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- 皮膚病診療Vol38, No.7(2016年7月号)
商品情報
内容
本誌は「臨床医のための月刊皮膚病総合雑誌」を標榜しており、以下の7つを特徴としております。
1.毎号特集形式―実地診療に役立つ
2.カラー印刷―わかりやすく伝える臨床情報
3.多彩な執筆陣―全国にまたがるネットワーク
4.アンケート特集―実地医家の生の声を
5.学会ハイライト―日皮会総会、支部総会の情報を
6.座談会―著名な臨床家、研究家によるディスカッション
7.増刊号―通常号に加えてさまざまな情報を
このほか、読者の方からの意見や投稿を掲載する「声」欄も充実しています。
序文
詳細な観察
本誌編集委員長の西岡 清先生の企画で,ドイツ学派の大御所による原著を和訳する作業にいくつか関わらせてもらった.当時の錚々たる先生方の,皮疹に対しての詳細かつ緻密な記載を改めて感じている.少し前に,同じことを感じたことがあった.最近注目されている関節症性乾癬がある.関節リウマチと類似点が多いが,リウマチは滑膜炎がその本態であるのに対し,関節症性乾癬は付着部炎であるとされる.付着部,隣接する軟骨,骨膜,滑液包膜の辺りをあたかも一つのorgan unitとみなす,"synovio-entheseal complex"という概念も,McGonagle先生から提唱された(ArthritisRheum 56:2482, 2007).ここに微小な外的刺激が繰り返し加わることにより,炎症が惹起され付着部炎が誘発される機序を,乾癬のKobner現象になぞらえて"deep Kobner"現象と呼ばれることも多い.余談だが,この話を何年も前の膠原病研究会で紹介したところ,故三橋善比古先生が寄ってこられて,本誌展望への執筆を依頼してくださった.この"deep Kobner"という用語は,てっきりMcGonagle先生が提唱したものとずっと思っていた.しかし,たまたまMoll & Wrightの関節症性乾癬の家族性発症例に関する論文(Ann Rheum Dis 32:181, 1973)を読む機会があり,その詳細な記載に驚いた.もっと驚いたことに,関節症性乾癬は,元々素因を持った人に,外傷を契機に誘発されるという可能性について言及されており,そこに"deep Kobner"現象として引用されていた論文は,より旧いものであった(Buckley WR, Raleigh RL.:NEJM 261:539, 1959).あの時代に,つまり今ほどこの病気が注目されていなかった時代に,よくここまで考察したとつくづく感心する.Moll & Wrightによる,関節症性乾癬の関節症状の分類は,今でもgolden standardだと思っている.その卓越した着眼点,詳細な観察眼には感嘆せざるを得ない.リウマチ科医である彼らの原著(Semin Arthritis Rheum 3:55, 1973)には,爪乾癬にまで詳しく触れられている.
それと比較して,最近の論文はどうかと考えると,いささか事情は異なっている.これにはいくつかの理由があろう.雑誌の紙面に制限があり,できるだけ簡潔に制限字数内で書くことが要求されることがまずあげられる.実際の臨床現場でも,服を脱いでもらってゆっくりと皮疹をみせてもらうことがなかなかできにくくなってきたことや,忙しい病院では一人あたりに時間がそれほど割けなくなってきたことも,詳細に皮疹を観察・記載できなくなった理由の一つかもしれない.しかしもっとも大きな要因は,自分の頭の中で診断がついてしまうとそれで満足してしまい,詳しく皮疹を観察することなく終わってしまうことではなかろうか.自分自身思い当たることも多い.全ての症例に,詳細な記載を求めようとは思わないが,貴重な疾患を記載する場合は,できるだけ詳細な記載を期待したい.それは,本誌に投稿される論文の,現症の記載も同じである.
このドイツ語原著の和訳本は,秋に日本で開催される日独皮膚科学会に合わせて上梓されるとのことである.若い皮膚科医にもぜひ読んでもらいたい.
山本 俊幸
目次
臨床例
妊娠を契機に増大した石灰化上皮腫
石灰化上皮腫を合併したRubinstein-Taybi症候群
日本人とポーランド人の両親をもつMilia-like idiopathic calcinosis cutis in Down syndromeの男児例
チオ硫酸ナトリウム外用により改善した皮膚石灰沈着症による下腿潰瘍
弾性線維性仮性黄色腫から生じた皮膚石灰沈着症
弾性線維性仮性黄色腫
primary plaque-like osteoma cutis
積極的なデブリードマンおよびLDL-アフェレーシスを施行し治癒しえたcalciphylaxisの1例
calciphylaxisによる陰茎壊死
剖検所見を含めたcalciphylaxisの病理組織学的検討
チオ硫酸ナトリウムが著効したcalciphylaxis
石灰化を伴った踵部の血管平滑筋腫
multiple miliary osteomas of the face
長期経過後の再発と考えたossifying fibromyxoid tumor
英文抄録
editorial
詳細な観察
topics
Nantaの骨性母斑
オステオネットワークについて
蝶の博物詩
生態13
統計
二次性骨化を認めた皮膚腫瘍─当教室における集計─
学会ハイライト
第39回皮膚脈管・膠原病研究会を終えて
診察室の四季
蝉
皮膚科のトリビア
第133回
声
ガイドラインは金科玉条ではない
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書籍情報
- ISBN:9784992000071
- ページ数:100頁
- 書籍発行日:2016年7月
- 電子版発売日:2016年10月28日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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