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- 改訂 情熱外傷診療―命をつなぐAdvanced skills
商品情報
内容
外傷の各分野で第一人者である先生方や八戸ERの先生方が、ガイドライン等には載っていない、豊富な経験の中から得られた実践のコツや注意点、数多くの症例提示とその対応・考察を紹介している。いわばガイドラインから実践への架け橋となる1冊。
序文
「熱い外傷診療を感じてください.JATEC™ の奥を見せます.」
「外傷は面白い」
残念ながらわが国では,外傷外科医の養成は既成の大学や教育病院ではきわめて限られた施設でしか行われていません.これがこの国の不幸であり,最近は少なくなりましたが,受け入れ施設が近くになく対応の遅れや医療スタッフの技量不足からいわゆるプリベンタブルデスを生んできています.
私も研修医を終えると,僻地で内科,それから一般外科医の道を歩んでいました.おそらくあのまま進んでいれば,今頃は地域の病院で腹部外科医として,癌患者の診療をして一生を終えていたものと思われます.しかし,私は気づきました.目の前に胸を刺された患者が運ばれて来たら助けられるのか,重症交通事故患者が運ばれて来たら助けられるのか,自問した時に答えはノーでした.
外科医の修練を終えて,私は外傷外科医の道を目指しました.
「外傷医療はヤル気さえあれば,尽きない可能性のある分野」
幸いしたのは,まず地域医療を通じて,あらゆる外科疾患を診療してきたことが挙げられます.これは沖縄県立中部病院をロールモデルとする,あらゆる外科疾患に対応する外傷医の資質を,気づかないうちに習得することに似ていました.そしてもうひとつが,わが国最先端の救命救急を行っている日本医科大学のグループ,なかでも最も外傷患者の多い系列病院で,その時代最も世界水準にあったオーベンのもとで,科学的な外傷診療の考え方と,それこそ365 日絶えることのない豊富な手術を経験できたことでした.すなわち,外傷医に必要な要素は,総合外科医のスキルと科学的外傷学の2 つの側面であり,それを修練できる実践の場です.まさに外傷医療はヤル気さえあれば,臨床でも研究でも尽きない可能性のある分野です.
「標準診療」
都市部の三次救急施設では,豊富な外傷症例に恵まれたので,先輩や,教科書から診療手順を教わることができました.しかし地方病院では,重症外傷症例は少なく,指導してくれる医師もいません.その結果,症例の少ない施設にプリベンタブルデスが多いことがわかりました.米国では1976 年にネブラスカ州の郊外で起こった飛行機事故で受傷した整形外科医が,自分たちが受けた外傷治療を反省したことに端を発し,外傷診療の標準化を始めています.それを米国外科学会が全国レベルのプログラムへと発展させました.私は,箕輪良行,林寛之の両医師とともに,1997 年わが国の地方病院に,外傷診療の標準診療(Primary―care Trauma Life Support;PTLS)を教える講習会を開始しました.その活動は日本救急医学会,日本外傷学会に影響を与え,JATEC™(2002 年〜)に引き継がれています.外傷診療の標準化により,メスを持つ外科医でなくても,ほとんどの重症外傷患者を救命できることもわかりました.いわゆる外傷内科(初療医師)の登場です.
「八戸での試み」
外傷診療は都市部だけでなく,地方にも必要です.医師数が少ない地方病院で,どこまでやれるか.私は10 年前に青森県八戸市の市民病院でその挑戦を開始しました.すると,思いもよらない好成績が出ました.救命不能と思われる重症外傷も助かるようになりました.
本書では,こうした外傷のまさにJATEC™ やPTLS では触れていないその奥をご覧に入れます.
2016年11月
八戸市立市民病院 救命救急センター所長
今 明秀
目次
序文
編集・執筆者一覧
1 ERからORにつなげ―ABCDEアプローチ+F&ダブルⅠ
A 気道
B 胸部
C ショック
C 腹部
C 骨盤
D 脊椎
D 頭部
E 体温管理と緊急輸血
F 看護師調整と家族対応
Ischemia 虚血(救肢手術)
Infection 感染(敗血症,抗菌薬)
2 ERで画像を読影
FAST
胸部X線
骨盤X線
頸椎X線
頭部CT
外傷パンスキャン
3 ER手技を確実に
輪状甲状靭帯切開
胸腔ドレナージ
骨髄内輸液
心囊開窓術
穿頭術
大動脈遮断バルーン(REBOA)
4 止血術を急げ
Damage Control Surgery
外傷IVR
骨盤創外固定
大動脈ステントグラフト
5 予測救命率を知っているか
外傷スコア(TRISS法)
Preventable Trauma Death
劇的救命
6 現場にERを持ち込め
ドクターヘリ
ドクターカー
サンダーバード作戦
災害現場出動
国際災害出動
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書籍情報
- ISBN:9784908083136
- ページ数:312頁
- 書籍発行日:2016年11月
- 電子版発売日:2018年12月7日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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