チームの仲間に尋ねたり尋ねられたりとなれば、本書の利用は誠に奥深いものとなり得ます。多くの医療者やそれらを目指す学生らが、便利帳たる本書を手に取ることを大いに期待します。
平成29年3月吉日
有賀 徹
目次
総論
緊急検査を行う意味、避けることのできるリスク
ERにおける身体所見―病歴聴取―緊急検査の関係
確定診断へ早く到達する方法
緊急検査の価値
注意すべきピットフォール
最後に
各論
1 血糖
1.高血糖
2.低血糖
3.血糖測定器
2 動脈血液ガス分析
1.解釈の手順
2.動脈血液ガス分析でほかに測定できるもの
3.静脈血液ガス分析は実現可能か
4.動脈血液ガス分析の解釈に必要な呼吸生理
5.P/F比について
6.A-aDO2について
7.機械の設定について
8.一酸化炭素(CO)について
3 電解質
Ⅰ ナトリウム異常
1.ナトリウムの異常と調節機構
2.高ナトリウム血症
3.低ナトリウム血症
Ⅱ カリウム異常
1.カリウムの異常と調節機構
2.高カリウム血症
3.低カリウム血症
Ⅲ カルシウム異常
1.カルシウムの異常と調節機構
2.高カルシウム血症
3.低カルシウム血症
4 BUN・Cre
1.尿素窒素(BUN)とは?
2.血清クレアチニン(Cre)とは?
3.BUN/Cre比からわかること
4.BUN/Creの解離と消化管出血
5.Creと急性腎障害の重症度分類
6.急性腎不全の鑑別診断指標
5 CRP・PCT・P-SEP
Ⅰ CRP
1.CRPとは
2.CRPの解釈
Ⅱ PCT
1.PCTとは
2.PCTの有用性
3.臨床におけるPCTの有用性
Ⅲ P-SEP
1.P-SEPとは
2.P-SEPの有用性
6 緊急凝固系検査
1.実際の測定手順
2.検査結果で何を考えるか
3.次の一手
4.POCT後、次のチェックはいつ行うか
7 SpO2
1.測定原理
2.測定方法
3.モニターの基本
4.ERでの実際の使用方法
8 ETCO2
1.測定原理
2.測定方法
3.カプノグラムの基本波形
4.ERでの実際の使用方法
5.PETCO2異常の原因
9 心電図(Ⅱ誘導)
1.注意点
2.実際の測定手順
3.不整脈の診断
4.緊急治療が必要な不整脈
10 尿比重
1.尿比重・尿浸透圧測定の意義
2.尿比重と尿浸透圧の関係
3.尿比重測定の実際
4.尿濃縮の生理学
5.異常がみられた場合の検査の進め方
11 尿一般定性
1.尿一般定性検査の適応
2.尿観察・尿一般定性(試験紙)検査の実際
3.異常がみられた場合の考え方
12 心筋マーカー
1.検査の意義
2.測定により何がわかるか
3.検査結果に応じて何を考えるか
4.異常となるほかの疾患
5.次の一手
13 BNP
1.BNPおよびNT-proBNPとは
2.実際の測定―どういうときに検査するか
3.BNPとNT-proBNPの使い分け
4.検査結果で何を考えるか
5.異常となる疾患―測定結果に影響する因子
6.検査結果を次にどう役立てるか
14 D-ダイマー/FDP
1.凝固と線溶
2.一次線溶と二次線溶
3.D-ダイマーとFDP
4.測定後の判断
5.異常値を示す疾患
6.偽陽性となる場合
7.問題点
8.Get the Knock
15 髄液一般
1.目的
2.実際の測定手順
3.検査結果
4.髄液検査の臨床への応用
5.髄膜炎に対する治療の評価
16 感染症迅速診断(免疫学的手法)
1.インフルエンザ
2.A群β溶連菌感染症
3.マイコプラズマ感染症
4.レジオネラ肺炎
5.肺炎球菌性肺炎
17 グラム染色・顕微鏡検査
1.グラム染色・鏡検の適応となる患者
2.グラム染色の方法
3.鏡検のポイント
4.グラム染色・鏡検の臨床への応用
5.抗菌薬決定のその後
6.グラム染色・鏡検の限界について
18 結核関連・抗酸菌検査
1.救急外来で結核を想定する患者群
2.抗酸菌検査の解釈について理解する
3.結核である場合の対応について理解する
19 尿中薬物定性試験
1.尿中薬物定性試験の意義
2.尿中薬物定性試験の種類と特性―特にトライエージDOAについて
3.トライエージの測定原理、測定方法
4.検査結果を解釈する際の注意点
5.検査結果をどのように臨床に活かすか?
6.POCT後の追加検査とその目的
20 HCG定性
1.HCGとは?
2.HCG検査の実際
21 血液型とRh
1.血液型の測定方法
2.輸血の手順
3.危機的出血の際の緊急輸血
4.大量輸血
5.輸血の副作用・合併症
22 胸部X線写真
1.撮影体位による見え方の違い
2.重要な異常所見
3.臨床症状と鑑別疾患
4.胸部外傷
23 腹部超音波検査
1.腹部救急診療における超音波検査の役割
2.腹部救急疾患の超音波像
24 心臓超音波検査
1.心臓超音波検査を行う前の準備
2.救急の現場における心臓超音波検査の必要最小限のチェックポイント
3.救急疾患別のチェックポイント
25 産科超音波検査(FASO含む)
1.産褥期の出血への対応
2.Focused assessment with sonography for obstetrics(FASO)
3.産褥期の出血の原因
4.FASOを行う手順と鑑別診断
Topics
SMBG機器とPOCT対応機器について
FGMシステムについて
乳酸についての考え方(Advanced)
FDPとD-ダイマーの違い
SpO2測定時に陥りやすい代表的なピットフォール
百聞は一見にしかず
G式アンチバイオグラム
IGRAについて
抗酸菌塗抹検査と同定検査、感受性検査
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書籍情報
- ISBN:9784907095383
- ページ数:319頁
- 書籍発行日:2017年4月
- 電子版発売日:2017年11月10日
- 判:新書判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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