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  • これだけは読んでおきたい! 消化器医のための重要論文240篇<炎症性腸疾患編>

これだけは読んでおきたい! 消化器医のための重要論文240篇<炎症性腸疾患編>

  • ページ数 : 277頁
  • 書籍発行日 : 2019年11月
  • 電子版発売日 : 2019年12月18日
6,600
(税込)
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商品情報

内容

医学生、消化器医必携! 1論文1頁完結! サクサク読めて最新知識にアップデート!
炎症性腸疾患は消化管専門医にとって重要な領域であり、病態、診断、治療と予後について最新の知識を得る ことが必須といえる。 本書は本邦の医学生、若手医師、あるいは若手研究者の皆様に炎症性腸疾患に関する研究の醍醐味を知っていただくために企画された。 読み物として全体に目を通して頂くだけで、炎症性腸疾患に関する膨大な知識が得られるよう配慮したつもりである。それにとどまらず、本書を熟読頂き、世界のトップレベルの研究が解明した点とその手法を理解し、今後の研究にむけたヒントを掴んで頂ければ幸いである。(編者序文より抜粋)

序文

発刊にあたって

特発性炎症性腸疾患、すなわちクローン病と潰瘍性大腸炎は原因不明の難治性腸疾患である。本邦では過去40 年間に有病率が顕著に上昇し、現在では約25 万人ないしそれ以上の患者が存在すると考えられている。若年・壮年期に発症し慢性に経過するため、診断後も長期に亘って治療を継続する必要がある。さらに、炎症性腸疾患は消化管癌の高危険群でもある。このように、炎症性腸疾患は消化管専門医にとって重要な領域であり、病態、診断、治療と予後について最新の知識を得ることが必須といえる。

元来、炎症性腸疾患は北米と欧州における有病率が高かったため、これらの地域から優れた研究が報告されてきた。本邦とのタイムラグは約20 年間であり、病態解明のための基礎研究や診断・治療法の確立にむけた臨床研究も米国を代表とする諸外国に追従することになった。ただし、前述のごとく有病率の上昇にともない本邦でも炎症性腸疾患が注目され、熱意をもって取り組む若手研究者や臨床医が登場している。この状況は近隣諸国でも同様であり、中国、韓国など東アジアにおいても患者数増加とともに、世界的な研究が発信されるようになった。そこで、本書は本邦の医学生、若手医師、あるいは若手研究者の皆様に炎症性腸疾患に関する研究の醍醐味を知っていただくために企画された。

がんと同様に、炎症性腸疾患の病態は極めて複雑である。発症には遺伝的素因や腸内細菌を含む環境要因が関与すると推測されているが、その結果惹起される消化管免疫制御機構の異常に関しては未知の点が多い。また、近年稀少ではあるがクローン病や潰瘍性大腸炎に酷似する単一遺伝子疾患の存在も明らかとなっている。一方、創薬の領域から生物学的製剤を含む新規薬剤が続々と開発されグローバルな臨床研究が推進されているが、多大な時間と労力を費やしてもその有効性を示唆する高いエビデンス構築に至るとは限らない。このように、炎症性腸疾患の領域は未だ解決すべき点が山積されているといえよう。

本書は、読み物として全体に目を通して頂くだけで、炎症性腸疾患に関する膨大な知識が得られるよう配慮したつもりである。それにとどまらず、本書を熟読頂き、世界のトップレベルの研究が解明した点とその手法を理解し、今後の研究にむけたヒントを掴んで頂ければ幸いである。

最後に、企画当初から参画し重要論文の選定にご尽力頂いた編集委員の先生方、およびご多忙のなか抄訳の労を頂いた諸先生方に心より深謝申し上げます。


2019年8月align="right">岩手医科大学内科学講座消化器内科消化管分野
松本 主之

目次

基礎

01-Q001.TNBS腸炎モデルの特徴は?

02-Q002.DSS腸炎モデルの特徴は?

03-Q003.CD45RB(low)CD4陽性T細胞の特徴は?

04-Q004.T cell receptor(TCR)欠損マウスの腸管に変化が起こるか?

05-Q005.IL--10欠損マウスの腸管に変化が起こるか?

06-Q006.SAMP1/YitマウスはCDモデルとして適当か?

07-Q007.Colitis associated cancerのマウスモデルにはどのようなものがあるか?

08-Q008.T細胞移入マウスに発症する腸炎はTh1反応抑制により改善されるか?

09-Q009.マウスにおけるトリニトロベンゼンスルフォン酸(TNBS) 誘発腸炎は抗IL--12抗体で抑制されるか?

10-Q010.UCに抗α4インテグリンモノクローナル抗体は有効か?

疫学・遺伝子

01-Q031.世界的に見てIBD患者は増えているのか? アジアではどうか?

02-Q032.本邦の小児IBD患者は増えているか?

03-Q033.軽症UCの増悪因子にはどのようなものがあるか?

04-Q034.母乳栄養はIBD発症リスクを低下させるか?

05-Q035.詳細なエクソン解析により新たなCD感受性遺伝子を同定することが出来るか?

06-Q036.最初に同定されたCDの疾患感受性遺伝子は?

07-Q037.欧米人のCD感受性遺伝子NOD2の多型は日本人CDでも関連があるか?

08-Q038.日本人CDで最も相関が強い疾患感受性遺伝子は?

09-Q039.日本人固有のCD疾患感受性遺伝子は?

10-Q040.CDとUCでの遺伝的背景の共通性は?

診断

01-Q061.UCにおいて,再現性が検討された組織学的炎症の評価スコアとは?

02-Q062.Simplified Geboes Scoreとは?

03-Q063.IBDの鑑別に有用な血清マーカーは?

04-Q064.組織学的寛解を達成したUC患者は,内視鏡的寛解のみの患者よりも予後がよい?

05-Q065.血液や便検体を用いたバイオマーカーは内視鏡検査の代用となり得るのか?

06-Q066.臨床的寛解を維持しているIBD患者において便中カルプロテクチンは再燃を予測することができるのか?

07-Q067.小腸型CDの診断においてカプセル内視鏡は小腸造影検査やCTエンテログラフィーなどの他検査より有用なのか?

08-Q068.CDの診断においてカプセル内視鏡検査は経口小腸造影検査より有用か?

09-Q069.UCの内視鏡的活動性スコア:UCEISにはどのような特徴があるか?

10-Q070.UCにおいて,組織学的炎症の治療反応性を簡便に評価できるスコアとは?

089.ASCA/pANCAでIndeterminate colitisのその後の診断が予測できるのか?

診断・合併症

01-Q090.IBDに合併する末梢関節炎とHLAに関連性はあるか?

02-Q091.IBDの家族歴は,結腸・直腸癌の危険因子となるのか?

03-Q092.IBDに合併するアミロイドーシスの臨床的特徴は?

04-Q093.喫煙はIBDに合併する腸管外病変の危険因子となるか?

05-Q094.抗TNF--α療法中のIGRAのモニタリングは有用か?

06-Q095.IBDと末梢動脈疾患の関係は?

07-Q096.IBDにおける抗TNF--α療法の皮膚合併症のリスクは?

08-Q097.IBD患者における偽ポリープと結腸直腸腫瘍の関連は?

09-Q098.IBDにおけるチオプリン・TNF--α製剤とリンパ腫発症の関係は?

10-Q099.免疫統御療法下のIBD症例の悪性疾患リスクは?

UCの治療

01-Q119.UC患者の寛解導入に,嫌気的条件下で処理された糞便微生物移植法は有用か?

02-Q120.英国医師のIBDに対する便移植はどう意識されているか?

03-Q121.UC患者に対するインフリキシマブ治療において粘膜治癒を達成するには何が重要か?

04-Q122.急性重症のUCに対するインフリキシマブの最適な導入方法は?

05-Q123.UCに対する抗TNF--α抗体製剤の効果予測は可能か?

06-Q124.UCで抗TNF--α抗体の皮下注製剤から点滴製剤への変更は有効か?

07-Q125.UCに対する抗TNF--α療法はインフリキシマブかアダリムマブのどちらから始めるべきか?

08-Q126.UCにおけるインフリキシマブのバイオシミラーの長期治療効果は?

09-Q127.生物学的製剤や免疫調節薬を使用中のUC患者における5--アミノサリチル酸製剤の併用率や医療費負担の実態は?

10-Q128.ベドリズマブ投与が必要なUC患者ではアミノサリチル酸製剤併用は有効か?

CDの治療

01-Q150.CD治療におけるインフリキシマブとアザチオプリンの併用治療はインフリキシマブ単独治療より有効か?

02-Q151.CDにおけるインフリキシマブ治療にアザチオプリンを併用することで,インフリキシマブの薬物動態に影響を及ぼすか?

03-Q152.発症早期のCD患者に対して生物学的製剤を加えた多剤免疫抑制療法は従来のステロイド治療よりも有効か?

04-Q153.インフリキシマブ+免疫調節薬併用中のCD患者に対しインフリキシマブを中止すると再燃するか?

05-Q154.CDに対するインフリキシマブ治療の長期寛解維持を予測するマーカーは何か?

06-Q155.IFX二次無効のCD症例の治療強化の有効性を予測する因子は?

07-Q156.アダリムマブはCD寛解維持に有効か?

08-Q157.生物学的製剤未治療の活動性CDに対するアダリムマブによる治療にアザチオプリン併用は有用か?

09-Q158.抗TNF--α抗体と免疫調節薬の併用の有効性と安全性は?

10-Q159.CD患者の治療において,バイオマーカーに基づいた治療方針の決定が患者の

経過・予後

01-Q179.CDにおけるLémannスコアとは?

02-Q180.UC成人発症例はどのような経過をたどるのか?

03-Q181.原発性硬化性胆管炎を合併するUCの経過は非合併例と異なるか?

04-Q182.直腸炎型潰瘍性大腸炎で病変部進展を注意すべき症例とは?

05-Q183.UCの疫学,臨床像はどのように変遷してきたか?

06-Q184.アジア・太平洋地域のIBDの臨床像とは?

07-Q185.UC患者の死亡率や死亡原因は,一般人とは異なるのか?

08-Q186.チオプリンの使用はUCの自然史を変えるか?

09-Q187.CDの自然史は,時代とともにどう変わったのか?

10-Q188.免疫調節薬の使用は,CDの自然史を変えたのか?

外科

01-Q210.大腸全摘,直腸粘膜切除,回腸肛門吻合術に適した再建方法は?

02-Q211.UC1,000例に対する大腸全摘,直腸粘膜切除,回腸囊肛門吻合術の治療成績は?

03-Q212.本邦でのUC手術における長期的な肛門温存率は良好か?

04-Q213.CDの腸管吻合法によって術後成績に違いはあるのか? 【その1】(手縫い端端吻合vs.器械側側吻合(機能的端端吻合))

05-Q214.CDの腸管吻合法によって術後成績に違いはあるのか? 【その2】(手縫い端端吻合vs.器械側側吻合(機能的端端吻合))

06-Q215.CDの腸管吻合法によって術後成績に違いはあるのか? 【その3】(Kono--S吻合法vs.従来吻合法)

07-Q216.CDの狭窄形成術の一つであるSSISの手術成績は?

08-Q217.大腸型CDの初回手術として,どの術式が最良か?

09-Q218.Dysplasiaを伴った大腸型CDに対する術式は?

10-Q219.UC及び家族性大腸腺腫症に対する回腸囊肛門吻合術において腹腔鏡(補助)下手術は有用か?

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書籍情報

  • ISBN:9784908083464
  • ページ数:277頁
  • 書籍発行日:2019年11月
  • 電子版発売日:2019年12月18日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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