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- 皮膚病診療Vol39, No.9(2017年9月号)
商品情報
内容
本誌は「臨床医のための月刊皮膚病総合雑誌」を標榜しており、以下の7つを特徴としております。
1.毎号特集形式―実地診療に役立つ 2.カラー印刷―わかりやすく伝える臨床情報 3.多彩な執筆陣―全国にまたがるネットワーク 4.アンケート特集―実地医家の生の声を 5.学会ハイライト―日皮会総会、支部総会の情報を 6.座談会―著名な臨床家、研究家によるディスカッション 7.増刊号―通常号に加えてさまざまな情報を
このほか、読者の方からの意見や投稿を掲載する「声」欄も充実しています。
序文
果たすべき3つの役割
横浜市に18ある行政区の一つで医師会長を務めることになった.当区は坂道や階段が多い土地柄,大規模マンションの新規建設もなく,昭和30年代に建設された古い集合住宅が複数あり,横浜市の中でもっとも急速に高齢化を迎える地域である.現在の人口は20万人で,そのうち後期高齢者は27,000人であるが,2025年には38,000人になると試算されている.また,在宅医療を要する患者は現在2,000人であるが,2025年には3,300人に達し,さらに,認知症高齢者は9,000人から12,000人に増加すると試算されている.医療介護総合確保推進法で規定された地域包括ケアシステムの構築は行政にとって喫緊の課題であり,横浜市では各地域にケアプラザを置き,主に介護事業者が運営を行っていて,介護予防と日常生活支援総合事業を提供しているのだが,医師会も今以上にシステム構築に関わっていく必要があるだろう.また,在宅医療を担う医療機関が不足している現状では,1,300人の増加分に対応することは到底できず,医師会が休日急患診療所と同様,在宅医療拠点となって夜間や休日に活動することが求められるかもしれない.さらに,増加する認知症高齢者に対する対応は生活支援が必須であることから,医師会としても医療だけではなく,介護や生活支援への対応も必要になってきそうである.
さて,皮膚科医は地域医療の中で何をなすべきか.本年度に開催された日本臨床皮膚科医会で,厚生労働省保険局医療課長の迫井正深先生の講演を聴く機会があり,皮膚科開業医にも担ってほしい3つの役割について提案があった.これを受け入れることは容易ではないが,それぞれについて,皮膚科医の現状を考えてみた.
①在宅医療に関わる:たとえば,当区では先の試算の通り,1,300人の在宅医療を必要とする患者の増加分に対して,年に20~30人の在宅診療を行う医療機関を新たに50カ所確保しなければならない.これは当区医師会に所属する医療機関の1/3に当たる.皮膚科医の協力も必要である.しかし現状では,新規の開業医,とくに女性医師は往診に積極的ではなく,往診をする皮膚科医の年齢は上昇してきている.
②かかりつけ医機能をもつ:かかりつけ医とは,患者の身近にいて頼りになる地域医療を担う医師と定義される.必要とされる機能は,患者の生活背景を把握し,適切な診療や保健指導を行うこと,診療時間外にも最善の医療が継続されるよう,他の医療機関との協力関係を構築すること,地域住民との信頼関係を構築し,健診,学校保健など社会的活動に積極的に参加すること,である.皮膚科医は,在宅における夜間の看取りまではむずかしいが,いくつかの機能は果たせるのではなかろうか.
③遠隔診療を行う:地域包括ケアのシステムの中に皮膚科医が加わることは現状では多くない.たとえば在宅の患者で,多職種協働によるサービス担当者会議へは参加できていない.往診はできなくても,皮膚疾患がある患者の画像による診断や治療のアドバイスを行うことに協力するということは,現時点では可能な対応であろう.遠隔医療の導入は,もはや待ったなしである.適切な診療報酬のシステム構築に期待したい.
浅井 俊弥
目次
臨床例
生体腎移植後免疫抑制患者で,脂漏性角化症と連続して生じた基底細胞癌
皮膚生検を契機に自然消褪した基底細胞癌
化学療法と放射線療法の併用が奏効した顔面の巨大基底細胞癌
右頬部に生じた無色素性斑状強皮症型基底細胞癌
顔面の脂漏性角化症の局面上に生じた有棘細胞癌
イミキモドクリームによる日光角化症治療後に生じた有棘細胞癌の2症例
primary cutaneous myxoid spindle cell squamous cell carcinoma
頬部アポクリン癌
皮膚粘液癌
高齢者のこめかみ部に生じたatypical fibroxanthoma
リンパ管系分化を伴った血管肉腫
頬部の後天性真皮メラノサイトーシスに合併した悪性黒子
105歳女性の鼻翼に生じた有茎性悪性黒色腫
顔面に生じたdesmoplastic malignant melanoma
前額部悪性黒色腫からの肺転移,脳転移がニボルマブ投与によって縮小した症例
英文抄録
editorial
果たすべき3つの役割
topics
リンフォーマの診断と治療
蝶の博物詩
生態27
統計
弘前大学皮膚科における10年間の基底細胞癌の統計学的検討
治療
メラノーマ診療
学会ハイライト
アトピー性皮膚炎治療研究会第22回シンポジウムを終えて
私の歩んだ道
私の歩んだ道
NewDrugs
コムクロ®シャンプー0.05%
皮心伝心
雀医者からの直接鏡検のすすめ
診察室の四季
百日紅
皮膚科のトリビア
第147回
声
多形滲出性紅斑と多形紅斑
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書籍情報
- ISBN:9784992000217
- ページ数:114頁
- 書籍発行日:2017年9月
- 電子版発売日:2017年9月8日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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