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  • 若年性特発性関節炎(JIA)における生物学的製剤使用の手引き 2020年版
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商品情報

内容

代表的な小児リウマチ性疾患である若年性特発性関節炎について,治療に用いる生物学的製剤の使用方法を包括的にまとめた手引き.移行期にも対応できるよう,妊娠・授乳中の製剤使用や医療福祉制度についても解説.

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序文

若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis:JIA)は,「発病の機構が明らかでない」,「治療方法が未確立である」,「希少な疾病である」,「長期の療養を必要とする」の4要素を満たす難病であり,2018年4月厚労省が認定した指定難病に登録された小児リウマチ・膠原病を代表する疾患である.しかし,本疾患の病態は自己炎症あるいは自己免疫を基盤とする全身性炎症性疾患であり,炎症学,リウマチ学の著しい進歩に支えられ,診断技術,治療薬・治療法は目覚ましく進歩した.そのことにより,炎症病態は早期診断・早期治療介入の原則さえ貫けば臓器障害を成人期までもち越すことなく,良好な予後を期待できるようになった.

このパラダイムシフトを引き起こす端緒になったのは,「生物学的製剤の登場とその普及」であることは疑う余地がない.生物学的製剤は,関節リウマチでも画期的な治療改善をきたすことが知られているが,JIAにおいてもグルココルチコイドに依存していた状態から脱却させるのに有用で,長期的な副作用・合併症を未然に防ぐことを可能にしたという点で,医学的・社会的功績はきわめて大きい.

2008年に,トシリズマブに対する生物学的製剤の手引きがはじめて公表されてから,今年(2020年)で12年目を迎えた.当初は使用に関して手探りに近かった薬剤であったが,最近では小児リウマチ医の経験値が上がり,少なからず有用性および安全性を担保する知見が増えてきた.そこで改めて分かってきたことは,生物学的製剤はきわめて有効な効果を示す反面,感染症をはじめとする副作用を惹起しやすい「諸刃の剣」であるため,十分に注意して使用しなければならないということである.

この「若年性特発性関節炎(JIA)における生物学的製剤使用の手引き2020年版」は,現段階における最新の知識および知見により,適正でかつ安全な使用を促すために作成された,重要な手引きである.本書が臨床の場でしっかり医師およびメディカルスタッフに活用されることで,個々の患者さんのQOLの向上につながるということを信じて止まない.

2020年4月

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業
小児期および成人移行期小児リウマチ患者の全国調査データの解析と両者の異同性に基づいた全国的「シームレス」診療ネットワーク構築による標準的治療の均てん化研究班 若年性特発性関節炎分担班
研究代表者
森 雅亮

目次

序文

緒言

執筆・協力者一覧

略語一覧

序 章 JIAとその治療概論

第1章 JIAにおける生物学的製剤総論

第2章 全身型JIA

1 全身型JIA概要

2 トシリズマブ

3 カナキヌマブ

4 全身型JIAの治療評価

5 生物学的製剤使用中のMAS

第3章 関節型JIA

1 関節型JIA 概要

2 トシリズマブ

3 エタネルセプト

4 アダリムマブ

5 アバタセプト

6 関節型JIAの治療評価

7 JIA関連ぶどう膜炎

第4章 その他

1 予防接種

2 妊娠・授乳

3 手術

4 医療福祉制度

付録 JIAの治療評価項目

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784758118774
  • ページ数:92頁
  • 書籍発行日:2020年5月
  • 電子版発売日:2020年6月5日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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