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- 皮膚病診療Vol40, No.5(2018年5月号)
商品情報
内容
本誌は「臨床医のための月刊皮膚病総合雑誌」を標榜しており、以下の7つを特徴としております。
1.毎号特集形式―実地診療に役立つ 2.カラー印刷―わかりやすく伝える臨床情報 3.多彩な執筆陣―全国にまたがるネットワーク 4.アンケート特集―実地医家の生の声を 5.学会ハイライト―日皮会総会、支部総会の情報を 6.座談会―著名な臨床家、研究家によるディスカッション 7.増刊号―通常号に加えてさまざまな情報を
このほか、読者の方からの意見や投稿を掲載する「声」欄も充実しています。
序文
周辺情報
「リンパ腫の病理診断」の講演を聞く機会があった.リンパ腫の国際分類が新しくなり,疾患の詳細を理解することがますます困難になってきているように感じている.診断に至る大前提は腫瘍細胞の性状を明らかにすることであるが,H-E染色による形態学的所見のみでは確定診断は困難であり,免疫染色を含めたさまざまな免疫学的手段を駆使することが求められる.しかし,そのすべてを検索することができる機関は限られており,最終的にはその方面の専門家に任せる必要があろう.この度の講演は,専門の病理医の"リンパ腫診断における演者の経験則"の話であり,教科書には書かれていない演者の経験にもとづいた診断に至る考え方を話され,病理医も臨床医と似たような考え方をしているものだと大変興味深く拝聴した.
病理診断を行うには1枚のプレパラートを顕微鏡でみるだけではなく,その患者の周辺の情報を得ることが重要であると指摘されていた.その内容の一部を紹介してみると,リンパ腫の診断をする前に,日本人のリンパ腫の大まかな頻度を知っておくこと,ATLLは九州,沖縄などの地域で頻度の高い疾患であり,患者の出身地,患者名などをいつもチェックしているという.年齢による疾患頻度の違いがあることは,疾患の好発年齢が参考になり,解剖学的部位によって発症しやすい疾患があり,疾患の好発部位を知っておくことが役立つ.さらに,高γグロブリン血症など他の臨床症状の有無,発疹の性状など特徴的臨床情報の把握も診断の手助けになり,いわゆるメソトレキセート関連リンパ増殖性障害などの重要な薬剤歴の有無の情報も必要である.これらのさまざまな患者背景を知ったうえで,腫瘍細胞の形態の観察,免疫組織化学染色などを加える.その病理所見も多数の症例の経験から,各疾患にポイントがあるようで,それを見極めることが重要であることを話されていた.大切なことは多くの周辺情報を常に見落とさないことにあるようで,臨床医の診断にも応用できる話である.
翻って,臨床医は病理伝票にどの程度の患者情報を提供しているか,はなはだ心もとないかぎりである.
皮膚科診療においては目の前にある皮膚症状(発疹)の性状を詳細に観察することが求められるが,主訴となっている発疹以外に他の部位に違った病変があるかどうか(副所見),薬剤歴,全身臓器病変の有無などを見落とさないことが重要になる.また,似たような症状を呈する疾患については鑑別診断をあげることが必要で,周辺情報を加えて鑑別点を検討することにより,その症状を呈する他の疾患との違いが理解できるようになり,次の診断にたいへん有益なことになる.臨床医は多数の症例を経験することがときには必要であるが,鑑別診断をあげてその違いを考える習慣も,診断の向上のためには必要な作業である.そうすることにより,診断根拠の"らしさ"が身に着けられることになるであろう.
臨床をみる目の向上のためには,周辺情報を見落とすことなく,さらに鑑別診断を十分に検討したいものである.
斉藤 隆三
目次
臨床例
Parakeratosis variegata
ロスバスタチンによるinterstitial granulomatous drug reaction(IGDR)
本態性血小板血症患者に生じた環状紅斑
成人女性に生じた右腋窩皮下腫瘤
左腋窩から左上腕に多発性の結節を伴う暗紫色調の局面形成を認めた乳児Kaposi様血管内皮腫
ATP2C1遺伝子に変異を同定したHailey-Hailey病
腋窩に生じた外毛根鞘性囊腫
eruptive syringomaの2例
乳房外Paget病─右腋窩の紫紅色斑を契機に外陰部にも病変を認めた─
腋窩に生じた皮膚原発アポクリン腺癌
腋窩アポクリン腺癌
診断に苦慮した腋窩汗腺癌
右腋窩に生じたアポクリン腺癌
原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫
英文抄録
editorial
周辺情報
治療
腋窩多汗症の治療(A型ボツリヌス毒素局注療法)について
topics
化膿性汗腺炎 最近の話題
蝶の博物詩
生態35
学会ハイライト
第68回日本皮膚科学会中部支部学術大会を終えて
皮心伝心
目指せ,遠山の金さん
診察室の四季
囀さえずり
皮膚科のトリビア
第155回
声
「市販外用薬によるアレルギー性接触皮膚炎の合併により難治化した陰茎,亀頭部の潰瘍病変」について
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書籍情報
- ISBN:9784992000295
- ページ数:96頁
- 書籍発行日:2018年5月
- 電子版発売日:2018年5月18日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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